【参考情報】スティーブ・バノンとヴィガノ大司教:必読の基本的インタビュー
- Letter #81, 2022, Fri, July 1: Viganò and Bannon
- Steve Bannon con Mons. Viganò. Un’Intervista Fondamentale, da Leggere Assolutamente.
- Steve Bannon con el arzobispo Carlo Maria Viganò. Una entrevista fundamental, absolutamente imprescindible
Steve Bannon with Archbishop Viganò. A Fundamental Interview, Absolutely Must Read.
2022年7月1日
マルコ・トサッティ
親愛なる「Stilum Curiae」の友人と敵の皆さん、私は、スティーブ・バノンによって行われた、このカルロ・マリア・ヴィガノ大司教とのインタビューに皆さんが注意を向けてくださることが本当に重要だと思います。お読みになって、多くの人に広めてください。
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教皇大使カルロ・マリア・ヴィガノ大司教による
スティーブ・バノンとのインタビュー
【問い(スティーブ・バノン)】大司教様、サイコ・パンデミックに続き、今度はロシア・ウクライナ危機が発生しました。一つのプロジェクトの「第二段階」に入ったのでしょうか。それとも、新型コロナウイルス感染症の茶番劇は終わったとみなして、エネルギー価格の上昇に関心を移してもいいのでしょうか?
【カルロ・マリア・ヴィガノ大司教】もし、この2年の間に、私たちがワクチン以外に治療法がない致命的なウイルスによる本物のパンデミックに直面していたとするならば、この緊急事態は計画的に意図されたのではなかったと考えることができたかもしれません。しかし、そうではありませんでした。SARS-CoV-2ウイルスは、既存の治療法と免疫防御の強化に基づく効果的な予防法で治すことができる季節性インフルエンザ以外のなにものでもありません。治療の禁止、何十年も使われてきた薬の効果の信頼性の否定、高齢者施設で発病した高齢者を入院させるという決定、効果がないばかりか有害で、しばしば死に至ることが証明されている実験的遺伝子治療の押し付け――これらすべては、このパンデミックが最大の損害をもたらすのを目的に計画・運営されていることを私たちに裏付けています。これは、公式データによって立証され、裏付けられている事実です。その同じ公式データが組織的に改ざんされているにもかかわらず、です。
確かに、パンデミックをこのように扱おうと考えた人々は、簡単に屈する気はないでしょう。そのすべての背後には、億万長者の利益もあるのですから。しかし「彼ら」が望んでいることが必ずしも実現するとは限りません。
【問い】大司教様、大司教様のお考えでは、このようなパンデミックの扱いは、経験不足によるものだったのでしょうか? それとも、製薬産業からお金をもらっているため利益相反状態にある、支配する地位にいる人々の腐敗が原因だったのでしょうか?
【ヴィガノ大司教】それは、私たちの考えるべき第二の要素です。パンデミックへの対応は世界中で同じで、各国の保健当局は、自称「専門家たち」の指示に従って、科学文献や医学的エビデンスに反する保健の手順に隷属的に適応しました。その専門家たちには、センセーショナルな失敗の記録や、現実から完全にかけ離れた黙示録的予測、非常に重大な利益相反があるにもかかわらず、です。世界中の何百万人もの医師が、医学の基本的知識を失っていて、インフルエンザが肺炎に発展しても、タキピリン【解熱鎮痛剤】や、患者を人工呼吸器に入れることで治療すべきだと信じていると考えることはできません。もし彼らがそうしたとすれば、それは医療関係者に対する保健当局の圧力(脅迫の段階にまで至る)のせいであり、さらにスキャンダラスなメディア・テロのキャンペーンがあり、欧米の指導者の支援も得ていました。