トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

希望の光

2008-09-27 22:09:04 | 子供
休日前の夜。
ビール片手にゴロンと横になった。

眠い目を擦りながらぼんやりとテレビを見る。

お兄ちゃんの部屋から笑い声が聞こえてくる。

週末前、仕事帰りに用事があってあーちゃんのお迎えをお兄ちゃんに頼んだ。
用事が終わって電話をするとまだ保育園に迎に来ていないと言われた。

とっくに学校は終わっているのに忘れちゃったのかな?
訝しがりながら家に帰ると丁度あーちゃんを連れてお兄ちゃんが帰ってきた。
『遅かったね』と言うと『学校が遅かったから』と言った。

その夜先生から電話がきた。
お兄ちゃんが養護学級のお友達とトラブルを起こしたということだった。
養護学級のお友達に、学校帰りに度々酷い事を言って傷つけたと言うのだ。
養護学級の子供たちが先生に訴えて発覚し、養護の先生を交えて
お兄ちゃんに注意したらしい。

お兄ちゃんはパニックになって泣いてばかりだったという。

電話を切ってお兄ちゃんに『言って良い事と悪い事があること』
『ハンデのあるお友達にそれを指摘して笑うことはいけないこと』
など話して聞かせたけれどお兄ちゃんは

『どうせ俺は空気の読めないバカヤロウなんだ。あいつらも俺が先生に怒られて
いい気味だと思っているに違いない。何をやってもダメなんだ。
俺みたいな人間は誰にも近づかなければ良いんだ。』
とパニックになって泣きだしてしまった。

どうしてそんな事ばかり言うのだろう。
どう言ったら分かってくれるのだろう。

泣いてばかりいる息子をみて途方にくれた。


きっと、この子は人の気持ちも理解し難いのだろう。
幼い子が足の悪い人を指差して『あのひとどうしたの?』というように
悪気があるわけじゃなく、分からないだけなのだ。

普通なら体の不自由な人にそんな事言わないと暗黙で理解する事も
お兄ちゃんには分からないに違いない。

『俺ってどうして人と上手くいかないんだろう』机に向いながらそう言った。

『誰だって上手くいかないさ。お母さんなんて未だにお友達に言わなきゃよかったなぁって思うことあるよ。後悔しながら言ってはいけないことを学んでいくんだよ。

テレビの話とか『昨日のしんちゃん面白かったね』とか『小島よしおって面白いよね』とか『こんなゲーム買ったら面白かった』とかは話しても良い事だよ。
『お前、太ってるとか痩せてる、足が遅いとか顔が醜いとか』そういう相手の
事を話すことはトラブルの元なんだよ。


『そうか。ナルト面白いよねとかは良いんだね。なんか分かってきた』と嬉しそうに笑った。

素直なお兄ちゃん。君はすごいよ。

傷ついても傷ついても立ち上がって生きようとする。
その目はいつもくもりなく澄み切っている。

ぼんやりテレビを見ながらウトウトしているといつの間にか
部屋が静かになっていた。

お兄ちゃんがフラッと居間に来て
『勉強、終わったよ。明日はお父さんちだから2日分やった。』そう言って嬉しそうにテストを見せた。

この前の技術のテストだった。
一夜漬けでやったテスト。『48点』だった。
『すごーい!良かったね』というと照れくさそうに笑い
『ここはねこうやって考えて書いたんだよ』と得意そうに話してくれた。

この前、古典の暗記のテストがあると言って二人で頑張ったけれど
なかなか覚えられず、ふざけてお兄ちゃんの好きなアニメの曲に
古典の詩をあてはめて歌って覚えたらすぐに覚えられた。

2人で大きな声で歌ってあーちゃんが踊って、ゲラゲラ笑いながら覚えた。

学習障害と向き合って生きる。
ちょっとだけ光が見え始めた気がする。



やる気が。。。

2008-09-22 23:49:13 | 
ぎっくり腰もすっかり治り、あーちゃんのとびひも一段落し。

お兄ちゃんは『俺はもう悪い事は考えないようにするんだ!ドロボーにはならないぞ。悪い事はもうしないんだから大丈夫なんだ』と時々ベットから聞こえてくる。

学校が早く終わった日に
『ゲームセンターの近くの本屋に本を買いに行ったけど
売り切れでそのお金でゲームしようかなって思ったけど止めて帰ってきたんだ。
凄い?』と意気揚々と語るお兄ちゃん。

