tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

深夜特急

2019-09-28 20:32:28 | プチ放浪 都会編

ぼくが旅した2011年5月。イスタンブールからカッパドキアへ深夜バスを利用した。国内線の飛行機はあるにあったが値段が高く一般的ではなかった。トルコにおいてバス路線が発達していて、運賃が安い深夜バスの利用はローカルの人々とともに旅人においても好まれていた。

わずか8年前のことではあるが、今ではイスタンブール-カッパドキアの深夜バスを利用するツアーは見当たらない。バスで移動途中にパムッカレの宿泊をはさみ、帰りのカッパドキア-イスタンブール間は国内線を利用するのが一般的となった。実際、国内線の利用は現地の人々も積極的になっている。
古くて使えなくなった飛行機はレストランに改造されて利用。現地ガイドによれば、飛行機に滅多に乗れないトルコの人々が結婚式などに利用するとのことだが、そういう意味では日本と同様に経済格差が広がっているのかもしれない。

8年前に深夜バスの車窓から観た朝焼けのトルコの大地。果てしなく草原が広がり、ノマド(放牧民)のキャンプが見えて心が暖かくなった。また、道路沿いのバス停では、朝早くというのに制服姿の小学生が路線バスを待っていて、彼は草原のどこから来たのだろう、草原の向こうへ行ってみたいと夢を膨らませたものだった。

今回、深夜バスに乗らなかった分、旅はより効率的に観光地を巡ることができたのだが、旅の大切な何かが失われてしまったような気がする。しょせん、ぼくにはお金持ちの団体旅行には向いていない。