これらの指導者のほとんどは、ロビー団体である世界経済フォーラムのメンバーであり、同フォーラムは、彼らを訓練して国家機関や国際機関の最高レベルに配置し、統治する人々が自分たちに従順であることを確実なものにしています。クラウス・シュワブは、宗教指導者たちにさえ干渉することができると、多くの機会に公に自慢しています。こういったこともまた、WHOと製薬会社の指示に従ったすべての国々で文書化された事実です。単一の演出のもとに単一の脚本があるのは明らかです。このことは、犯罪計画と、その作成者の悪意が存在することを証明しています。
【問い】大司教様は他の発言で、「golpe bianco」(サイレント・クーデター)について述べておられますね。
【ヴィガノ大司教】「サイレント・クーデター」とは、憲法に反する形で権力を行使する政府によって、武力を使わずに行われるクーデターのことです。
この場合、クーデターは1990年代の最初の数年間から、西側のすべての国でほぼ同時に実行されました。イタリアでは、1992年6月2日、ヨット「ブリタニア号」の上で巨大金融からマリオ・ドラギに与えられた指示の後に、投資先企業の売却と、医療や交通などの通常は国庫負担となるサービスの民営化とから、このクーデターは始まりました。そうです、マリオ・ドラギは当時財務省の局長で、当時のイタリア共和国大統領フランチェスコ・コシガが「下品なビジネスマン」と呼んだ人物です。他の国々でもこのクーデターは、欧州委員会、欧州中央銀行、国際通貨基金、世界銀行といった超国家的組織に主権が段階的に移譲されることにより、同様の方法で行われました。(2002年の)ユーロ導入により、通貨主権はマーストリヒト条約を遵守する国々から取り上げられ、民間銀行である欧州中央銀行に移譲されました。この銀行は、各国家予算へ融資する利率を、同じこれらの国家がすでに提供していたお金を使って決定しています。実際には、欧州中央銀行は、【国家に融資する時】自らは一度に1ペニーだけしか返さないお金に利子を要求し、しかも、改革、公共支出の削減、ジェンダー平等、中絶の権利、子どもへの教え込みを促進する法律の施行などといった、特定の条件のもとで【融資する】だけです。まるで国家が企業であるかのように、(イタリア)憲法に均衡予算の必要条件を導入したのも、サイレント・クーデターの一環だったのです。
選挙で選ばれていない権力者の推薦で任命されたり、情報操作のおかげで選挙に勝つことに成功したりした同じ支配者を含む、これらの機関のメンバーは、同時に巨大金融の権力グループや大きな投資ファンドのしもべであり――その中にはゴールドマンサックスのドラギのように彼らの社員だった者がいます――、他は任期終了後に社員となった者です。ちょうど、製薬機構や保健機関が巨大製薬会社の元社員で構成されているように、彼らはしばしばコンサルティング契約を受け、まさに監視するはずの製薬会社から報酬を得ているのです。
パンデミックまでは、権力は少なくとも形式的にはまだ個々の国によって管理され、法律は議会が通していました。しかし、この2年間、議会は権限を奪われました。世界経済フォーラムやその他のロビー団体が政府や国際機関の上層部に据えることに成功した人々が、憲法や国家の利益に反する立法を行い始め、上から――彼らの言う「市場から」――与えられた命令に従っています。市場は、実際にはごく少数の多国籍企業で構成されていて、これらの企業は競合する企業をのみ込み、製品の品質を低下させて専門技術を平坦にし、労働組合や左派の共犯のおかげで労働者の保護と賃金を引き下げているのです。
要するに、食糧危機の前夜に大規模農場に投資し、パンデミック発生の直前にワクチンに投資するビル・ゲイツから、通貨と国債の変動に投機し、ハンター・バイデンとともにウクライナのバイオ研究所に資金を提供するジョージ・ソロスまでの、高利貸と投機家による最高司令部に、私たちは支配されているのです。
