山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

北八ヶ岳(2-6)

2009-04-12 | 八ヶ岳

途中でもう一度振り返って東天狗を眺めました。
左に硫黄岳の爆裂火口跡がきれいにみえます。
東天狗から硫黄に抜けるコースもなかなかよいコースです。
夏にはコマクサの群生もみられます。



歩いている右手奥には浅間山がクッキリとみえています。
1時は噴煙が大きく上がっていたようですが、この日は少し
おとなしくしていたようです。
活火山ですから、いつまた噴火してもおかしくない山です。





ここは少しきつい登りです。
硫黄、東天狗、西天狗がすべて姿をみせています。
こんな天気は滅多にないと思います。
展望を楽しみながらゆっくり登りました。





やがて「中山展望台」と呼ばれている場所に出ました。
1月末にもこのルートを歩きましたが、その時は風が強くて
長い間たっていられませんでした。
この日は風も穏やかでした。
右から乗鞍岳、木曽の御嶽山です。



更に左に目をやると中央アルプスがみえています。
右から木曽駒ヶ岳、宝剣岳・・・・大きくくぼんでいる左が
空木岳です。
ここの縦走もなかなか手ごたえがありました。



御嶽山をズーミングしてみました。
まだまだたくさん雪があるようです。
登山道に大きな石像が立っていて頂上まで導いてくれます。
なかなかアプローチが長い山です。



ここからは蓼科山が目の前にみえます。
どっしりとした山容です。
頂上付近にも小屋があり、夏はそこに泊まって星をみる人も多いようです。
大きな石がゴロゴロしていて両手両足をフルに使って登る山です。




ここからも天狗岳がよくみえます。
中山峠からは天狗岩に隠れて頂上がみえませんでした。
ここからは天狗岩の奥に頂上がきれいにみえました。
東天狗と西天狗では雪のつき方が違うようです。



中山展望台の周囲にはこのような樹氷がありました。
1月末よりは雪のつき方が少なくなっているようです。
青空との対比が素晴らしかったです。



樹氷もみる角度で違う顔をみせてくれます。
自然に溶けるまでにはもう少し時間がかかるようです。
同じルートを歩いてもその時々でまた違う楽しみがありました。




中山展望台にはこのような標識が立っています。
高見石とかろうじて読めます。
ここで10分ほど展望を楽しみ、次に進みました。
高見石までは40分ほどの歩きになります。



北八ヶ岳(2-5)

2009-04-11 | 八ヶ岳

だいぶ降りてか天狗岳を振り返ってみました。
東天狗の頂上はみえませんが、天狗岩が大きくそびえています。
山は降りてから充実感があります。
横に流れる雲がおもしろい形をしていました。




少し右に目をやると遠くに乗鞍岳がみえました。
雪で真っ白です。
5月連休の頃にはミズバショウが咲くと思います。
もう少しの我慢ですね。



登る時にも通過した場所です。
ここからの天狗岳もなかなかよい眺めです。
何度も振り返りながら降りました。




雪道はよく踏まれていてしっかりしていました。
ガスっていない限り迷うことはないようです。
夏道とは違って随分歩きやすかったです。





中山峠につきました。
しばらく休憩してから出発です。
出かける前に峠の下を覗いて見ました。
数名の登山者が登ってきています。
シラビソ小屋からきたようです。
1月末にここを登りましたが、その時よりは雪が少ないようでした。



前日と同じ場所から天狗岳を眺めてみました。
きれいにみえます。
前日と違うのは空の雲だけです。
登ってきただけに感慨深いものがありました。




東天狗をアップしてみました。
天狗岩から右に降りて岩のあたりから左にトラバースしました。
左下にツメで引っ掻いたような跡がみえます。
シリセードをした跡です。
遠くからルートがみえるのもよいものです。





中山峠から高見石に向かいます。
1月末にも通りました。
その時より雪は少なくなっていました。
登山道は凍りついていました。



歩いている途中で右側がよくみえる場所があります。
白く雪を被った山が金峰山です。
その左が甲武信岳(こぶしだけ)です。
荒川と千曲川の源流になっています。



シラビソの枯れ木が目立つようになってきました。
このあたりにはたくさんあります。
奥に大きなダケカンバがありました。
細かい枝を一杯伸ばして存在感充分でした。





枯木の下を見るとしっかり二世が芽を出しています。
この山は自然交代するようです。
木の向こうには天狗岳が透けてみえました。




しばらくはなだらかな登山道が続きます。
1月末にここを通った時にはびっしりと樹氷がありました。
2ヶ月も過ぎるとすっかり様子が変わっています。
確実に春が近づいているようでした。
ダケカンバの茶色い木がよく目立ちました。

