トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

吐き出さずにいられない

2008-12-05 19:25:26 | 共依存症
わかっているんだ。
依存症の人に自分の考えをぶつけても
自分の都合の良い様にすり替えられるか、自分の生い立ちのせいだって
逃げられるかだって。

結局、言いたい事は伝わらないし、相手をねじ伏せようとする
この気持ちが私の共依存の部分だって。

でもね。やっぱりね。
子供が傷ついて泣いているのにね。
『あの子は私の気持ちを分かってくれているの。
あの子は私の為に受け入れてくれたの』なんて
これまた都合の良い様に話されるとね我慢できない怒りがわいてくるんだよ。

『なに、言ってんの?』って。

子供が親の為に我慢するのは捨てられたくないから良い子を演じているんだよ。
子供が親の思うように行動するのは親に認めて欲しいからだよ。

都合の悪い事は『私は子供の頃もっと辛い目にあってきた。だから今の子供達が
辛いとは思えない。私はもっとあーしてもらいたかった。こうしてもらいたかった。あなたには分からないわ。私の辛さなんて。もう。良いわ。私は私を理解してくれる人だけに話すから。子供は私よりもずっと大人だから大丈夫よ。心配しないで』


自分は不幸な生い立ちだから自分の子供は自分より辛い目にあうべきだとでもおもっているの?

自分より幸せになる権利はないとでも?

そうさ。私にはあなたの心に踏み込む権利なんてないよ。
でもね。
『良いよ。ママの好きなようにして』と言った子供の気持ちが痛くて
痛くてたまらないんだよ。



お姑さん

2007-06-11 19:51:57 | 共依存症
久しぶりにママ友と飲む約束をした。
元夫と丁度面会の日だったので泊まりにしてもらった。

いそいそと元夫の車に乗り込んだ子供達を見送って少し経った頃
電話が鳴った。

「○○タクシーです。そちらのお姑さんを近くまで乗せてきたんですが、
ちょっと場所がハッキリしないのと足がご不自由なので迎えに出て下さいませんか」

「姑ですか?1人で乗ってるんですか?」
「そうです。お1人です。こちらも困ってます。お願いします。」

住所を告げて少しするとお姑さんを乗せたタクシーが着いた。

あまりの突然の出来事にただ驚いて見ているしかなかった。
やせ細って目だけギョロギョロしたお姑さんは私の顔を見ると
「一晩泊めてくれ」と言った。

「ど。どうしたんですか?」
「どうもしない。遊びに来たの」
「お舅さんには言ってきたんですか?逃げてきたんですか?」

「言ってきたよ。遊びに来たんだ。泊めてくれ」

杖を突いてフラフラと家に入ってきた。
「誰もいないのか?何処へ行った?」
「今、出かけていて。。。」

「息子はどうした?仕事はどうなった?」
「新しい仕事をしています」

おもむろに立ち上がると取り込んだばかりの洗濯物をたたみだした

隙を見て元夫に電話した。
元夫はすぐに子供を連れて戻ってきた。

洗濯物をたたんでいる姑に元夫は「何しに来たんだ」とぶっきらぼうに言った

「遊びに来たべさ。」

「あんな帰り方して、良く来れたもんだ。今更来ても俺らは何も出来ない。
悪いけど俺達離婚したから、今日は子供達との貴重な日なんだ。邪魔しないでくれ。帰ってくれ。」

あまりの突然の告白に姑は理解できないようだった。
「別れたのか?私は知らないから。何も知らないから。ただ遊びに来ただけだから」

「親父に連れられて帰っただろう。足で蹴るようにして帰っただろう。
あの後ちっこがどんな想いしたか知らないだろう。」

「知らない。分からない。」

「あー。そうか。とにかく、そういう事だから、もう俺を巻き込むな。
あんたはあそこが良くて帰ったんだ。タクシー代やるから帰れ!帰れ!」
元夫が頭を抱えて泣き出した。