これらの犯罪の扇動者と、各国政府やEU、国連の最高レベルでその犯罪を実行する人々の間に何の関係もないと考えるのは、悪意(bad faith)の表れです。なぜなら、私たちが、イデオロギー的に逸脱し道徳的に腐敗した技術官僚(technocrat)の集団の人質になっていることは、子どもでも理解できることだからです。世界の諸国民は、グローバリストのエリートによって奪われた主権を取り戻す必要があります。
この犯罪の仕掛け人たちは、ダボス会議や、三極委員会、ビルダーバーグ・グループの会合で、支配者、首相、新聞社やテレビ局の重役、ソーシャルバンカーのCEO、ソーシャルプラットフォームや多国籍企業の重役、銀行家、格付け会社の重役、財団の理事長、自称慈善家とともに堂々と姿を現すのです。これらの人々は皆、同じアジェンダ(行動計画)を共有しており、それをウェブサイトで公開しています。そして、自分たちの権力にとても自信を持っているため、最近ソロスとシュワブが行ったように、主流メディアを通じて伝えるべき物語(ナラティブ)を作って、人々に彼らの決定を受け入れさせることが必要だということを、とがめられることなく断言するのです。彼らは検閲と大衆操作を「支配の道具」(instrumentum regni)として喜んで受け入れています。それについては、パンデミックの茶番劇とウクライナのゼレンスキーに好意的なプロパガンダの両方で、その証拠があります。
私たちの支配者が、人口の削減に取り組んでいる私たちの国に対する反逆者であり、彼らの行動はすべて市民に最大限の損害を与えるために実行されていることを、私たちは理解しなければなりません。それは、経験不足や能力不足の問題ではなく、むしろ意図的に危害を加えようとする意向――「危害を加える意向」(intentio nocendi)の問題なのです。正直な市民は、自分たちを統治する者が、自分たちを弱体化させ、破壊しようという倒錯した意図をもってそれを行うとは、受け入れがたいと思います。とても信じがたいことでしょう。この非常に深刻な問題の主な原因は、権威の堕落に加えて、統治される側の諦めの服従があることです。
カトリック教会もまた、第二バチカン公会議の革命に始まって、とりわけベルゴリオの「教皇職」の直近の9年間に、同じ認知的不協和(cognitive dissonance)を経験しました。つまり、信者と聖職者は、単なる冷笑的な役人――彼らはディープ・ステートの同等のレベルの者に劣らず腐敗し変質者と化しています――に従うことに甘んじてきましたが、「改革」とされるものの目的が常に、異端者かつ反逆者である最高指導者たちによる教会の組織的破壊であることが明白になってきました。また私は、ディープ・チャーチが教理的、道徳的、典礼的な解体をごまかすために、同じ偽りの議論に頼ってきたことに注目します。まず、それらの改革は「下から」要求されたもので、上から強制的に押し付けられたわけではないという偽りの主張があります。ちょうど、世界経済フォーラム、ビルダーバーグ・グループ、三極委員会が計画した改革が、国家や国際組織の最高レベルに潜入した者たちによって採用され、その計画が民衆の同意によって批准されたように見せかけるのと同じです。
【問い】大司教様、この行き詰まりから抜け出すために、どのような助言をしていただけますか?
【ヴィガノ大司教】権威を尊重することは文明人にとって生来のものですが、従順と追従を区別する必要があります。ご存じのように、あらゆる善徳は、二つの正反対の悪徳の間のちょうど中庸にあり、妥協ではなく、いわば二つの谷の間の頂点でもあるのです。不従順は、正当な権力者の良い命令に服従しようとしないので、不足(すべきことをしないこと)によって罪を犯し、他方、追従は、不当な命令や非合法な権力者が与えた命令に服従し、過剰(すべきでないのにやりすぎること)によって罪を犯します。権威当局が邪悪な命令に従順であることを要求する時はいつでも、善き市民は世俗の権威に不従順である方法を知っていなければならず、善きカトリック教徒は教会の権威に対して同じように不従順である方法を知っていなければなりません。
【問い】そのような話は、少し革命的だと思われませんか、大司教様?
