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スピノサウルスの半水生適応(3)




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スピノサウルスの半水生適応(3)

論文では、大腿骨が短いなどの点で、半水生段階の原クジラ類との類似性が指摘されている。パキケトゥスはまだ地上性でイノシシ型、アンブロケトゥスはワニ型といっていいだろう。スピノサウルス類はワニと違って首が長い。昔、カール・ジンマーの「水辺で起きた大進化」に、“アオサギのように首の長い”原クジラ類としてダラニステス(レミングトノケトゥス科)が出てきた。強いていえば、これの体形が多少似ているのではないかと思った。しかし今、ダラニステスの復元図を画像検索すると、首が長いイメージはどうも見当たらない。くわしく調べていないが、変更があったのだろうか。

このような半水生の動物だとすると、「ジュラシックパーク3」や「プラネットダイナソー」に描かれたように、カルカロドントサウルスのような大型肉食恐竜と死闘を演じる場面は、ほとんどなさそうである。豊富な魚類等を食物として大型化できた捕食動物と思える。「最大の肉食恐竜」の称号が冠されるが、トドやゾウアザラシがトラより大きくても、最大の肉食獣とは呼ばれないだろう。スピノサウルスが大部分の時間を水中で過ごしたとすれば、陸上の恐竜たちにとってはそれほど脅威ではないわけである。もちろん大型のシーラカンス類や肺魚を捕食する様子は、それなりに豪快な狩りだったかもしれない。

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