「私は何にも知らない。分からない。そんな事言うなら帰るわ。悪かったね」

そう言うとフラフラとまた杖を突いて玄関へと向かって行った。

タクシーを呼んで外でお姑さんと並んで待っていた。
かける言葉も思いつかなかった。

お姑さんは一言「お舅さんには暫く黙ってるから」そう言った。

お姑さんの顔は能面のようで何も感じていないように見えた。

心のシャッターを閉じたのだろう。
息子を頼りに生きてきた姑だった。
息子を支配し操り舅を支え続けた姑だった。

タクシーに乗り込んだ小さな背中は怒りが詰まっているようにも
悲しみが噴出しそうにも、ゆらゆらと陽炎のようにはかなくも見えた。

真っ白い骨だけの手をひらひらと振ってタクシーは遠ざかっていった。

私は何時までも見送っていた。
見えなくなってもその場を動く事が出来なかった。

因果応報。育てたように子は育つ。
元夫を自分の物のように支配し、永遠に我が手の中に縛り付けようとした
義理両親達。

孫も息子も全てを失った義理両親達。
それは、あまりにも悲しい家族の末路だった。

今日は私のやりきれない想いを聞いてくれてありがとう








怒りの問題 3

2006-08-08 14:31:05 | 共依存症
私はこんな嘘ばっかりつく父親やアルコールで問題ばかり起こす舅を見ていたら
子供にも影響が出るんじゃないかと心配していた
でも、自分を振り返って感じる事は
依存症の家族の連鎖は夫の依存症から子供へ連鎖するんじゃなくて
夫から妻へ、妻から子供へと連鎖していくんじゃないだろうか

息子が心に深い傷を負っていると知って凄く悩んだ(盗癖で書いてある)
悩んでいたけれど私は自分の怒りが間違って息子に向かっているとは思っていなかった

息子へのしつけが厳しすぎた事が原因だと感じていた
八つ当たりしている事に気がついていなかったのだ

「夫のような大人になって欲しくない」
「舅のような大人になったらどうしよう」と言う不安からつい厳しくしてしまった

自分が共依存症だと気がつき初めた頃だったので、息子をコントロールしようとする所もいけないんだと反省した

優しく、褒めて、大きなマスクをしてガミガミ指図せず、子供の声に耳を傾ける
そんな育児をしようと頑張った

息子は砂に水を染み込ませるように、元気になっていった
その事がとても嬉しかった反面、私の中の怒りは増大していった

いかに今まで心に溜め込み息子へその怒りを吐き出していたかを思い知らされた

でももう息子を傷つけたくない。その決心だけは揺らぎなかった
ブログを開設し自分の中に溜まっている怒りを文字にするようになっていった

相変わらず女の子は怒ってはロープでぶら下がる事を繰り返していた

夫の借金が発覚して私は強くなりたいと思った
ただ泣いて身の不運を嘆く自分を捨てたかった

夫の借金や今までの嘘を知ってもの凄く傷ついたけれど、怒りよりも自分を強くしたい思いでいっぱいだった

借金の整理もしてめどが立ち始めた先日の事

電話が鳴って出ると退職金が振り込まれた銀行からだった
「住宅ローンのお支払いを見直しませんか」といきなり言われた

「はあ?うちは住宅ローンはしてませんけど」と言うと
「失礼致しました」と切れた

私が「住宅ローンだって。変なの。うちは住宅ローンなんてしてないのにね」と言うと
夫が「住宅金融公庫の事じゃないの」と言った

私の頭の中にはローンという言葉でパニックになっていた

・・・なぜ借りてもいないのにそんな電話が来るんだろう・・・
今夫は金融公庫って言った?まさか金融公庫を借りているんじゃ・・・
頭に疑惑が湧くと止められなかった

急に黙りこくった私に夫は
「なによ!なんかあんのかよ!」と怒った

「納得いかない。何で銀行から住宅ローンの電話なんか掛かってくるの?」
「しらねーよ。退職金入ったから電話してきたんだろ!」
「だってうちは住宅ローンなんてしてないじゃない」

「しらねー!!!!電話でも何でも掛けて聞いてみろ!!!!」

私の中の女の子がゆっくりと起き上がり何かを叫ぼうとした瞬間

「納得いかないから聞いたんだよ。これからはあやふやにしないって言ったはずだよ」女の子が言う前に自分の口から言葉があふれた

「私はあなたを信用しない。そう言った筈だ。誤解なら誤解なりの説明をすればいいじゃないか。そうやって私が疑ってばかりいる卑しい人間みたいに
私の事を2度と見るな!
あなただって覚悟の上の筈だ。」

夫はいきなり隣の部屋へ行き自分の荷物をまとめ始めた
「お前はずっと我慢してきたって言いたいんだろ!俺が出て行けば収まるんだろ!」

「それが、あなたの結論なの?ちょっと時間が経ったからってすぐ信用を取り戻せるとか思っていたの?我慢してきたさ。どれだけ私に嘘ついて私を傷つけて来たのか分かる?私は止めない。あなたを疑う事を止めない。私だって疑い続けて暮らすのは辛い。
でもやり直すって決めたから私はそういう事も受け入れる覚悟だったさ。
あなただってそれくらい覚悟を決めていると思っていたよ!
出て行く気もない癖に人を試すような事するな!!!」


夫は静かに部屋を出て行った

後は涙が止まらなかった
夫の借金が発覚してから涙は流さないと決めていた
でも後から後からあふれて止まらなかった

十分くらいして夫が戻ってきて
「ごめん。住宅ローンなんて本当に知らないんだ。退職金で大きい額が入ったからきっと銀行のセールスみたいなものなんだと思う
電話して聞いてみても良いから。疑われて悲しかったんだ。
お前を卑しいなんて思っていないから・・」そう言った

「分かってくれれば良いよ。私はもう変わらないから。
疑問が湧けば何度でも説明を求めるつもりだから。」

「わかった・・。ちゃんと説明するから」

夫はちょっと頭冷やすと言ってタバコを買いに出て行った
気が抜けたようにそこから動けなかった

私はずっとこうやって怒りたかったんだそう思った
自分で自分の気持ちを伝える事ができた
たとえそれで夫婦が駄目になったとしても、たとえそれで夫がやけを起こしたとしても、それでも良いと思った
それで夫が出て行くことになっても後悔しない

だって言いたかった思いを伝える事が出来たのだから

いつもの様に心の中からギシギシという音が聞こえてきた
私はゆっくりと女の子の首からロープを解いた

もう良いよ。自分の怒りは自分で責任を持つから
だからもう良いよと女の子に呟いた
(終わり)

怒りの問題 2

2006-08-06 13:34:23 | 共依存症
息子が3才を過ぎた頃
いつもの様に夫のお弁当を作っていると夫が横でガサガサとゴミを集め始めた

いつもはゴミの日や廃品回収すら見向きもしない夫がせかせかと集めていた
これは夫の合図だった
こういう事を進んでやる時は大抵お金の要求だった

「ゴミ集めたよー」と明るく言う夫
「あー。ありがとね」

「あのさー。この前○○さんの送別会で会費と贈り物のお金請求されちゃって
立て替えたから貰っても良いかな」探るような夫の目つきが嫌だった

「○○さんて誰?」
「違う部署なんだけどさ」
「いつも他の部署の人の送別会でないじゃない」

「今回は特別!結婚式もでて貰ってるんだよー」と甘えるように言う
私の中の女の子がゆっくりと起き上がる

・・・嘘言ってんじゃねーよ!・・・

「ふーん。いくら?」
「送別会で5千円。贈り物で3千円。その後2次会も誘われてるから1万位欲しいんだけど」

「この前ボーナスでてお小遣い多めにあげたじゃない。もうないの?」
夫の顔が見る見る不機嫌そうに歪む
「何だよ!信用してないんだな。じゃあイラねーよ」とゴミを持って
玄関を出ようとする

私の中で凄く動揺する
もし本当に会社の人の送別会だったら・・・
もし此処でお金を渡さなかったらまた借金するかもしれない
他で借りられるなら1万位今渡したほうが良いんじゃないか

夫の軽蔑したような目も痛かった
暗にいつまでも過去に拘っている嫌な女だと語っているような気がした

「分かった。そんなに怒らなくても良いじゃない。先月会社の穴埋めに多めに出したからちょっと生活が辛いんだ・・・」と無理に笑顔で取り繕った

「なんだー。ごめんねー。本当にいいの?大丈夫?」急に機嫌を直して夫が
お金をすばやくお財布にしまった

「ちっこ。疲れてるんじゃないの?今日は昼寝でもしたら?」と猫なで声をだして
私の機嫌を諮るようにキスを求めてきた
いつもそう。自分の嘘がばれたかどうかを試すために要求するのだ

私は黙って受け入れた
心の女の子は

・・・その汚いうそばっかりつく口でキスなんかするな!!気持ち悪いんだよ!
死ね。お前なんか死ねば良いんだ!そんな分かりきった嘘なんかつきやがって
馬鹿にするな!!・・・
ナイフをブンブンと振り回しながら叫んでいた

夫がゴミを持って出て行った
私はしばらくドアを見つめながら女の子の怒りを聞いていた

不意に唇をごしごしと袖で拭いた
一度噴出すと止まらなかった
ゴシゴシ!ゴシゴシ!唇が赤くはれ上がるほど強く拭いた

部屋へ戻ると息子がのんびりと朝ごはんを食べていた
その小さな背中を見て
「なにグズグズ食べてんだよ!!早くしろ!!」と怒鳴った

息子はビクッとして振り返った
自分で言った言葉に驚きながらも止められなかった
慌ててご飯に手を伸ばした息子が味噌汁をこぼした

「だから!良く見なさいって言ってんでしょ!!何やってんのさ!どうすんのさ!!シミになるでしょ!?」
こうなると自分で自分をコントロールできなくなる
あの頃はいつもこうだった

夫の借金はなくなったように見えたけれど請求書が来なくなっただけで
夫が家からいろいろ理由をつけてお金を持ち出す事は変わらなかった

私はお金を渡さないとまた借金されるんじゃないかという恐怖から
嘘と分かっていてもお金を渡した
生活は苦しく、その癖私が暗い顔をしていると夫は財布のお金を投げつけた

いつも息子が泣き出すまで怒るのを止められなかった
息子が泣き出すと嫌悪感でいっぱいになった
「ごめんね。ごめんね」と謝ると息子は目に涙をためながらも
「うん。うん。」と頷いて私の涙を拭いた

心から泣いてなどいなかった
悲しみの感情を息子に押し付けただけだった

息子を抱いて、自分の悲しみに酔い、心の中のギシギシという音に耳を済ませて一日を過ごしていた

私は自分の怒りに責任が取れなかった
夫を責めることで夫がまた借金を繰り返すかもしれないという責任を取るのが恐かったのだ

だから息子に怒りをぶつけた
味噌汁をこぼしたと言う正当な理由をつけて・・・
この怒りは息子が悪い事をしたという事から始まっているから私が許すと言う
行為で責任が取れた

そして息子は私の悲しみを引き受けることで許しを乞うた

八つ当たりというにはあまりに残酷だった
息子に罪の意識を背負わせ私は都合の良い怒りを息子にぶつけ続けたのだった

息子が壊れるその日まで・・・
(つづく)




怒りの問題

2006-08-03 19:33:17 | 共依存症
私の中にはいつも怒っている女の子がいる

時にはナイフを振り回し、時にはロープで首を吊ってブラブラと宙に浮かんでいる時もある

子供の頃から私は感情表現が苦手だった
人前だといつ泣いたらいいのか。いつ笑ったら良いのか。
いつ怒ったら良いのか分からなかった

家族の前では泣いても怒っても笑っても相手にされる事はなかった

泣いては無視され怒っても無視され、笑えば怒られた

自分がどんな表情で暮らしていけば良いのかだんだん混乱していって
いつしか笑うときも怒るときも、泣くときでさえ考えてから行動するようになった

私は小学校の頃からの幼馴染がいた
私はその幼馴染に弱みを握られていた(幼馴染で書いてある)
幼馴染は事あるごとに私を脅して自分の言うとおりに私を動かそうとした

その時私の中には何をされても反抗できないという感情があった
それはいつしか怒りとなって私の中に蓄積されていった

本当はそこで怒りをその幼馴染にぶつければ良かったのだけれど
その怒りをぶつける事によって弱みをばらされる事やその後の幼馴染との
関係を考えるとどうしても自分の怒りに責任を取るのが恐くて怒りを飲み込む事しかできなかった

