2022年6月3日(初金)至聖なるイエズスの聖心の随意ミサ
聖ピオ十世会司祭 トマス小野田神父 説教
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。
人間の、理性を持った被造物である私たち人間にとっての最高の善というのは、「私たちがいるべき場所に、秩序にそのままいる」ということです。
「私たち人間がいるべき秩序」というのは「全ての被造物の最も頂点に立って、そして天主のすぐその下にいる」ということです。
私たちは、最高の地位を天主から占めるように望まれました。天主の永遠の命を味わって、永遠に天主と、三位一体と至福を味わう為に、この世界に創られました。しかもこの世界で最高の、天主のすぐ下にいることができるように、天主に向かって、天主を知り、愛し、そして天主に仕えて、そしてその最高の善である三位一体から至福を得て、この全ての地上の被造物を支配して、この頂いた全てを感謝する、これが永遠の計画でした。
しかし悪魔は、サタンは、ルチフェルは、私たちの人祖アダムとエワにまず傲慢を息吹きます。その「傲慢」から、「七つの罪源」というものが生まれました。傲慢から最初に生まれたのは「虚栄」でした。虚栄から「嫉妬」が生まれました。また嫉妬から「怠惰」あるいは「怒り」が生まれます。またこの天主に逆らって、あるいは天主を軽蔑して、自分が天主の地位を取ろうとする、その全ての始まりが傲慢でした。また、天主よりもこの地上のものを愛そうとする心をも生まれました。それが「貪欲」とか、あるいは「貪食」とか、あるいは「色欲」などです。
ですから「虚栄」や「嫉妬」や「怠惰」「怒り・憤怒」「貪欲」「貪食」「色欲」などは、七つの罪源と呼ばれています。これをこの悪魔にそそのかされて、人類がその地位から落ちてしまった、その秩序を回復する為に、私たちは何もすることができませんでしたが、イエズス様は天主は、私たちに更にその秩序を回復することができるように、特別の愛の御業をして下さいました。それが、イエズスの聖心からの愛の特別の業でした。
まず、私たちが天主に戻ることができるように、七つの徳を下さいました。四つの倫理徳である枢要徳、「賢慮」「正義」「剛毅」それから「節制」、この四つの枢要徳に、更に「信仰」「希望」「愛」という三つの対神徳を私たちに下さり、七つの徳を下さいました。
またイエズス様は私たちに、七つの秘跡も下さいました。「洗礼」や「堅振」「御聖体」それから「悔悛」また「終油」の秘跡、「品級」の秘跡、そして「婚姻」の秘跡です。
そればかりでありません。更には、私たちがこの秩序、あるべき地位に易しく戻ることができるように、七つの賜物をも下さろうとしました。それも皆様のご存知の通り、「上智」「聡明」「賢慮」「剛毅」「知識」「孝愛」「敬畏」この七つの賜物を、聖霊の七つの賜物を私たちに下さる為に、御復活の後の七週間、つまり50日後の聖霊降臨の日に、それを下さろうとしました。
七つの罪源に対抗する為に、七つの徳と、七つの秘跡と、七つの賜物を私たちに準備して下さいました。これはイエズス様の愛の御業でした。
聖霊降臨の準備を続けましょう。
イエズス様はまず、私たちに謙遜であるように招いています。私たちがまず傲慢によって罪を犯したので、謙遜であるように。イエズス様はもちろん色々な奇跡をされました、色々な御業をされましたが、私たちに御自分に倣うように、と招いているのは「謙遜」でした。「私に倣え。私は心の柔和・謙遜な者であるから。そうすればお前たちは休みを、安息を受けるだろう、見出すだろう」と。
聖霊の賜物を受ける為に、イエズス様の聖心に倣う御恵みを乞い求めましょう。マリア様に乞い求めましょう。
聖父と聖子と聖霊との御名によりて、アーメン。