tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

オモイは沈み、コイは浮く

2011-01-18 23:29:41 | プチ放浪 山道編

 
 
 
 

五箇山の村上家で聞いたこきりこ節。築400年の古い民家の居間にどうどうと響き渡る歌だった。
古き日本の家屋には、暖簾、すだれ、格子、障子、欄間など、季節の風を感じ、光の陰影を味合う仕掛けが随所に見られる。
また、木や土や石などの自然の素材が、摂理にそった使い方がされ、繊細に造形美を作り出し温かみのある、すがすがしい空間となっている。

まさに長い時間を経ても、飽きられたりすることのない本物の建築。
日本の伝統建築を見ていると、古来、人は丁寧に自然と付き合い、ゆったりとした時間の中で生きてきたことが分かる。

日本の原風景。豪雪地帯の郷愁を誘うものがここにはある。


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僕の友

2011-01-17 22:52:50 | プチ放浪 山道編

 
 
 
 

”冬は見上げた僕の友だ”と 詩人 高村光太郎はかいた。
やはり、雪は天の祭なのかもしれない。

”万物に生(いのち)をさけび
人間の本心ゆすぶり返し
惨酷で、不公平で
憐愍を軽蔑し、感情の根を洗ひ出し
隅から隅へ畏れを配り
弱者をますます弱者にし、又殺戮し
獰猛な人間に良心をよびさまし
前進を強いて朗らかな喇叭(ラッパ)を吹き
気まぐれな生育を制えて痛苦と豊饒とを与へる冬”

そういえば、学生の頃、冬休みにスキー場でバイトしてた時、
小っちゃい子が、自分が寒いにもかかわらず、「使い捨てカイロを使って」とポケットの中のカイロをぼくにくれたっけ。
ありがとうって受け取ったけど、パトロール小屋に帰って鼻の奥がツンとなった。
”冬”も見上げたぼくの友だち。

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風花

2011-01-16 23:38:20 | プチ放浪 山道編

 

雲ひとつない晴れた青空から、ひらひらと散る雪のかけら。
どこか遠くの空で降った雪片が、風にのって流されてきたもので、
手のひらでうけても、すぐに溶けてしまう。

遠い空からのメッセージ。静寂な森。


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2011-01-15 21:22:29 | プチ放浪 山道編
 
 
 
 

冬 萩原 朔太郎(月に吠えるより) 

”つみとがのしるし天にあらはれ、
ふりつむ雪のうへにあらはれ、
木木の梢にかがやきいで、
ま冬をこえて光るがに、
おかせる罪のしるしよもに現はれぬ。
みよや眠れる、
くらき土壌にいきものは、
懺悔の家をぞ建てそめし。”

たとえば、山奥のスキー場など、天気が良ければ寒空に煌々と輝く月をあおぐことができる。
雪明り。紺色の空に白く光る山の端を目でたどるのだが、ホテルの電灯がすごく煩わしかったりする。

冬の月をぼくは好きだ。
月の表面のあの陰影を「ウサギがお餅つき」をしていると想像した古人の発想の自由さに驚く。

萩原 朔太郎の「月にほえる」。”つみとがのしるし”とは、太陽なのだろうか、それともやはり月?
故郷の「雪明り」は、神秘化された夜の白い幻想世界となって脳裏に今、よみがえってくる。


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さいかし

2011-01-14 22:34:05 | プチ放浪 山道編

 
 
 
 

蒲原有明に「さいかし」(『独絃哀歌』1903)

”落ち葉林の冬の日に
さいかし一樹(ひとき)、
  (さなりさいかし)
その実は梢いと高く風にかわりけり。

落葉林のかなたなる
里の少女は
  (さなりさおとめ)
まなざし清きその姿なよびたりけり。”

冬の雑木林で見かけた「さいかし」
マメ科の植物で、15mぐらいの落葉高木。
種子は薬用に、その莢(サヤ)はサポニンを含むので石鹼の代用品になったらしい。

北上市のみちのく民俗村にある古民家の土間に、サイカチが紐で下げられていた。
地元の子供たちは冬の日に雪の中に砕いて入れ、ねっぱこいシャーベットを作って
遊んでいたという。


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