ある日転校生が来た
私はその転校生ととても仲良くなった
幼馴染はその事を快く思わなかった

私にその転校生と付き合うなと言い続けた
転校生も負けないくらい気の強い子だった
私に幼馴染と付き合うなと文句を言った

毎日毎日お互いの悪口を私に言い続けた
「あんな子と付き合うなんて、あなたはおかしい。今すぐあの子と離れなさい」と命令され
「今日は誰と帰るつもりなの?もちろん私でしょ。あんな人と付き合っているなんて・・・」と攻め立てられてた
その度にどちらの怒りも収まるように取り繕わなければいけなかった

そんな風に毎日お互いの顔色を見ながら生活をしている自分にも嫌悪感でいっぱいだった。
そして自分自身への怒りもどんどん心の中に溜まっていった

ある放課後意を決して幼馴染に「そんなにあの子だって悪い子じゃないよ。」と転校生を庇った
すると幼馴染は鬼の形相で口をゆがめ私を蔑むように見ると
「私は言葉で人を潰す事ができる。ちっこちゃんの一番恐い言葉を私はしっている」と言った

なぜだ?なぜ此処まで幼馴染に支配されなくてはいけないんだ!
体の不自由な幼馴染をずっとずっと面倒見てきたのに

私も悪かったかもしれないけれどそれを償うだけの事を幼馴染にささげて来たじゃないか

なぜ報われないんだ
なぜだ?
もうこんな利不屈は耐えられない

もう駄目だ。これ以上は怒りを抱えられない
夕焼けの赤く染まる道を走って帰った

その日は幼馴染とも転校生とも帰らなかった
夕日が差し込む部屋で無我夢中でカッターを探した
「もう沢山だ!こんな家も、家族も、友達も、もう全ていらない」そうつぶやくと
手首にカッターを当てて引いた

痛かった
あまりの痛さに一瞬で気分が萎えてしまった

自分への自己嫌悪に泣いた
もう嫌だった。体の中に怒りが溜まりすぎて息も出来ない程だった

どうしたらいいの?どうしたらいいの?と泣いた

いつからか私の中にナイフを握った女の子が住み着いた
私が怒りを飲み込むと「うるせーんだ!引っ込んでろ糞やろう!」と汚い言葉を吐きながらナイフを振り回していた

そうやっていると私の心は表面上は穏やかを保つ事ができた
いつしか私はみんなから「穏やかな、優しいちっこさん」と呼ばれるようになった

「優しい人」これは私を支える言葉となった
怒りを見せなければみんなが私を褒め称えた

私は心の中に住み着いた彼女に怒りの全てを押し付けた
彼女が引き受けてくれているうちは良いのだが、何かの弾みで私は怒りを爆発させるようになって行った

怒りを爆発させた後は決まって心の中で太りロープを首に巻いてギシギシと音をさせながらぶら下がっている女の子が浮かんでいた
そのギシギシという音を聞いていると、怒りも悲しみも無感情になっていった

私は正しい怒りという物が分からなくなっていった
そしてそれは弱いものへの怒りへと変わっていったのだった

(続く)




強がり

2006-08-01 20:39:17 | 共依存症
夫との共依存関係を断ち切るには強がっていないとやっていけない

あなたの事なんか全然気にしていない
あなたがどこで何をしていようと私には全然関係ない
っていう顔をしていなければいけない

そうしていないと、相手はあっという間に境界線を乗り越えて進入してきてしまうから

「俺の事が心配なんだろう。俺の行動を監視していたいだろう。
俺の問題を引き受けてくれるだろう。俺から逃れる事などできないだろう」と・・・

そうさせてはならない
私は私の事に夢中なの
あなたはあなたの人生を生きれば良いよ
私はもう自分の人生を見つけたの

本当は?
違う。どうしても逃れられない
今何をしているのか
今何を考えているのか

何をしていても頭から離れない
ただ言葉にしないだけ

これはきっと違う
回復とは違う

私は私の行くべきところへ行くべきなのかもしれない
きっとこの言葉を一番言いたい

苦しい
本当は凄く苦しい

まずは一歩目

2006-08-01 13:21:30 | 共依存症
今回の事で分かったのは自分の共依存症がとても根深いと感じた事だ

自分は舅の事を手放せた事で回復しつつあると思っていた
でもそれは全くの勘違いだった

私は夫に対しての共依存症が全然回復していなかったのだ

先日夫が私に「今日はちょっと情報を仕入れてくるから」と言った
私はハローワークに行って情報を収集してくるんだと思っていた

その日の午前中の掃除や洗濯に追われて忙しく動いていてふと気がつくと夫がいなかった
「あれ?もう行ったのかな?」と思って部屋を覗くと
そこには携帯も財布も置きっぱなしの状態だった