【ヴィガノ大司教】まったく違います。無政府主義者やへつらいの廷臣は、どちらも持っている権威の概念が歪んでいます。前者は権威を否定する一方で、後者は権威を偶像化しています。そのちょうど中間が、道徳的に実行可能な唯一の道です。なぜなら、それが、主がこの世に刻印なさった秩序、天の位階を尊重する秩序に一致するからです。私たちは、正当な権威に従順であるべき義務を負っていますが、それは、権威が天主によって確立された目的、すなわち、国家の場合は市民のこの世での利益、教会の場合は信者の霊的な利益のために、その権力が行使されるという限りです。臣民に悪を押し付ける権威は、まさにその理由で正当性を持たず、その命令は無効です。すべての権威が由来する真の主は天主であること、地上の権威は、世俗的なものも霊的なものも、常に代理的なもの、つまり、王にして大司祭であるイエズス・キリストの権威に従うものであることを忘れてはなりません。主の王としての権威の代わりとして支配者の代理の権威を立てることは、狂気の沙汰であり、そうです、これこそが革命的で反逆的なのです。
【問い】エリートは何を手に入れたいのでしょうか? 彼らは平和、安全、繁栄、労働を約束していますが、現在世界では50以上の武力紛争が起きています。私たちの都市は住みにくく、犯罪者であふれ、荒廃の一方となり、常軌を逸した少数の人々に支配されています。
【ヴィガノ大司教】これが、疑う余地のない第三の要素であり、見落としてはならないものです。つまり、このパンデミックは、全体主義体制を確立するための道具として計画されたものであり、選挙で選ばれておらず、民主的代表という感覚を持たない技術官僚によって考え出されたものなのです。
同じことが、ウクライナ危機でも起こっています。市民の大多数は、ウクライナに武器を送ることやロシア連邦に制裁を加えることにまったく賛成していないのですが、政府のトップは、主流メディアによる恥ずかしいほどの現実の捏造に支えられて、あたかも自分たちが国民の完全な支持を得ているかのように行動しています。イタリアのような特定の国々では、新型コロナウイルス感染症の規制のもとで基本的権利の侵害を正当化し、また、イタリア議会で紛争に加わることについて何の審議もされていないにもかかわらず、その参加を承認し、憲法の保証人である大統領でさえ、欧州の技術官僚たちの称賛を得てそれを認可し奨励するという、国家のすべての権力による憂慮すべき共謀の中で、このことが起こっているのです。この場合も、統治する人々は、国民の意思に従うのでもなく、共通善を追求するのでもなく、むしろ、独自の利益(私たちにはそれが破壊転覆的であると分かっています)を持つ超国家的組織から下される命令に従っているのです。
彼らが「財貨のサービス化」やデジタル分野を通じた「シェアリングエコノミー」(共有経済)を語るとき、市民から私有財産を収奪することを意図しています。「あなたは何も所有しなくなり、幸せになる」と。また、彼らが国家の財貨やサービスの民営化を押し付けるとき、その利益を収奪する一方で、コストは共同体の肩に負わせようと思っています。しかし、すべての国々がこの「リセット」を望んでいるわけではないため、彼らは経済危機、パンデミック、戦争を引き起こすことによって、「リセット」を受け入れざるを得なくさせているのです。これは反逆であり、破壊転覆行為です。
この破壊転覆行為の計画性は露骨で明白であり、パンデミックとウクライナ危機の両方に関してなされた社会的、経済的、保健的決断による悲惨な結果に対する認識と同様です。ベルゴリオもそれを認めています。ある国家の長が、プーチンがウクライナで軍事行動を起こす数カ月前に、ベルゴリオにこう明らかにしました。キエフがドンバスとクリミアでロシア語を話す少数民族に対して行った民族浄化を何年も無視してきた後で、NATOとEUがロシア連邦を故意に挑発している、と。この挑発の目的は、ロシア連邦に制裁を加えることを正当化するための隠れ蓑となる紛争を引き起こすことと、西側諸国に「グリーンへの移行(green transition)」を実施させることです。また同時に、一部の国際投資ファンドと市場投機の利益のために、各国の経済をひれ伏させることです。本質的には、農民を大都市の工業化のための低賃金労働力に変えるために英国の囲い込み法[1]を正当化し、ウクライナのホロドモール[2]を正当化したのと同じ前提があるのです。戦争を回避するのであれば、NATOは条約に違反して拡大すべきではなかったし、2014年のミンスク議定書が求めたように、ウクライナのロシア語を話す少数民族の保護を保証すべきでした。
もしそうなされなかったとすれば、それは、彼らが達成したかった本当の目的が、公に宣言した見かけの目的とは全く関係ないからです。そして、これらは抽象的な憶測ではなく、グレート・リセット論者が数十年前に予期し計画した具体的な事実であり、誰も望まない社会変革を強制し、西側諸国の経済と金融を、コンピューターを再起動させるように、最初からやり直させることを目的としていることに私は注目しています。
このことが、不幸、破産、企業の倒産、失業、社会の不安定化、貧富の差の拡大、出生率の低下、不可欠なサービスの縮小を引き起こすという事実は、無視できる程度のことだと考えられています。戦争や人々の生活の細部に至るまでの管理を支持する誤った論拠で大衆を教化し、反対する者を犯罪者として扱い、彼らを民衆の敵だと指摘することだけが目的なのです。この物語(ナラティブ)は、エリートたちとその共犯者たちの嘘の重みで、沈みかけているように私には思えます。
【問い】大司教様、一つ例を挙げていただけますか?
