全英連参加者のブログ

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第176回国会における菅内閣総理大臣所信表明演説・カタカナ語分析

2010-10-08 04:31:56 | 気になる 政治・政治家

 僕は内閣総理大臣は、日本国において最高の地位・責任のある職務であると思っている。また、だからこそ日本語を使って語ることをおろそかにするのは、見逃しがたい。自分は英語の先生である。だからこそ、むやみにカタカナ語、英単語を振り回す日本の政治家は嘆かわしく、みにくいものだと思っている。国会が開かれるたびに実施している、内閣総理大臣の施政方針演説のカタカナ語調査を今回も実施する。
 なお、演説原稿は官邸ウェブサイトからDLした。平成22年10月1日(金)、衆議院本会議おける演説の原稿である。この分析は、その原稿の字句をおったもので、略語等を実際の演説でどう言ったかは考慮していない。オリジナルはPDFで縦書きなので、演説の章立ての数字もホントは漢数字である。

 評価方法はいつも通り、〇X△で評価。
 見出し語の隣の数字は、演説のどこで出てきたか。
 例 〇〇〇(1112)
   〇〇〇は1章で3回、2章で1回使われたことを表す。

 演説は以下のように章立てられている。
 1 はじめに
 2 経済成長の実現―経済対策と新成長戦略の推進
  (成長と雇用による国づくり)
  (円高、デフレ状況に対する緊急的な対応―第一段階)
  (今後の動向を踏まえた機動的な対応―第二段階)
  (新成長戦略の本格実施―第三段階)
 3 財政健全化と行政の無駄削減
  (財政運営戦略の実施)
  (来年度予算編成に向けて)
  (行政改革、公務員制度改革の推進)
 4 社会保障改革
  (改革の必要性)
  (与野党間の議論)
  (子ども・子育て支援の充実)
 5 地域主権改革の推進
 6 国を開き未来を拓く主体的な外交の展開
  (「歴史の分水嶺」における外交)
  (日米同盟)
  (日中関係)
  (東アジア地域の安定と繁栄に向けて)
 7 政治改革と議員定数削減
 8 結び

***** *****

 まず、評価〇のもの。単語だとわかりにくそうなものは、カッコに前後の語を加えた。
 エネルギー・再生可能エネルギー・新エネ・省エネ(226)
 クリーン(7)
 (カネのかからないクリーンな政治)
 ・・・カネは金じゃダメなのかな。
 グローバル(6)
 (グローバルな課題)
 コスト(2)
 サービス(223445)
 デフレ(22222)
 バランス(4)
 (現金給付と保育所の整備などの現物支給のバランス)
 ビザ(2)
 プロ(3)
 (行政のプロ)
 マニフェスト(3)
 ミサイル(6)

 〇が付けられないがXとまでは言えないもの。△評価。
 ワンストップ(2)
 イノベーション(2)
 ターゲット(2)
 ・・・対象ではいけないのか。
 ニーズ(4)
 ・・・需要とか必要ではいけないのか。
 パートナーシップ(6)
 (環太平洋パートナーシップ)
 ・・・協力関係、協調関係ではダメなのか。
 APEC(66)
 ASEAN(6)
 この二つは、最低でも、APEC・アジア太平洋経済協力(会議)、ASEAN・東南アジア諸国連合と加えるべきだ。

 評価Xと思うもの。
 COP10(6)
 (生物多様性条約に関するCOP10)
 EPA・FTA(6)
 経済連携協定(Economic Partnership Agreement)・自由貿易協定(Free Trade Agreement)と言えないかな。

***** *****

 今回の演説、全体でカタカナ記述、アルファベット記述は28見出し語の合計44語だった。そのうち、7例が人名・地名・地域名だった。全部で11回出てきている。
 外来語をそのままカタカナで使う例はかなり少なく、喜ばしいと思う。

 なお、以下は人名・地名・地域名なので除外した。
 オバマ大統領(6)
 アジア(6)
 (東アジア共同体構想)
 アジア太平洋〇〇(66666)
 アフガニスタン・パキスタン支援(6)
 イラン(6)
 (イランの核問題)
 インド(6)
 (インド洋)
 ロシア(6)

 その他1見出し語、1語。
 東シナ海は表記上カタカナだが、戦前は東支那海と表記されていたし、現在のこの表記は外務省の公式文書で使われている。

***** *****

 自分の不勉強、不明をさらすことになるのだが、これが僕の評価である。

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