◆前号のブログ記事で、「中国社会主義核心価値観」12のうち、次の四つが未記入でした。「敬業」「誠信」「友善」「公正」。
2018年10月の「第十九大会」において、「国家主席」の在籍任期を2期10年までとするという規定を撤廃し、2022年以降の習近平氏の長期政権が実現可能となったことに関しては、国外からも驚きの声が上がった。このような状況に関して、中国国内でもさまざまな声があったと報道されていた。。(「朝日新聞記事8月上旬—「習氏崇拝 批判が続出 党宣伝部、直接的な礼賛抑制か」 ) 日本のインターネット報道には、「中国のインターネット記事で、若い女性が車のバックを誘導させる写真。これは、習近平氏が10年間までの任期制度を撤廃し、中国の民主をバック(後退)させたことに対する批判」と報道された記事(2018年4月24日)などもあった。
2018年4月7日に中国の上海でおこった出来事についての日本のインターネット記事(7月中旬)。この記事の見出しは「習氏看板に墨をかけた女性が消えた—中国の湖南省出身で上海に住む董瑶璋さん29才」となっていた。「7日の午前6時頃、董さんは習近平国家主席を支持しないという内容や習近平ポスターに墨をかけるパフォーマンスの動画を発信。当日の午後2時28分、制服を着た男たち数人が家を訪ねて来たと、ドアの覗き口越しに映る公安関係者らしい男たち写真付きで董さんがツィート発信。その後、拘束されたか。」という内容だった。
2018年8上旬、日本の朝日新聞には、「精神病院に送られた娘を返して—父の訴え」という記事が掲載されていた。「習氏看板に墨をかけた女性—父、"娘返して"—理由なく精神科病院に―父が声明文を出す」という内容だった。董瑶璋さんは、湖南省の精神科病院送りとなっていたようだった。日本でも公共物に墨をかけて汚す行為は「公共物損壊」にあたるとして拘束に値する行為となるが、その後董さん父・娘はどうなっているのだろうか心配でもある。
2018年12月18日付の日本のインターネット記事。書いた人の名前は「志葉玲」。名前からして中国人のようにも思えるが、日本人かもしれない。「中国当局、100万人を強制収容所に―新疆ウイグル自治区での"民族抹殺"、生還者らが告発」という見出しの記事。それによると、「先月、人権団体・アムネスティ インターナショナル日本の招きで来日したオムルベク・アリさん<強制収容所から生還>らと集会を開催」とあった。
米中貿易戦争が始まり、政治的にも経済的にも対立を深める米中関係の中、欧米からの「ウイグル人収容」に関する国際的人権問題への批判が高まってきている。このような国際的な批判の高まりを受けて、中国外交部は、これまでは このような収容施設の存在を否定していたが、「これは職業訓練の施設であり、中国語の学習やさまざまな職業訓練をしている施設だと」し、「海外で報道されているような収容所の実態は間違ってる」と反論している。
2018年7月10日ごろ、「ノーベル平和賞受賞・民主活動家の妻である劉霞さん」が 2012年以降の6年間にわたる自宅軟禁を解かれ、ヨーロッパのフィンランドへと出国した。亡くなった夫の命日にあたる7月13日、ドイツのベルリンで追悼式典に参加をする。フィランドの空港に到着した劉さんは、長年の軟禁状況から解放されたのを確信し、「弾けるような喜びの笑顔」を見せていた。
◆中国の司法(法治)、確かに治安的な状況はとてもよくなったとは思う。しかし、「思想信条・表現」の権利や自由は、こと政治体制にかかわる「民主」に関しては、なきに等しいかと思う。中国のほとんどの庶民は、「触らぬ神に祟り(たたり)なし」の言葉のように、政治的なことには口をつぐむ。「民主?そんなことに首をつっこむ者が愚か者なのだ」という感じかと思われる。今の中国社会で生きるための賢明な選択なのかもしれない。それぐらい このことは徹底して「敏感」な問題だ。
ブログ上ではあるが、さまざまな 中国での生活のことを発信をしている私は、中国で暮らすかぎり、まるで、「地雷発見装置をもちながらも、地雷原を歩いているような」、そんな毎日を暮らしている。正直、怖い。昨年2017年の11月のある早朝5時半、まだ外は暗闇。突然に8階にある私の部屋のドアを激しく叩き そして叫ぶ声がした。恐る恐るドアを開いた。幸いにドアを激しく叩いてきた男は、勘違いをして私の部屋に抗議に来たのだったことがわかって帰って行った。ドアを開ける前、私の頭にまず浮かんび広がる不安は、「とうとう〇〇が来たのか‥‥」ということだった。
◆以上でこのシリーズ記事を終わります。