『おばあちゃんがゲームしようって誘って行って千円くれたけど俺、300円で我慢したんだ。我慢できたでしょ。大丈夫なんだ』と確認するように必死に報告するお兄ちゃん。

自分のした事に1番恐くなったのはお兄ちゃん自身だったのかもしれない。

私はお兄ちゃんが『我慢したんだよ。』『我慢できたんだよ』と報告するたびに
『うん。凄いね。頑張ったね』と言う事ぐらいしかできない。

我慢できた事が自信に繋がってくれたら嬉しいと思う。

我慢しすぎて爆発しちゃうんじゃないかと元夫と重なる事もあるが
今はお兄ちゃんのする事を見守る事しかできない。

先週、体育と技術の試験があった。
前日に全て私の勘で出そうな部分を選んで覚えさせた。

数学や英語。
他の勉強もどこまでどう教えて良いか試行錯誤していたけれど
普通の勉強方法ではお兄ちゃんはパニックを起こし、分からない自分に苛立ち
『どうせ、バカなんだ。』と落ち込んで傷つくばかりだと気がついた。

勉強せずに料理が上手いとか、図工が凄いとか出来る部分を褒めているほうが
お兄ちゃんの精神状態は安定していてボチボチと小学校の問題集をやっている。

中学の勉強をこのままやらずに放置したらどうなるのだろう。。?
当然、点数は上がらず、成績もゼロ。

提出物や宿題は私が手伝ってやるだけやっている。
というか殆ど私が答えを読んで書いている状態。
それでも本人は自分でやったと満足げである。


勉強も英語の単語を調べる事がとても苦痛らしい。
ならば、私が調べて訳してそれを息子が読むと言う方法はダメなのだろうか。

こんな風に全てに手を貸してはダメなのかもしれない。
でも凄く傷つきやすくてちょっとでも違うと『やっぱりバカなんだ』とやる気を
失ってしまうお兄ちゃんを見ていると戸惑うばかり。

相談員の人は『とにかく自信を失わないように周りの配慮が必要です』
自信を失わないようにするには間違えないようにする事なのか。
『間違っても良いんだよ』は今のお兄ちゃんには通用しない。
『こんなのも分からないなんてやっぱり頭がグチャグチャなんだ』と投げやりになってしまう。どんな慰めも励ましも間違いという事実からお兄ちゃんを解放する事はできない。

お兄ちゃんは点数にも拘っている。
今まで私が『こんな点数でどうするの』と叱ってきたのだから当然なのだ。
今更『点数よりもやる気だよ』なんて空々しいと自分でも思う。

お兄ちゃんのクラスの子供たちも点数に一喜一憂。
みんなで見せ合い相手の点数で自分の位置を確認するのも中学生なら
良くある光景なんだろう。

お兄ちゃんの点数を勝手に見て『お前。あったまわりー!』とバカにされる事もあるらしい。

そしてがっくりと落ち込んで。

必死に教えても10点。
何もしなくて0点。

笑っていられるなら0点でも。。。
嫌々。諦めずにもう10点上を。。。

専門の家庭教師でもつけてあげられたら、違うんだろうか。
自分の限界を感じる。

みなさんへ

2008-09-13 08:57:31 | 
話を聞いてくださった皆さん
声をかけて心配してくださった皆さん

お返事がなかなか書けなくてごめんなさい。

ぎっくり腰の症状が良くならず、今も座っているのがやっとという感じです。
今日から実家に帰って静養してきます。

声をかけてくださった方の言うとおり、
お兄ちゃんの出来事でフラッシュバックが起こってしまって
お兄ちゃんの問題を分けて考える事が出来なくなっていました。

皆さんの声を聞いているうちに少しずつ落ち着いてきました。
お兄ちゃんの学習障害は経験からの学習にも弊害があるのかもしれません。
そのうち分かるはずは通用しないんだと思いました。