北八ヶ岳(2-4)

2009-04-10 | 八ヶ岳

天狗岳の頂上に到着です。
中山峠から55分でした。
地図のコースタイムは1時間20分になっています。
随分早く登ったものです。
標高2646mと書いてありますが、これは西天狗の標高です。
ここは西天狗より6mくらい低いようです。
三角点も西天狗においてあります。



頂上からの展望です。
左から硫黄岳(2760m)、赤岳(2899m)、阿弥陀岳(2805m)です。
赤岳は八ヶ岳で一番高い山で、主峰と呼ばれています。
夏はコマクサが群生しています。



赤岳を中心にズーミングして見ました。
左に硫黄岳に登る稜線がみえます。
ここから約2時間くらいで登れるようです。
赤岳までだと5時間くらいかかります。
風が冷たく気温はマイナス20℃くらいでした。
5分くらい展望を楽しみ、下りにかかりました。



道が凍り付いているので上りより下りのほうが危険です。
足元をしっかり確認しながら降ります。
雪も凍れば石と同じ硬さです。
慎重に下りました。




蓼科山がきれいに見えています。
富士山によく似た山です。
頂上付近に雪があります。
やはり頂上付近は風が強く吹いているようでした。



天狗岩を過ぎてしばらく降りると分岐があります。
ここから黒百合平に降りることができます。
このルートのほうが比較的ゆるやかです。
下りはここを選択しました。


太陽を背にして稜線を登っている登山者がみえます。
雪面がキラキラ光ってきれいでした。
これから登る人もいるようです。




このあたりには雪が2m以上あるようです。
しっかり固まっているようだったので、途中からバイパスを
とりました。
トラバースすれば危険地帯は避けられます。



降りてきた方向を振り返ってみました。
道はありません。
雪が固まった斜面を降りています。
登山道でないので夏は歩けない場所です。




どこでも好きなように歩けますが、木の近くは抜けこみます。
このまま右下に降りれば登山道と合流するハズです。
晴れていないとできない冒険です。
遠くに薄く浅間山が姿を見せていました。



頂上から30分くらいで登山道と合流しました。
下りは早いです。
雪があるとやはり歩きやすいようです。



ピッケルでバランスをとりながら靴で雪の斜面を滑り降りることを
グリセードといいます。
かなり高度な技術が必要です。
お尻で滑るのをシリセードと呼んでいます。
これも足で上手くスピードをコントロールしないと止まりません。
私も滑り降りましたが、なかなかおもしろかったです。





北八ヶ岳(2-3)

2009-04-09 | 八ヶ岳

下を振り返ってみました。
何人か登ってきています。
稲子岳がだいぶ低くなりました。



ここが一番勾配がキツイようです。
夏と違って決まった登山道がありません。
どこでも歩けますが、左は絶壁になっています。
できるだけ右を歩くようにしました。
立っているのがやっとの場所です。
ストックがほとんど利きませんでしたので、
下りは嫌な場所だと思いました。



左側をみると蓼科山がかなり大きくみえます。
頂上付近には雲がかかっています。
奥には北アルプスが雲のようにみえました。
何度も振り返りながら登りました。




木に氷が成長しています。
「エビの尻尾」と呼んでいます。
風が吹く方向に成長します。
これを見ればどの方向から風が吹いているかわかります。
この場所は右から左に強い風が吹いていました。



自分の影が雪面に映っています。
おもしろいので撮ってみました。
こんなに足が長いとは思いませんでした。(笑)



天狗岩がだいぶ近づいてきました。
頂上はこの岩の奥にあります。
帽子をかぶっていますが、風で吹き飛ばされそうでした。




天狗岩は右側を巻いて登ります。
ここも下から強い風が吹き上げてきます。
顔に当る風が痛く感じられました。
吹雪だったら歩きたくない場所でした。



天狗岩を過ぎてもまだまだ登山道が続きます。
夏道はまったくわかりません。
前を行くツアー客も何とか無事に登っているようでした。



西天狗岳が大きくなってきました。
雪で真っ白です。
右奥に木曽の御嶽山がみえます。
空の雲が不思議な形をしていました。




蓼科山がきれいな姿をみせています。
先ほどの雲はどこかに消えてしまったようです。
何度みてもよい山です。
手前に茶臼山と縞枯山がみえます。
1月末に麦草ヒュッテに泊まって登りました。
「エビの尻尾」がたくさんありました。



頂上が見えてきました。
何人か先客が立っています。
左は大きく崩れています。
踏み外さないよう気をつけて歩きました。



西天狗岳が正面になりました。
左奥に中央アルプスがみえます。
写真では雲のようにしかみえませんが、肉眼ではよく
みえました。
右から木曽駒ヶ岳、宝剣岳、大きな窪みの左が空木岳です。
どの山も素晴らしい山です。
左手前の白い筋は富士見スキー場です。
その上に入笠山がみえます。
もうすぐ頂上に到着します。


◎付 録
カタクリの続きです。

カタクリはご覧のように背丈が低い花です。
種から発芽するまで8年くらいかかるそうです。
葉っぱが1枚の時は花をつけません。
2枚になってやっと花が咲きます。
花は太陽が当らないときれいに開いてくれません。


前回もご紹介しましたが、花の中を覗くとWの模様があります。
この模様は花によっそれぞれ違うそうです。
よく観察するには手鏡でみるとよいそうです。
なかなかきれいな模様ですね。




なかなかきれいな姿です。
「春の妖精」にふさわしい花です。
花が終わると小さな種ができます。
種にアリが好きな物質がついていてアリによって拡散される
そうです。
なかなか賢い智恵ですね。
まだまだ楽しめると思います。

北八ヶ岳(2-2)

2009-04-08 | 八ヶ岳

歩いてきた方向を振り返ってみました。
右奥に蓼科山の頭だけ見えます。
左奥に白い雲のようにみえるのは北アルプスです。
天気がよ過ぎて少し霞んでいました。




こちらは歩いている左側です。
稲子岳がだんだんと低くなっています。
雲海の奥に薄く山が浮かんでいます。
上州の山のようでした。




木の枝にびっしりと氷がついています。
花が咲いたようにみえます。
朝日に輝いてきれいでした。
これも雪山の楽しみです。
木もこの寒さに耐えて春を待っているようでした。



北アルプスをズーミングして見ました。
カメラの液晶が太陽に反射してよく見えません。
少し曲がってしまいました。
正面のとんがった山が槍ヶ岳です。
そこから左に南岳、大きくくぼんだところが大キレット、その左が北穂高岳、
更に左に涸沢岳、奥穂高岳と続いています。
別の場所からもう一度ご紹介します。



登山道の左は大きく切れ込んでいます。
あまり左にでると危険です。
昨年滑落事故がありました。
このあたりから落ちたのでしょうか?
運がよくその人は助かったようです。




素晴らしい雲海です。
逆光でしたが、雲がこちらに向かって流れています。
手前は入り江のようです。
小屋に泊まらないとこのような雲海はみえません。
夏でも10時を過ぎると消えてしまいます。
歩きながらでしたが、しばらく見とれてしまいました。


絶壁の奥に硫黄岳がみえます。
この断層は噴火した跡です。
雪があると夏とはまた違った顔をみせてくれます。



ここから急登が始まります。
小屋に10数名のツアー客がいました。
我々より10分以上前に出発していましたが、
追いついてしまいました。
誰かがブレーキになっているようです。
若いガイドが一生懸上から声をかけていました。



我々とはペースがだいぶ違うようです。
ツアーはどんな人が参加するかわかりません。
雪に慣れていない人が1人でもいると全体の足を引っ張ります。
ツアー登山の難しいところですね。



かなりきつい登りです。
前を歩いている仲間はダブルストックを使っています。
私は1本のストックで体を支えます。
登るに従って風が強くなってきました。
吹き飛ばされないよう気をつけながらカメラを操作しました。




歩いている左から太陽の光が降り注いでいます。
思わず太陽にカメラを向けてみました。
デジカメは凄いですね。
フイルムだったら真っ黒になって写真にはならないと思います。




凍りついた雪面のようすです。
風が強くて体制を低くしています。
雪の模様が月面の世界のようでした。
気温はかなり低くてマイナス18℃くらいです。
風が1mだと体感温度が0.6℃下がるといわれています。
ここでは5m以上の風が吹いていました。
頂上はもっと強そうです。

北八ヶ岳(2-1)

2009-04-07 | 八ヶ岳

一夜明けました。
朝、小屋の外にでてみたら、雪が舞っていました。
表の寒暖計はマイナス16℃を指していました。
水がないので雪で顔を洗いました。
出発する頃には雲もとれて素晴らしい青空です。
雪景色がきれいでした。



小屋に別れを告げていよいよ出発です。
久し振りにマイナスの世界です。
すべてのものが凍りついていました。
雪を踏むアイゼンの音だけが気持ちよく響きました。




時間は午前7時です。
朝日に向かって歩いています。
前日登った中山峠を目指します。
凍りついた木々が逆光に光ってきれいでした。



10分くらいで中山峠につきました。
下をみると素晴らしい雲海が広がっています。
夏山ではよく見られますが、この時期はなかなかありません。
文字通り「雲の海」でした。


前日と同じ場所で東天狗を眺めました。
天狗岩が朝日に輝いています。
これからあの山に登ります。



大きなザックは近くの木の下にデポしました。
再びここに戻ってくる予定です。
数年前の夏に登ったことがありますが、雪がある時登るのは
初めてです。
いきなり急登がありました。



登っている左手に雲海が広がっています。
左に見えるのは稲子岳です。
気温はマイナス15℃くらいで、素手だと痛いくらいでした。
厚い手袋をつけたまま、シャッターを押しています。



東天狗と西天狗がよくみえます。
素晴らしい晴天です。
仲間はどんどん進んでいます。
真っ赤な服がリーダーです。
今回のメンバーはよく足が揃っていました。



少し平らなところにでました。
雪についたトレースがきれいです。
気温が低いので雪はしっかり締まっています。
この日は他にも数組のパーティが歩いていました。



このあたりは風が強いのか雪が少なかったです。
大きな石がゴロゴロしています。
夏山とはまったく違う登山道でした。
稜線を歩いている登山者が豆粒のようにみえます。



稜線に取り付きました。
足元はガチガチに凍りついています。
雲海がきれいでした。
これから本格的な登りが始まります。

◎付 録
カタクリ

あちこちからカタクリの便りが届いています。
近くに咲いている場所があるので見に行ってきました。
今年は例年より開花が早いそうです。
「春の妖精」と呼ばれています。



みんな下を向いて咲いています。
背丈も20cmくらいと低い花です
思い切って中を覗いてみました。
花びらの内側にWの模様があります。
上からだと見ることができません。
種から発芽して花が咲くまで8年くらいかかるそうです。
この場所でもかなり増えていました。
まだまだ楽しめそうです。







北八ヶ岳(1-5)

2009-04-06 | 八ヶ岳

再び、中山峠に戻りました。
中山峠からは展望がありません。
少し天狗のルートに歩くと天狗岳がみえる場所があります。
木の間から顔を出していました。




黒百合ヒュッテに戻ってきました。
ヒュッテのすぐ前に小高い丘があります。
夏は登ることができません。
まだ小屋の中に入るには時間があったので、登ってみることにしました。
仲間の男性4人が登っています。
女性3人は小屋の中に入ってしまいました。




かなりの急登です。
雪は膝くらいまでありました。
途中で振り返ってみました。
黒百合ヒュッテの全景がみえます。
屋根と小屋の左にソーラーパネルが設置されています。
小屋の電気はこれで発電されているようでした。




丘に登ると東天狗と西天狗が目の前に広がっています。
雄大な景色です。
手前の広い場所は「天狗の奥庭」と呼ばれています。
夏は高山植物が咲いているところです。



東天狗です。
先ほど中山峠の上からみた山とは違って見えます。
頂上付近にみえる大きな塊は天狗岩と呼ばれています。
頂上はその右奥です。



頂上付近をズーミングしてみました。
天狗岩の右奥に頂上がみえます。
頂上に数名の登山者がいます。 
天狗岩の右を巻いて登るようです。
中山峠の上からは天狗岩が邪魔になって頂上は
みえませんでした。