携帯も財布も置いてしかもハローワークのカードも置きっぱなし・・・
どこへ行ったんだろう?と不思議に思った

1時間たっても帰ってこない
お昼も過ぎたのにいったいどこへ・・・
だんだん不安が募ってくる

もしかしたら・・・変な借金取りに呼び出されて慌てて出て行ったんじゃないだろうか
そんな妄想に取り付かれてしまった

そこからはもう何も手に付かない状態になってひたすら娘と
「お父さんはどこ行っちゃたんだろうね」と玄関の開くのを待っていた

すると夫がひょっこりと帰ってきた
「どっ何処行ってたの?財布もカードも置いて、心配したよ」と言った

すると夫が「だから情報誌仕入れに行って来るって言っただろう」

え?じゃあコンビニに情報誌買いに行ってたの?
てっきりハローワークに情報仕入れに行くんだと思っていたよ
もう1時間も経ってるし、思いつめて自殺したんじゃないかと心配したよ

「だからあんまり天気が良いから、散歩がてら図書館で調べてそれからコンビニで買ってきたの。あっはっはっはっは。情報誌と情報仕入れと間違ったんだ。」
と腹を抱えて笑い出した

「死ぬわけないじゃん」とまた笑った

今こうして落ち着いていられるのは夫が毎日目の前にいるからなんだ
目の前にいる限り私は夫の行動を心配しなくて済むから

でもひとたび目の前からいなくなると途端にいろんな事を心配してしまうのだ

これはとってもまずい状況だと感じた

今日も夫は朝「ハローワークに行く。ガソリンないよ」と言った
私が財布から2千円取り出して「ハイ」と渡した途端

「そうだ。他にも回って来るから」と言った
咄嗟に「何処へ?」と言う言葉が出そうになって飲み込んだ

さっきまでまた落ち着かない気分だった
ふと「夫が考えて行動している事を私が心配してもしょうがないよな
私は私の事をしなくちゃ行けないんだよね。」と思ったらちょっと気が楽になった

夫がこの先どういう行動を取ろうとそれは私のせいじゃない
こんな風に私はいつも夫の行動に振り回されて来たんだなと思った

こんな事じゃこれから夫が会社に勤めたら私はどうなってしまうんだろう
心配で潰されてまた元の木阿弥じゃないか

だからこそ自分の回復を目指さなくちゃ

最近共依存症を凄く鋭く書いているサイトを見つけた
そのほとんどに自分が当てはまって愕然とした

夫が今何処にいても私にはどうする事もできない

私は今日は借りてきたビデオを見て
作ったフェルトの値札付けをする

それから前から考えていた資格試験の試料を請求してみる

まずは夫に向きがちな意識を自分に向けるところから初めてみよう
それが今日の私の一歩




覚悟

2006-07-28 21:35:07 | 共依存症
大分気分が落ち着いて自分を見つめられるようになってきました

あの発覚から私は次のトラブルに向けて準備を始めた筈だった
夫名義の貯金から自分名義に変え、離婚の話し合いから折半した退職金を
子供名義に変えた

仕事探しはなかなか思うように捗らないかったけれど次のステップのための準備も考え初めていた

財布や家の大事な物は全て日替わりで入れる所を変えて盗まれないようにした

そこまでしていても私には覚悟が出来ていなかったのだ

夫の任意整理も順調に進み、夫は人が変わったように穏やかになった
仕事探しもなかなか進まないけれど我が家には笑いが溢れていた

今まで夫の目を直視する事ができなかった
それは夫の目の中の映る嘘の数々を私が見抜いてしまうからだ

これ以上傷つきたくないという想いから私はいつしか夫の顔を見ないで話すようになっていた

でもそんな夫の顔も見られるようになった
夫を信用したわけじゃないと思いながらも
どこかでいつものお気楽、極楽で
「もう大丈夫。準備は怠らないけれど、これは無用の準備になるはず」と高を括っていたのだ