【ヴィガノ大司教】最も明らかな例は、EU創設者の一人であるリヒャルト・カレルギーが、移民と異種交配を通じて欧州の民族社会を改変することを目的とした社会工学的政策を追求し、より安い労働コストという魅力で移民の波を引き起こしたいと考えていたことが分かりつつあることです。この現象が都市の安全や一般犯罪率、国家住民のアイデンティティーに与える影響が明らかであるにもかかわらず、不法移民の波を歓迎し続ける邪悪な頑固さを見れば、当初の計画が大部分実現したこと、そしてそれを完成させないために【私たちが】行動を起こさなければならないことを証明しているのです。
【問い】たしかに、これらは偶然に起こっていることではありません。彼らはすでに私たちにそう言ってきました。
【ヴィガノ大司教】まったくその通りです。私が困惑するのは、アジェンダ2030の提案者たちが、私たちの意思に反して私たちに犯罪的なプロジェクトを押し付けるつもりであることを、厚かましくも事前に告げているということです。この証拠にもかかわらず、【重要ポストへの】浸透が何年も止められずに行われた後に、私たちを「陰謀論者」と非難しながら、目の前で実際に彼らの計画を実現していると驚く人々がいるのです。陰謀は確かに存在しますが、裁判にかけられなければならないのは、陰謀を非難する人々ではなく、陰謀を実行に移した者たちです。
【問い】ジョー・バイデンは、危機の責任をプーチンに押し付けています。この判断に大司教様は同意なさいますか?
【ヴィガノ大司教】米国人は、ロシア・ウクライナ危機のかなり前からガソリン価格が上昇しており、さらに国際社会によるロシア連邦に対する制裁(事実であれ疑惑であれ)のために上昇していることをよく知っています。今日、私たちに分かっているのは、予想できたように、制裁は少なくともプーチンに影響を与えてはおらず、制裁の隠された動機は、制裁が西側諸国、特に欧州諸国に打撃を与えることで、経済・エネルギー危機を誘発し、それによってエコロジー移行、配給、人口抑制、情報の検閲を正当化しようするとされていることです。
プーチンは、ディープ・ステートの挑発に乗らず、ロシア語を話すドンバスに安全と保護を与えるために必要な場合にのみ介入することに自制しました。そして、細菌兵器を製造しSARS-CoV-2の実験を行った米国の秘密のバイオラボの一つがあるアゾフスタル製鉄所を襲撃したのです。一方、バイデン家はウクライナの戦争を起こすことに大変な関心を寄せていました。ハンター・バイデンの汚職事件を隠蔽し、オバマとヒラリー・クリントンに迫るロシアゲートのスキャンダルや、トランプに対して行われたディープ・ステートの不正選挙から人々の目をそらすためです。
ロシアの侵略に対する米国の代理戦争は、現実には、グローバリストの技術官僚の妄想にのみ込まれるのを受け入れることを拒否した国家、今日ではディープ・ステートが犯した犯罪の証拠を持っている国家に対するディープ・ステートの戦争です。しかし、EUは、欧州諸国を脅迫しつつ、「改革」の実施を条件に、資金の融通したり融資の利率を良くしたりすることができますが――これらの諸国は通貨・財政主権が制限されているからです――、ロシアには、同じことは当てはまりません。何故なら、ロシアは主権国家にして独立国家であり、また原材料、エネルギー、農業食糧資源を自給できるからです。
【問い】冷戦時代の米ソ対立を再提案するこの二極論は、もはや有効ではないのでしょうか?
