雨でした。
外国の脅威が迫る幕末の世。安中藩主・板倉勝明は藩士を鍛えるため、15里の山道を走る遠足を開催することに。しかし行き違いによって幕府への反逆とみなされてしまい、安中藩取り潰しを狙う刺客が藩士不在の城に送り込まれる。遠足参加中に藩の危機を知った安中藩士の唐沢甚内は、計画を阻止するべく走り出す。 |
唐沢甚内が佐藤健さん、ヒロインの雪姫が小松菜奈さん。
・・・絶対見るでしょう。
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幕府への反逆とみなされた原因は、唐沢甚内の誤報告
ややネタバレになるが、唐沢は幕府の「草(忍)」である。彼の判断ミスを、幕府側に突かれて安中藩は大ピンチに陥る。
唐沢家は先祖代々安中藩に仕える。草であることは妻にも伝えない。甚内も結婚し子供もいる。安寧な生活を大事にする気持ちがある。草としては、幕府側につくべきなのだが、安中藩を救うため幕府を裏切りることになる。
佐藤さんを劇場で観るのは、「るろうに剣心」2作品、「亜人」と、本作が4作目。時代劇のキャラクターとして相変わらずの動きのよさ、かっこいい主人公だと思う。
本作のヒロイン安中藩主の娘・雪姫は小松菜奈さん
なんだかアメリカ人の好きそうなお姫様である。
・開明的(西洋絵画の模写、開国したら外国に行きたい。)
・和服が似合い、おしとやか。
・男装する。それも似合う。
・剣を振るう、走る、叫ぶ。
運命に翻弄されるが、それに負けず前向き。立ち向かう。やや大げさだが、SWのレイア姫、リボンの騎士のサファイアのようでもある。
小松さんの出演作を劇場で見るのは4作目。
’18-06-20、「恋は雨上がりのように」
’18-03-14、「坂道のアポロン」
’16-12-31、「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
毎回楽しませてくれる役者さんである。
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おそらく感じる違和感
日本人が見たら、日本の時代劇を見慣れた者が見たら、おそらく感じる違和感がそこここに出てきた。微妙に感じる「Something strange」である。
本作のバーナード・ローズ監督はイギリス人。イギリス人目線、イギリス人の解釈した日本の時代劇である。そのことが問題なのではない。普通の時代劇を期待すると、ダメかもしれないということは、認識しておくべきだろう。適切な言葉が思いつかないのだが、パラレルワールド的な作品とまでは言わないものの、「江戸時代2.0」(異なる解釈の江戸時代)である。そこに面白さを感じる作品だろう。
雪姫も、日本的な時代劇の江戸時代であればあり得ない設定である。映画を作った人たちが、それをわかった上で作り上げたキャラクター、そのものがたり世界なのだと思う。