全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

100+50=150

2013-08-30 05:23:15 | 全英連参加者 2013

 25日(日)あたりから、こんなニュースが流れ始めていた。

 『キング牧師「私には夢がある」演説から50年
 記念イベントも差別なお』
 (MSN産経ニュース)

 故マーチン・ルーサー・キングJr.牧師(キング牧師)は、現在でも英語教科書に取り上げられている。牧師のあのI Have a Dream.演説は、1963年8月28日に行われた。
 演説とワシントン大行進には、20万人以上が参加したとされ、黒人差別を禁じた翌年の公民権法成立などへの推進力となった。でも、まだということか。

+++++ +++++

 なぜ1963年
 1963年というのは、第16代大統領のエイブラハム・リンカーンによる、『Emancipation Proclamation(奴隷解放宣言)』発布100周年である。1863年1月1日に発布された宣言では、『連邦から脱退した州の中で、1863年1月1日の時点で連邦側にまだ戻ってきていない全ての州の奴隷が解放される』ことを宣言した。
 この時、アメリカは国をまさに二分する、南北戦争中である。

 それから100年
 今から50年前、キング牧師は演説でこう述べている。

 I am happy to join with you today in what will go down in history as the greatest demonstration for freedom in the history of our nation.
 Five score years ago, a great American, in whose symbolic shadow we stand today, signed the Emancipation Proclamation.
 This momentous decree came as a great beacon light of hope to millions of Negro slaves who had been seared in the flames of withering injustice.
 It came as a joyous daybreak to end the long night of their captivity.
 But one hundred years later, the Negro still is not free.
 One hundred years later, the life of the Negro is still sadly crippled by the manacles of segregation and the chains of discrimination.
 One hundred years later, the Negro lives on a lonely island of poverty in the midst of a vast ocean of material prosperity.
 One hundred years later, the Negro is still languished in the corners of American society and finds himself an exile in his own land
 So we have come here today to dramatize a shameful condition.

 翻訳等は、アメリカ大使館サイト、「私には夢がある」(1963年)を参照されたい。(新しいウインドを開きます。全訳あり。)

 なお、教科書等の題材として使われる場合、演説中盤以降が多いと思う。

 Let us not wallow in the valley of despair, I say to you today, my friends - so even though we face the difficulties of today and tomorrow, I still have a dream. It is a dream deeply rooted in the American dream.

 この部分から後に、I have a deramが8度出てくる。

+++++ +++++

 初めてこの演説を聞いたのは、大学生の時のことだ。演説の存在はもちろん知っていた。実際に耳にして、その力強さと、発音が印象的だった。繰り返しによる強力なメッセージ、歌うような演説。そんな印象をうけた。演説の日本語訳を読み、黒人が白人が同じことを求めると、命を奪われることもあることを知り、唖然とした記憶がある。
 高校の先生になり、この演説を取り上げた教科書を使用することになった。教師用資料として演説の音声テープがついてきたが、演説の現物ではなく、「きちんとした」録音・発音でがっくりした。その理由は二つあり、一つはあまりにも発音が違ったこと。もう一つは演説の区切りが、オリジナルと違ったことだ。教材の付属品だから仕方がないことだけど、演説ではなく朗読だと感じたことを覚えている。

+++++ +++++

MLK 僕はこの演説のCDを持っている。久しぶりに聞いてみようと思う。
 なお、演説は以下のサイトでも聴くことができる。
 The Marthin Luther King Jr, Research And Education Institute


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする