tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

どっちが幸福?

2019-09-26 22:42:33 | 日記

トルコ・カッパドキアの街中を歩いていると、そこらじゅうでたくさんのノラ犬と野良猫にであう。トルコの人々はノラ犬や野良猫にやさしく、地方の自治体がエサ代や狂犬病のワクチンや避妊・去勢の予算を持ち、街の人が世話をしているようだ。

一般にイスラム教では猫は敬愛される動物とされる。預言者ムハンマドは猫が大好きで、猫をいじめたり殺すことを禁じたと言われている。猫は古代オリエントの時代からアラブの国で尊ばれてきた。猫は穀物庫、食料庫を有害な動物から守るほか、本を食べるネズミをとる等、人間にとって有用な動物だった。

一方、犬は致死率が高い狂犬病を誘発する。これゆえ、イスラム教においては犬を忌み嫌うという傾向がある。
だがトルコでは、大型の野良犬が街のありこちで鎖もつけずにゆっくり昼寝したりくつろいでいる。トルコの神話には狼が出てくるなど、イスラムの教義に関係なく、動物の存在は古くから身近だった。もともと農業国だったため農家では使役犬として犬を飼い、羊の番をさせていたようだ。

日本の犬たちは鎖で繋がれている。日本はむかしから幼稚な管理至上主義の国だ。ちょっとした危険があるとすぐに法律や条例でがんじがらめにしてしまう。国民はもちろんのこと、行きたいところに行かれない犬たちもストレスは相当なものだ。なので、犬もだれかに噛みつきたくなるのだろう。リードや鎖につながれた犬は日本の常識だが、ヨソの国では通用しない。

犬たちにとって、鎖につながれ食事が与えられる環境と、土地の人たちにかわいがられて自由に動き回れる環境とどちらが幸福なんだろう。すくなくとも、ぼくの目にはトラム(路面電車)を止めて堂々と道路を横断するトルコの犬たちが幸せに思えてならない。トルコの犬たちに感想を聞いたわけではないのだが。。