【ヴィガノ大司教】覇権主義的な左派は、善と悪のマニ教的な区分を確立しています。左派対右派、リベラリズム対ファシズム、グローバリズム対主権主義、ワクチン主義対ノーワクチンというように、です。「善い者」は明らかに、リベラルだが協力的、グローバリスト、包括的、エキュメニカル、レジリエンス(復元的)、サステイナブル(持続可能)。「悪い者」は明らかに、愛国者、キリスト教徒、右翼、主権主義者、異性愛者です。
【問い】現在の西側諸国の構造を、過去と区別するものは何でしょうか?
【ヴィガノ大司教】リベラリズムの最悪な部分と集団社会主義の最悪な部分の融合です。今日、私たちは、パンデミックの茶番劇の2年後に、グローバリストのリベラリズムがいかに共産主義と独裁者の手法を利用して、そのグレート・リセットで自分のやり方を押しつけているのを見ていますが、同時に、共産党政権がいかにリベラリズムの手法で、国民に対する完全支配を失わずに党上層部を豊かにしているかを目の当たりにしています。このことは、地政学的なバランスが多極化のビジョンに重点を移しつつあり、ディープ・ステートが煽る二極主義が衰退していることを示しています。
【問い】ホルヘ・マリオ・ベルゴリオの教皇在位中にカトリック教会で起こっていることに類似性はありますか?
【ヴィガノ大司教】ディープ・チャーチは、ある意味でディープ・ステートから派生したものです。このため、エキュメニズムとシノドス性(synodality)の名の下に、神学の領域でリベラリズムの誤謬を適用して、信仰と道徳の解体を私たちが目撃していることは驚くには当たりません。他方、教皇制度とローマ教皇庁とが政治局(Politburo)へと変換しています。何故なら、共産党型の独裁体制における権力行使の様式に倣い、教会の権威が絶対的となり、同時に過去の教導権に忠実であることから解放されているからです。法律はもはや正義に基づかず、むしろそれを適用する人々の便宜と実用性に基づいています。聖伝の聖職者と信者がバチカンによっていかに厳しく扱われ、他方でバチカンが、悪名高い中絶推進活動家たち(私はバイデンやペロシを最も顕著な例と考えています)やLGBTQイデオロギーやジェンダー論の宣伝者を称賛して、いかに媚を売っているかを見れば十分でしょう。ここでもまた、リベラリズムと共産主義が同盟を組み、世俗の領域で起こったように、組織を内部から崩壊させようとしているのです。しかし、私たちは、contra legem fit, quod in fraudem legis fit――法の抜け穴を使うことは、法に反して行われること――ということを知っています。
【問い】大司教様、近い将来、米国の状況はどのように変わるとお考えですか?
【ヴィガノ大司教】最終的にドナルド・トランプがホワイトハウスに戻り、政権や政府機関からディープ・ステートが根絶されるなら、本当の意味での和平交渉が可能になるでしょう。しかし、その再建には、全員の協力と犠牲、そして社会基盤の再建を促す確固たる霊的ビジョンが必要であることは間違いないでしょう。もし、このすべてが、前回の大統領選について実証された不正選挙によって起こったとすれば、トランプの勝利はさらに顕著なものとなり、欧州、特にイタリアにおけるディープ・ステートの繁殖に強い影響を与えることになるでしょう。
いずれにせよ、まず第一に「ネオコン」を含むディープ・ステートのしもべたちが追放されれば、今度の中間選挙は、共和党が下院と上院で過半数を占めるようになる可能性があります。
議事堂襲撃の茶番劇をトランプのせいにしようとする動きが失敗したことで、襲撃を組織した者たち――その中にはナンシー・ペロシの名前が必ずあるはずです――は、来年の秋にこの場面を再現しようとする気をなくすはずで、それは既視感のあるケースであることに加えて、グロテスクにもなりかねないでしょう。
【問い】ではグレート・リセットは失敗したのでしょうか? 私たちは勝利の歌を歌えるのでしょうか?