右に蓼科山がみえます。
富士山のような姿のきれいな山です。
石がゴロゴロした山ですが、晴れていると頂上から
素晴らしい展望が楽しめます。
アクセスが少し不便ですが、車で行けば7合目まで入れます。
そこから1時間40分くらいで頂上につけます。
夏の登山道ではイチヤクソウなどの花が楽しめます。



右から左に雲が流れています。
ぽっかり開いた穴から青空が覗いています。
刻々と変化する雲の様子がおもしろかったです。
充分展望を楽しんでから小屋に戻りました。



一度小屋の中に入りました。
入ってすぐのところにストーブがあります。
小屋の中はたくさんの人で混雑していて座る場所もない
くらいでした。
夕方になって外に出てみました。
日が木立の中に沈むところでした。



反対側をみると木が赤く染まっています。
夕陽が反射しているようです。
テントも幾つか張られていました。
この時期のテントは相当寒いと思います。

小屋に入って何とかスペースを確保し、ワインで1杯飲りました。
ワイワイやっているうちに、1.8リットルのワインが空になりました。
寝る時は畳1枚のスペースを貰えましたが、布団が重くてなかなか
眠れませんでした。


◎付 録
サクラツツジ

ツツジの仲間です。
サクラとツツジのよいところを両方とったようです。
こんなツツジがたくさん増えるといいですね。


クサノオウ

ケシ科の植物です。
薬草として珍重されたようですが、今は雑草として
野山に咲いています。
茎を傷つけると黄色い乳液がでます。
皮膚につけるとかぶれることがあります。
毒草ですから、触らないほうが無難です。
全国に広がっているようです。



エリカ

エリカの仲間で「ホワイト・デライト」というそうです。
ジャノメエリカなどより花が大きく淡い色がきれいです。
園芸種のようですが、あまり見かけません。
公園などでもっと増えて欲しい花だと思います。




北八ヶ岳(1-4)

2009-04-05 | 八ヶ岳

黒百合ヒュッテに到着しました。
ここに宿泊します。
渋の湯を出発してから約2時間20分でした。
小屋の外に大きな寒暖計があります。
マイナス5℃を指していました。



夏山ではいつも素通りする小屋です。
泊まるのは今回が初めてでした。
時間があったので、ザックを置いて出かけることにしました。




歩いて10分もしないうちに中山峠につきます。
ここは1月末にシラビソ小屋に泊まって下から登ってきたところです。
その時もよい天気でした。



少し上まで登ってみます。
樹氷が残っていました。
気温は低く氷の世界です。
足元もガチガチに凍りついていました。



この先に見晴らしのよい場所があります。
2ヶ月前より雪は少なくなっていました。
氷の上に薄く雪が積もっています。
アイゼンなしでは歩くのに難しい場所でした。



中山峠から5分くらいで展望台にでました。
天狗岳が大きくそびえています。
正面が東天狗、その左が硫黄岳です。
噴火の跡がよくみえました。




左が東天狗岳、右が西天狗岳です。
両方合わせて天狗岳と呼んでいます。
2つの間は40分くらいで往復できます。
流れる雲は夏のようにみえました。



中山峠の左には稲子岳がみえます。
この右下にシラビソ小屋があります。
稲子岳に登るルートは地図に書いてありません。
その気になれば登れるようです。



遠くに白く雪をいだいた金峰山がみえました。
頂上にある五丈岩が黒くみえます。
その手前が瑞牆山(みずがきやま)です。
どちらも秋は紅葉がきれいな山です。
かなりズーミングしています。



東天狗の雄姿です。
夏山と違って雪があると迫力があります。
左斜面に登山ルートがあるようです。
今回はこの山に登るのが目的です。
充分景色を堪能してから小屋に戻りました。



◎付 録
トガリバツバキ

これはツバキの仲間だそうです。
中国原産です。
葉っぱが尖っているのでこの名があるようです。
白い花がたくさん咲いていました。



シナミズキ

房が大きくてトサミズキに似ています。
葯がトサミズキの赤に対してこちらは黄色です。
たくさん咲いていると遠くからでもよく目立ちます。



アブラチャン

春先に山でよく見かけます。
ダンコウバイに似ていますが、花のつき方が違います。
花も少し黄緑色をしています。
種から油を採ったのでこの名があります。
山奥に行けばまだ会えると思います。

