トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

籠の鳥

2017-08-22 21:55:29 | ポエム
この子は、もし、自然界で生きていたなら、
沢山のたまごを産み、育て、
そして早死にしていく運命の子なのでしょう。

そういう気質をもって生まれてきたのでしょう。

だけど、今、この子は自然界では生きていない。

たまごを産ませないために、
放鳥もさせず、遊ばせることも、話しかけたり、可愛がることもできない生活を
させたなら、延命は出来るでしょう。

だけど、それならこの子の生きている意味は何でしょう。

何のために飼って、ともに暮らしているのでしょう。


ぴーちゃんのお腹は、発情の為に、卵巣が腫れて、足の付け根まで腹壁が破れて
内臓が飛び出してしまっている。

どんなに発情しないように気を付けても、
ぴーちゃんの持っている、子孫を残すという本能がぴーちゃんを突き動かして、
卵を産むために頑張ってしまうのだ。

自然界で生きていたなら。

今の状態は、ぴーちゃんにとってありのままではないという事。

本当なら、肝っ玉母さんになっていたはずのぴーちゃん。

だけど、今は籠の鳥。。。

狭い籠に閉じ込められて生きている。


この小さな、いきものの運命が悲しくて、
可哀想で、

なんの為に生きているのでしょうって聞かれたら、

先生。

私はなんて答えて良いかわかりませんよ。




書けない手紙

2017-08-13 20:38:10 | ポエム
ちっこさん元気ですか。
お久しぶりです。
毎年、一回、私たち2人で同窓会を開いています。
いつも今度こそ、ちっこさんを誘おうと言いあいながら、また今年も今、2人だけの同窓会をしています。
それで、次はちっこさんもと思い、二人でハガキを書くことにしました。
2人のアドレスを書きます。
メールくださいね。

早く会える事を楽しみにしています。

小学校のころ、3人で良く遊んだ友達。
中学になってそれぞれ友達が変わって、一人は転校して
高校を過ぎた頃から年賀状だけの付き合いになった。

離婚して、引っ越しして、それまで年賀状だけの付き合いの人たちには連絡をしなくなった。

離婚して、働いて、お兄ちゃんの障害がわかって、
私は誰とも連絡をしなくなった。

過去の友達も、子供が生まれてからのママ友も。。

何年もずっと連絡をしなくなった私を思い出して、
「また、会いたいね」とハガキをくれた同級生の友達。

2人は変わらず明るくて、楽しそうで、幸せそうで、
2人らしい言葉とイラストを添えてくれたハガキ

うれしいと思った。
ありがたいって思った。

離婚したあとも会いたいと言ってくれた、ママ友や友達はいた。

だけど、私はいつも会えない。

会っても私には話すことがないから。

「久しぶりどうしてた?」って聞かれたら。
「お兄ちゃん、うちの子と同じ歳だったよね。今は大学生かな?就職?」って聞かれたら

なんて言うの?

そんなことを考えてしまう。

そして、考えて、離婚の事も、お兄ちゃんの障害の事も言いたくないと思ってしまう。

前はそういう質問に、正直に答えたりした。
そのあとの皆の気まずそうな表情。

聞いてはいけない事を聞いてしまったという表情。

適当にごまかした事もあった。
だけど会うたびにごまかし続ける事への苦痛。

そして、なにより、そんな自分に突き付けられる、自分への嫌悪感。

心の中で、自分が自分に話しかける

「あんた。お兄ちゃんの事、恥じてるの?離婚した自分を恥じてるの?」

言おうか、言わないか迷う自分も嫌だし。

きっと言った後も、言わなかった後も私は嫌な気持ちになるのだ。

なんて、心が狭いんだ。
そう何日も自分を責める事になる。

いつか、返事を書ける日が来るだろうか。

まだ迷っている。
迷っているけれど、きっと私は手紙を出すことも、メールを送ることもできないだろう。

そして後悔するのだろう。