【ヴィガノ大司教】勝利の歌は、戦争に勝利したときにのみ歌われます。グレート・リセットは、非人間的で悪魔的な原理によって突き動かされているため、存在論的には失敗する運命にあります。しかし、その終末は、避けられず必ず来るとしても、それに対抗する私たちの能力と、天主の御摂理の計画の中にあるものにも左右されるため、まだ時間を要するかもしれません。
もし主が私たちに休戦を与えたいと、つまり天主と人間の敵たちが欲しているこの世の地獄がどれほど恐ろしいものかを私たちが理解した後に、平和の期間を私たちに与えたいとお望みならば、私たちは再建を決意しなければなりません。「より良く作り直す build back better」ではなくその正反対です。そうです、破壊されてしまったもの、つまり、家族、結婚の絆、子どもの道徳教育、祖国への愛、ひたむきに一生懸命働くこと、特に最も無防備で必要とする人に対する兄弟愛を、再建するのです。受胎から自然死までの生命の聖性と触れることのできない神聖さを再確認し、ジェンダー・イデオロギーの狂気から両性の補い合う性質を守り、子どもたちを腐敗から守り、子どもたちにふさわしい無邪気さを保証しなければなりません。最後に、人に見られていないところでも義務を果たすという誇り、プロらしく製品を作って誠実な価格で販売するという誇りを取り戻すため、リベラルなメンタリティーの典型である、利益の論理を捨てなければなりません。そして、天主を信じないディストピア社会のモデルでは、"正直、忠実、誠実、天主を畏れることが恥ずべきことだ"と誰かが決めたからといって、自分たちが劣っていると考えるのはやめなければなりません。むしろ恥ずべき者たちは、子どもや老人の殺害、邪悪なワクチンキャンペーンによる人々の計画的抹殺、集団不妊手術、同性愛、小児性愛、その他あらゆる逸脱した異常行為を求める者たちです。
【問い】大司教様、大司教様はこの世界が天主のもとに立ち返ることができると信じておられますか?
【ヴィガノ大司教】この世界は天主のもとに立ち返ることができ、また立ち返らなければなりません。このことは、創造主が被造物に刻印なさった天主の秩序によって定められた必然です。この世は天主のもとに立ち返らなければなりません。なぜなら、キリストが支配するところにしか、真の正義と真の平和は存在し得ないからです。また、個人が集団の中に消えてしまうような集団主義的あるいは共同体主義的なビジョンではなく、むしろ、天の御父が私たちを愛し、私たちをその栄光を分かち与える者にしようと望んでおられるがゆえに、御父が私たちのために用意してくださったもの以上のものはあり得ないことを私たち一人一人が自由に認識するという個人的かつ個々人のビジョンにおいて、この世はこれを行うことが可能になるのです。
私たちが皆、天主のもとに立ち返るなら、私たちの国々も天主の支配を認め、その法を天主の法に合わせるようになるでしょう。ですから、私たちは、詩篇作者が次のように歌っていることが実現されるように祈りましょう。Laudate Dominum omnes gentes; laudate eum omnes populi ―― よろず国よ、主をほめたたえよ、よろずの民よ、主をほめたたえよ(詩篇116篇1節)。Quoniam confirmata est super nos misericordia ejus; et veritas Domini manet in æternum ―― 主の御あわれみはわれらの上に堅く、また、主の真理は永遠に絶えざるがゆえなり(詩篇116篇2節)。
+大司教カルロ・マリア・ヴィガノ
2022年6月21日
聖アロイジオ・ゴンザガの祝日
[1]17世紀に始まった囲い込み法(Enclosure Acts)が、イングランドの農業の開放耕地制度を廃止し、効率性と収益性を高める目的で政府が土地を買収できるようにした。
[2]スターリンのソビエト連邦が数百万人のウクライナ人を殺害した1932年から33年にかけての人為的な飢餓。