覚悟が出来ていなかった
その一言に尽きる
考えが甘かったのだ

もし覚悟が出来ていたなら「質屋?そんな手もあったのか!」と驚きもしなかったに違いない

今度こそもし何かあったら夫に黙って出て行こう
そう決めていた
質屋の告白を受けて私は以前に書いた離婚届を箪笥からだした

でもそれを夫の下へ持って行く事が出来なかった
心の中では「別れるって言え!ちっこ!もう駄目だと言え!」と叫んでいた

でも喉に石が詰まったように声にならなかったのだ
夫に別れを告げられなかったその自分の心の有り様こそが私を打ちのめした

なぜ夫に別れを告げられないのだろうか
絶対今度こそと決心していたのに・・・
なぜだ?!
頭の中にグルグルと渦巻いて混乱していった

ふと心に浮かんだ言葉は「好きなんだ。離れたくない」だった
ずっと14番目だと思っていた夫は私の中で1番になっていた(14番目に好きな人に書いてある)
その事実にまた打ちのめされてしまった

結婚してから16年間夫とは本当にいろんな事があった
夫の借金で心が潰されるほど傷ついた事もあった

でも不妊で苦しむ私を救ったのは夫だった
舅のアルコール依存症と戦えたのも夫が支えてくれたから
姑が帰ってしまって鬱状態になった私をつまらない冗談で笑わせ続けてくれたのも
夫だった

子供の頃から自分の居場所を探し続けてきた
実家にいる時も姉と暮らした時も私はいつも落ち着かず此処ではないどこかを探し続けた
「自分の居場所がきっとある。」そう思ってきた