ソメイヨシノがあっという間に満開になりました。
今日も花見にはよさそうです。
開花から満開まで10日以上かかりました。
各地で賑わいそうです。





北八ヶ岳(1-3)

2009-04-04 | 八ヶ岳

3月末だというのにかなりたくさんの雪がありました。
北八ヶ岳はまだまだ冬の装いでした。
晴れていたからよかったですが、吹雪かれたら嫌です。
気持ちよい登山道が続きます。





この木は「トウヒ」とありました。
松の仲間です。
比較的高い山に生えているようです。
このあたりにもたくさんあるようでした。



雪の上におもしろい模様がありました。
笑っている顔に似ています。
ストックで鼻の穴と口を付け加えました。
あとは自然が造ったものです。



登るにつれて雪が多くなってきます。
木の枝にも雪がついていて春とは思えません。
気温は0℃くらいでした。



真っ白な雪に映る影がきれいでした。
このあたりは2mくらいの積雪があるようです。
新雪がフワフワしてきれいでした。



シラビソの木を下から見上げてみました。
大きく手を広げています。
大きな木からは元気が貰えます。
思わず深呼吸をしました。





かなり登ってきました。
雪道は平らになっているので歩きやすいです。
みんな黙々と歩いているようでした。



シラビソの木に雪が凍り付いています。
季節はずれのクリスマスツリーのようです。
青い空とのコントラストがきれいでした。




少しカメラを引いてみました。
昔、アメリカの五大湖の近くに行ったことがあります。
そこでこれと同じような景色をみました。
2月の下旬でしたが、雪がたくさんありました。
野生の鹿にあってビックリしたのを憶えています。
もうすぐ黒百合ヒュッテのようです。


◎付 録
ハチジョウキブシ

これは近くの公園でみたものです。
山で見るキブシよりは花がたくさんついていました。
枝の先端に葉っぱがついているのが特長のようです。


キブシ

これはよく山で見かけるキブシです。
春先に見かける花です。
カンザシのような花です。
もう終わりかも知れません。


ウチワノキ

ウチワノキです。
花がレンギョウに似ていて白いのでシロレンギョウとも
呼ばれるようです。
春は黄色い花が多いですが、白い花もきれいです。
もっと増えるとよいと思います。


北八ヶ岳(1-2)

2009-04-03 | 八ヶ岳

登山道は雪がしっかり締まっていますが、踏み外すと膝上まで
落ちてしまいます。
まるで落とし穴です。
これは誰かが落ちたのでしょう。
新雪は3cmくらい積もっていました。



しばらくは平らな登山道が続きます。
夏道だと大きな石がゴロゴロしていて歩きにくい道です。
雪があるとビックリするくらい歩きやすいです。
もちろんアイゼンをつけていなければ歩けませんが・・・
少しずつ日が射してきました。



真っ白な雪の上に木の影が映っています。
こんな影絵をみながら歩くのも楽しいものです。
手前にウサギの影がみえます。
周りを見回しましたが、いませんでした。



このあたりにはシラビソの木が多いようです。
まったく手を加えていない自然林です。
たくさん生えていますが、強い木だけが大きくなるようです。
木の世界も生存競争が激しいようです。



1月末にも出会った「シロクマ」君がたくさんいました。
違うのは新雪だったので毛がフワフワでした。
太陽にキラキラ光ってきれいでした。
餌は何もいらないようです。



春になったとはいえ、まだまだたくさんの雪があります。
最近またかなり雪が降ったようです。
左に見える茶色い木はダケカンバのようです。
表面の皮がペラペラ剥がれて風に揺れていました。





これがダケカンバです。
標高が1500m以上のところに生えています。
スタートした渋の湯が標高1850mくらいですから、
ここは2000mくらいだと思います。
雪に映る影がきれいでした。




シラビソに新しい看板がありました。
肌が白くてツルツルしています。
北八ヶ岳にはたくさんあります。
かなり大きくなるようです。




これはかなり大きなダケカンバです。
ダケカンバは岳樺と書きます。
もっと標高が低いところに生えていて肌が白いシラカバは
白樺と書きます。
シラカンバが転化してシラカバと呼ばれているようです。



約1時間半くらい歩いたら分岐に着きました。
ここを右に行けば唐沢鉱泉に着きます。
夏は車で入ることもできます。
我々は黒百合平を目指します。




◎付 録
クサボケ

クサボケが咲き出しました。
ボケより背丈が小さく草むらなどによく咲いています。
箱根の湯坂道には足の踏み場もないくらいたくさん
咲いています。
ここにはオオシマザクラの大木もあり、楽しく歩けます。


オオベニガシワ

新葉が赤くてきれいな木です。
庭木などにもよく使われています。
葉っぱがカシワの葉に似ているのでこの名が
あるようです。



幹にビッシリと花が咲いていました。
小さい花の集合体です。
よく見るとオシベが8個あり、ヒトデのように
見えました。




ヤブツバキ

やや下向きに咲くツバキです。
山でよく見かけます。
これからまだまだ見られます。
花が散ると下に赤い絨毯を敷いたようにみえます。

東京もやっとサクラが満開になりました。
開花宣言から随分長かったです。
今日と明日が花見によいそうです。
サクラを求めて東京に行って見ます。

北八ヶ岳(1-1)

2009-04-02 | 八ヶ岳
3月28日~29日と北八ヶ岳に行ってきました。
2つに分けてご紹介します。


集合は中央線茅野駅です。
例によって八王子発6:35の各駅に乗りました。
時間はかかりますが、車窓の景色が楽しめます。
甲府を過ぎたあたりから、左に南アルプスが見えてきます。
右から北岳、間ノ岳、農鳥岳です。
雪で真っ白でした。




北岳をズーミングしてみました。
富士山についで日本で2番目に高い山です。
手前のサクラはまだちらほらです。
今年は開花宣言から随分経っていますが、寒さが続いているので
なかなか開かないようです。



更に進むと今度は八ヶ岳がみえてきました。
左から編笠岳、権現岳、一番右が主峰の赤岳です。
走っている電車の中からですからなかなか上手く撮れません。
今回はバッチリ納まったようです。
手前に桃の木が見えます。
これからきれいな花を咲かせてくれます。



小淵沢を過ぎると甲斐駒ヶ岳が見えてきます。
摩利支天には雲がかかっていました。
この山もなかなか素晴らしい山です。
夏の終わり頃行けば比較的小屋も空いています。
仙水小屋は予約して行けば布団1枚のスペースが貰えます。



茅野駅にメンバーが集合しました。
今回は男性5名、女性3名の合計8名です。
バスに乗って1時間くらいで渋の湯に到着しました。
ここで身支度を整えます。
この奥から雪があるようなのでアイゼンを装着しました。



この橋を渡ると登山道が続きます。
天気はよさそうです。
気温は2℃くらいでした。



しばらく登ると分岐があります。
黒百合平の方向に向かいます。
帰りは高見石からここに降りてきます。



登山道にはうっすらと新雪が積もっていました。
その下はアイスバーンになっています。
滑らないよう慎重に歩きました。



しばらくはシラビソの樹林帯を歩きます。
雪を踏む音以外物音がしません。
静かな歩きができます。



再び標識がでてきました。
黒百合平を目指します。
しばらくはキツイ上りが続きます。
もう少し登れば平らになるハズです。



このあたりには雪がたくさんありました。
恐らく1~2mは積もっていると思います。
雪がないと石がゴロゴロしていて歩きにくい登山道です。
雪のお陰で舗装された道を歩いているようでした。
気温は少しずつ下がってきますが、それほど寒さは
感じませんでした。


◎付 録
しばらく雪景色が続きますので、その合間に今咲いている花を
紹介します。
ここで温まってください。

シジミバナ

ユキヤナギに似ていますが、花が八重です。
シジミに似ているのでこの名があります。
公園などでみかけることもあります。
ほのかな香りがある花です。



モミジイチゴ

葉っぱがモミジの葉に似ています。
白い花が下を向いて咲きます。
茎には鋭いトゲがあります。
黄色い実は甘くて美味しいです。
これから山でたくさん会えます。


ウスラウメ

桜梅と書いてウスラウメと読みます。
花が桜と梅の中間のようです。
赤い実は美味しく食べられます。



チョウジザクラ

小さな桜です。
花は必ず2個つきます。
姿が丁の字に似ているのでこの名前がついています。

ソメイヨシノはだいぶ前に開花宣言がありましたが、
その後の寒さで足踏みしているようです。
暖かくなればあっという間に満開なると思います。
今週末がよさそうです。


筑波宇宙センター(その3)

2009-04-01 | 日常の出来事

次に訪れたのが「宇宙ステーション試験棟」です。
この部屋はクリーンルームになっています。
クリーンルームとは空気中の塵や埃をフィルターで取り除いた
部屋です。
半導体製造やバイオ技術などにも欠かせない設備です。
随分、この仕事にも携わってきました。



ここは2階の窓からの見学です。
部屋の中に数人の人が働いています。
クリーンルームに入るには無塵服を着て入らなければなりません。
ナイロンでできた布でできています。
見えているものは「宇宙ステーション補給機(HTV)」です。
宇宙ステーションで必要なものをこれに入れて運び、帰りには不要に
なったものを入れて大気圏突入時に放出し、焼却するそうです。
これから打ち上げるようです。



宇宙服も展示してありました。
宇宙船の中は空気があるので、普段着で生活できます。
しかし、宇宙船の外は空気もなく宇宙の放射線が飛んでいる厳しい環境です。
この服をきなければ外にでることができません。
背中には生命維持装置がついていて、最高で8時間作業ができます。
地上では100kg以上の重量があるそうです。



服の胸元にいろんな計器がついています。
よくみると文字が反転しています。
宇宙服を着ると首を曲げて胸元をみることができません。
手首に鏡がついていてそれで見るそうです。
いろいろ工夫されているようでした。



ここは宇宙飛行士の訓練施設です。
イスがみえますが、いろんな回転ができます。
宇宙に出ると必ず「宇宙酔い」というのがあるそうです。
それをここで体験し、少しでも慣れる設備です。



すぐ隣にこんな設備がありました。
「閉鎖環境適応設備」と書いてあります。
宇宙船を模擬した閉鎖隔離環境での心理状態や協調性を
みる設備だそうです。
今回新しく2人の宇宙飛行士候補が選ばれました。
2人ともこの中で1週間隔離生活をしたそうです。
今後の活躍に期待したいですね。



筑波宇宙センターをでて、大洗の魚市場に行きました。
ここにはたくさんの魚がありました。
このサンマの干物は8匹で¥300でした。
ホッケの干物も3枚で¥500です。
生の魚は氷と一緒に箱の入れてくれます。
たくさん買っている人もいました。



たくさんの店が並んでいます。
平日だったので買い物客は少なかったです。
観光バスが着いた時だけ、賑わっていました。



すぐ目の前が漁港です。
漁船が数隻停泊しています。
今はカレーなどの底ものが多いようです。
「2級小型船舶操縦免許証」を持っていますが、なかなか
使う機会がありません。
モーターボートで疾走するのも気持ちよいものです。



港の反対側です。
すぐ近くにみえる船は集魚灯がありますから、イカ釣り船のようです。
何度か船に乗ってイカ釣りにでたことがあります。
小さな船だったので、1本釣りでした。

遠くに水族館がみえます。
今回は時間がなかったので、寄りませんでした。
宇宙に夢を馳せ、魚のお土産も仕入れることができました。
楽しい「視察研修会」でした。



◎付 録

ポトマック桜

住んでいる近くに「ポトマック桜」というのがあります。
1本だけですが、ソメイヨシノより早く咲きます。
今年は寒さが続いていてなかなか咲きませんでした。
2日前に行ってみたら、やっと咲き出していました。



アメリカ合衆国の首都ワシントンDCのポトマック河畔に
日本から送られたサクラがあります。
今では観光名所になっていて花の季節にはたくさんの人が
訪れるようです。



この桜はポトマックから里帰りしたものです。
1本だけですが、たくさんの花を咲かせます。
ソメイヨシノよりも花が大きく、ぼってりしています。



蕾と咲き始めは淡いピンク色をしています。
花が開くと白くなります。
まだまだ蕾が多いので、これから次々に咲くと思います。
遠くから見にきている人もいるようでした。
ソメイヨシノはまだ3分咲きくらいです。
今朝も冷たい雨になっていますので、なかなか開かないようです。
今年の桜は咲くタイミングが難しいようです。

次回から「北八ヶ岳シリーズ」を連載します。