全英連参加者のブログ

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作戦だとしたら

2013-05-10 05:09:56 | 全英連参加者 2013

 サーベラス側が埼玉西武ライオンズの売却、西武秩父線などの廃止(経営からの切り離し)を、西武ホールディングス(西武H)に求めたとされる。サーベラス側は『「求めて」はいない。「経営課題」を示したものだ』としている。
 この、西武Hとサーベラスの対立は、本来ならば純粋な経済活動のはずである。いろいろわからないことが多いが、一つだけはっきりしたことがある。それは、西武Hがライオンズや秩父線の件をマスコミに発表してから、それまでは目立った西武Hへの「支援」「応援」は表明していなかった、ライオンズのホーム・所沢市や、鉄道沿線自治体が、一斉に西武Hに応援についたことである。大企業・公共機関とはいえ、沿線自治体は自由な経済活動に、本来ならば口出しはできない。そうすることは控えてきた。また、口出しをしたとしても、お金は出せるものではない。だけどである。

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 4月24日朝、埼玉新聞を読んだところ、前日の知事の記者会見のコメントがでていた。該当部分を県ウェブサイトのテキストから引用する。

サーベラスの西武ホールディングスに対するTOBについて
 

 読売 もう1点サーベラスの件ですが、先週秩父の方で「西武鉄道を応援する会」が作られて、知事が顧問に就任されたと。そのことに対する所見と、今日一部の雑誌で、西武とサーベラスと株の買収を巡って、知事の名前が出て、KKRとともにホワイトナイトとしてということが出ておりましたが、事実関係について。
 知事 まず、秩父商工会議所を中心に、株式の公開買い付けに基づく株式の仲介作業を秩父商工会議所がやって、いわゆる西武ホールディングス側を応援しようと。西武秩父線の存続や埼玉西武ライオンズの存続を明確に主張している西武ホールディングスの方を応援しようとする動きがありましたが、株の仲介は、どうも商工会議所などができないということが法的に判明したために、そちらの方はいったん諦めて、単純に応援する会、一種の支援組織、精神的な応援組織を作られたので、これは個人として私は参加させてもらいました。
 今、株の仲介はできなくてもそれ以外に何ができるかということについて、この単純なファンクラブ、応援クラブではなく、それ以外に何らかのかたちで経営にタッチすることが可能になるような、安定株主に代わるような何かができないかということについて、いろんなアイデアを探っておられるようでありますので、またいいアイデアが出てくれば、それについても県としても検討し、県としての参加が難しいようであれば個人参加をしていくとか、いろいろ対応していきたいと思っております。
 それから、サーベラスと西武ホールディングスの争いのかたちに今なっておりますが、基本的には私は埼玉県益、埼玉県民益を考えるのが知事としての立場でございますので、サーベラス側が埼玉県益、埼玉県民益を考えてくれて、西武ホールディングスが考えてなければ、害してやろうと、逆に。埼玉県益、埼玉県民益を考えてですね、サーベラスを応援するということだってあり得ると。
 今のところ、外資系の考え方でいろんな検討事項の一つということですが、額面どおり受け取れない部分というのは、これはやっぱり投資会社の企業ガバナンスを考えれば当然あり得ると。むしろ、公開買い付けの比率を上げられるというかたちになった以上、その危惧はもっと強くなっていると、こう思っておりますので、できるだけ埼玉県民益、埼玉県益に沿ったかたちで今対応しております。西武鉄道側、西武ホールディングス側を応援していきたいと思っております。その応援の仕方については、いい仕組みづくりができれば、私もやんわりと埼玉の経済人のトップの方々には、会合などで御一緒になる時に「いざという時にはよろしく」と、「戦闘隊形になった時にはよろしく」というようなことだけは申し上げております。これはもう、いざって時は最後は戦いですので、いざって時にはやっぱり真剣に戦わなくちゃいけないと思っておりますので、その時には極力いろんな方々の御賛同を得ながら、何としてでもこうした不採算部門と言われるような鉄道と言えども、やっぱりターミナルに駅を持っておられるような鉄道事業者というのは、私はやっぱりそのターミナルの高度化の中で、賃貸業であるとか、ホテル業であるとか、デパート業であるとかそういう部分で稼ぐチャンスがあり、過去には住宅の分譲などで大いに稼いだこともありですね、都合が悪くなってしまったら、「はい、さようなら」ということだけは、これは西武鉄道だけの課題ではなくて、私は関東エリアの全ての鉄道会社に言えることだと思いますし、中京もそうだと思いますし、関西地区もそうだと思います。
 単線で三陸を走ってて、どうもバンザイというような話と、もう全く訳が違っていると思います。いろんなチャンスの中で総合的に利益を出すような立場に恵まれた首都圏、中京圏、関西圏のですね、鉄道事業者というのは、安易に儲からない路線を切ったりするものではないということで、これは当面は私は埼玉県益、埼玉県民益ですけれども、これは日本の主だった所でもこうした課題は出てくるものと思っておりますので、そういう意味でも国の課題でもあると、私はそういうふうに認識しております。

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 回りくどい言い方だが、ここまで言って大丈夫なのかなと思う。いずれにしても、西武Hは今回の件で、サーベラス側を経済関係はともかく、一般社会では「ヒール(悪者)」にすることに部分的には成功した。今回西武Hは、サーベラスからの「経営課題」を使い、そう仕向けたのではないか。そんな気がする。

 もしもそうだとしたら、日本の会社も結構やるものだ。

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