定期考査が終わると採点がある。
採点は問題ごとに○△×を付け、配点により小計を出す。かけ算と足し算である。
セクションごとに合計し、総計を出す。単純に足し算である。
・・・生徒ひとりひとりの得点が決まる。
複数教員が担当していると、採点基準をどれだけ揃えても、やはり何かしら採点上の疑義が発生する。一度○△×をつけたあとでも、再採点ということもある。
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テストは生徒の出席番号順に集められる。そう思っても、ホントに番号順かなと確認する。欠席者がないかもチェックする。僕は番号を小声で読み上げながら、これを採点前と採点後に実行する。
採点が全部終了後、解答用紙に書かれた得点を、教務手帳(昔の言い方だと「えんま帳」)に転記(記録)する。
1番〇〇点、2番〇〇点、3番〇〇点...
これも、声に出しての作業である。
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この作業、10年前の僕と、現在の僕では、作業能率がかなり違う。転記する時、解答用紙の生徒氏名、出席番号、得点を言いながら転記しているのに、集中力が切れることがある。読み上げているはずなのに、それができない。見ているつもりで、見ていない。ドキッとするというより、ぞっとする。そんな自分に気がつくと、作業を止める。席から立ち、校舎内を少しお散歩することもある。
『ちょっとつかれた...
そんなことを口に出してはいるが、内心ドキドキ、プチパニック状態である。作業の正確さに自信が持てない自分を落ち着かせている。最悪の気分だ。席に戻り、もう一度最初から転記をし直す。
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最近、老いるというのはこういうことなのだと思い知らされている。