我慢する経験やお金の使い方の経験など普通より倍時間がかかるんだなと
思いました。

お兄ちゃんはとても反省していて、父親との事も良く話しました。
その事もまた話せたらと思います。

いつも、心をかけてくださってありがとうございます。
季節の変わり目に入って体調を崩しやすいかと思います。
皆さんもお体に気をつけて過ごしてくださいね。

挫折と混乱と心の声

2008-09-10 20:54:59 | 
お兄ちゃんが夏休みに私がディズニーランドに行く為に
貯めていた貯金箱からお金を抜いてゲームセンターに行っていた事が分かった。

話して、諭して、泣いて。。。
遂に元夫との離婚も借金と家庭内泥棒だった事を打ち明けた。

『言いたくなかった。でもお兄ちゃんがこのままじゃお父さんみたいになったら
大変だと思うから』

お兄ちゃんはようやく本当の理由が分かってビックリしていた。
『だからお母さんは借金はダメだよって言ってたんだね』とひと事のように
頷いていた。

その後も泥棒の事やお金を盗んでまでゲームをしたくなる恐さや
そんな話をしていると元夫とのやり取りと重なってやりきれなくなる。

離婚してもまだこんな話をしなくちゃいけないのか。

その夜私はぎっくり腰になって動けなくなった。
お兄ちゃんはご飯を作ったり、布団を敷いたり、優しい声をかけてくれたり
その姿が借金がばれた時の元夫の姿とまた重なる。

心が叫んでる。
ちっこ。無駄なんだよ。
何をやったって無駄さ。

お前のやることなんかなにひとつ上手くいったことなんかないじゃないか。

お前に子供を育てる資格なんかないのさ。

離婚したって何からも逃れられないのさ。

息子は泣きながら言った。
『僕を嫌になった?僕を捨てるの?』

『嫌いになんかならないよ。いつだって大好きだよ』

その言葉が元夫との泣き顔と重なった。

声をかけて下さった皆さんへ。
お返事が書けなくてごめんなさい。

荷物

2008-09-07 21:40:20 | 
荷物が重くなりすぎたようだ。

毎日の疲れがなかなか取れない。
でも、夜も早く寝る気になれない。

あれから毎日続いているお兄ちゃんとの勉強会。

今は小学3年生位の問題集と中学の教科書の音読や英訳を平行してやっている。
特に私のする事はない。
ただ見ていて、聞いているだけ。

それでもお兄ちゃんは私を呼ぶ。
私はお兄ちゃんのベットに座って本を読んだりしている。

その合間に食器を片付けたり、次の日の支度をしたり、あーちゃんをお風呂にいれたり。

気がつくともう、10時。
早く寝たいなと思ってもパソコンをしたり、テレビを見たり。

それでも何とかリズムをつかめつつある。
が。。。。。。。。

あーちゃんのお肌トラブルの多さにまたまた疲れている。
虫刺されからアレルギー反応を起こし全身の蕁麻疹。

ようやく治ったらトビヒ。

水いぼの悪化。

それも治らぬうちに、今日、またトビヒを発見。
明日はまた会社帰りに皮膚科に直行しなくちゃいけないかと思うと
ため息が出る。

そして、私も水いぼに。。。

大人はなりにくいけど免疫が落ちているとうつるらしい。
それを掻いてしまったためにトビヒも感染したらしく
さっきから透明な汁が湿疹からにじみ出ている。

前回貰ったあーちゃんのトビヒの薬を塗って様子をみているけど
明日は私も一緒に見てもらわなくちゃ。

あーちゃんの皮膚の弱さは生まれつき。
今の皮膚科は予防接種の絆創膏にかぶれてとびひになっていらい
ずっとお世話になっている。

我家からはちょっと遠いからバスかタクシー通い。
おまけにもの凄く混んでいて会社が終わってから行って
帰りは8時を過ぎることもある。

だからなるべく行きたくないのにあーちゃんのお肌は待ったなし。
ちょっと変だなと貰っておいた薬を塗って様子を見ても
必ず悪化して病院へ行く羽目に。

今回もとびひとはちょっと違って転んだ傷に見えたから
絆創膏はって様子を見ていたら、今日には水ぶくれになって破れていた。

あーーー。
変だと思ったときに行けば良かったなぁと思っても遅い。

これでまたしばらく通わなくちゃ。

仕事が終わった後の時間をゆっくりしたい。
今の私のささやかな願いだ。