私はこの家族が好きだ
私は夫が好きなのだ
此処が私の居場所だった
やっと見つけた場所なのだ

今まで私は黒か白かしかなかった
小さい頃から夢に見ていた家族
一点の曇りもない家族
そして一点の曇りのない自分

それを作るために必死になっていたように思う
夫は真面目で優しくて子煩悩
子供は素直で明るくて優しい子
そんな家族に囲まれて暮らす私

そこに少しでもシミが付くと堪らなく自分が汚された気がして
必要以上にそのシミの原因を潰そうとしていたんだと思う

借金も本人の自覚がない限り病院へも行かないし、もしこれから仕事が見つかって
何か困った事があったらまた借金をする事もあるかもしれない

でも私に何ができるだろう
私には夫に自分の気持ちを伝える他成す術はないのだ

じゃあ私には何ができるだろう
私が今この家族と離れたくないと思っている以上私の口から別れの言葉は出ない
今の私では無理なのだ

だからといって全てが駄目になってしまったのか
夫の全てが否定されてしまうのか

夫がもし借金依存症だとしても今は子供にも被害が及んでいない
子供に及ぶ事があったならきっと私は迷わないだろう

その為に私自身もその覚悟の準備が必要なのだ
何でもすぐ結果が欲しいと思うのも共依存症の特徴らしい

すぐ自立した自分を手に入れたいと思っても無理なのだ
私自身が時間を掛けて自分が成長するのを待つ事も大切なのだと思う

その為にはいろんな事をしなければいけないんだと感じる
まだやり始めたばかりじゃないか

私は「夫の為に」を止めて「自分の為に」生き始めたばかりなのだ
だから私は決断できなかった自分をもう許してあげようと思う

自分の為にやる事が山積みだ
ひとつづつゆっくり進まなきゃ

励ましのコメントをくれた皆さん本当にありがとう








祈り

2006-05-22 12:14:04 | 共依存症
先日近くの神社のお祭りだった
いつものように神様にお賽銭を入れて拝んだ

「どうか。夫の就職が決まりますように・・・」
と祈って愕然とした

はあ?夫の事を祈ってどうするの?
「就職できますように」と祈るのは夫であって私ではないじゃないか・・・

考えればいつも、いつも自分の事意外を祈っていた気がする

「どうか夫が借金をしませんように」
「どうか夫が嘘をつきませんように」

「子供の成績があがりますように」
「子供が苛められませんように」等など・・・

自分にとって相手がどう変わるかで幸せを得ようとしている典型ではないか

夫が借金をしていては幸せになれない
夫が嘘をついたら幸せだと感じない

誰かが自分に与える影響にいつも振り回されている
もし自分の事を祈るならなんて祈るのだろうと考えたら
全く思い浮かばなかった

自分の為に、どうすれば自分が幸せになれるのか分らないのだ
相手が変わって幸せになれるその意識の根源を変えなければ駄目なのだ

神様に祈ってまでも相手を変えコントロールしようとしている自分に気づく
どこまでも根深い共依存症の私

もし自分の事を祈るなら
「子供が苛められたら、それを乗り越える知恵と力を私にお貸しください」
「夫の嘘に振り回されず見極める力をお与えください」

自分の幸せを祈り自分が幸せになってこそ
誰かを幸せに出来る

頭で分っていても行動が全く伴わない
無意識に相手をコントロールしようとしていたのだ

自分の出来る事は自分を幸せにするために努力する事だけだ

誰かを幸せにしたいなら、相手によってもたらされたトラブルを乗り越える知恵と
勇気と力を自分に蓄えておく事だけだ

自分の変えられるものだけを変えていく努力する人にだけ
神様だって力を貸してくれるんじゃないか

他人を変える力など誰にもない
たとえそれが我が子だとしても自分の思い通りに変える権利など親であっても
ないんじゃないだろうか

もし自分に出来ることがあるならそれは
自分が変わってそれを相手に伝える事しか出来ないんじゃないだろうか

今日も私はこの祈りを唱える
ちゃんと心に刻む為に
私の回復の為に


小さなお祈り
神様、私にお与え下さい
自分に変えられない物を受け入れる落ち着きを!
変えられるものは変えてゆく勇気を!
そして二つの物を見分ける賢さを!





良いじゃん

2006-05-16 14:29:24 | 共依存症
結婚してから心休まる時がなかった気がする

最初は夫の暴言。
そして借金。
性病。
舅のアルコール依存症
姑の介護
そしてまた借金とリストラ

泣いたり、怒ったり、落ち込んだり、
死にたくなったり、布団から出られなくなったり、閉じこもったり
電話しまくったり、タバコ吸いまくったり、それでも問題は尽きる事無く
あふれて

友達に相談する時は「もう絶対別れる」って心に誓うのに
家に帰ると夫の顔色ばかり伺って、ご機嫌とって
そんな自分が不甲斐なくて、大嫌いで、自分ばかり責めちゃって

もがいても、もがいても此処から出られない
最初の頃よく友達に相談していた
でも「別れろ」としか言ってくれない
その言葉が何よりも恐ろしかった
別れない自分を友達に軽蔑される事が恐かった
その友達とは疎遠になった
随分親身に相談にのってくれたけれど・・・

でも今は良いじゃないかって思う
別れられない時は別れられない
決断できない自分が悪いんじゃない

良いじゃないか
いつか本当に嫌になったら自分の中の何かがきっと背中を押してくれる
その時は夫に行き先も告げずにきっと出て行くだろう
その時が自分にとって必要ならその日は必ずやって来る

それはチャンスの時だし、新しい時なんだから恐くない

そのために準備だけはしよう。
その時がいつきても良い様に準備だけは手抜きをせずにやっていこう
仕事をするもよし、仲間を増やすもよし、
趣味に没頭して自分の時間を大切にするもよし

毎日が夫一色だった人生から少しずつ夫を追い出して
自分ひとりで立っていられる自分になれたなら、それで良いじゃないか

別れるだけが選択じゃない
今、命に関わるほど危険じゃないなら、自分の準備から始めたって良いじゃないか
何年かかっても良いじゃないか

自分が後で「旦那に人生無駄にされた」って言わず自分で選んだって自覚していたらそれで良いじゃないか
自分で責任とる覚悟さえあれば良いじゃないか。

私はもう迷ってないよ。