彦四郎の中国生活

中国滞在記

冬の季節が始まった「亜熱帯地方」の中国・福州❷—福州7℃、北京-10℃、ハルビン-20℃

2018-12-10 10:11:12 | 滞在記

 12月になり初冬となった大学構内の教学楼の建物群。私が担当する教科の授業はこのあたりの3階の教室で行うことが多い。たまに天気のいい日には、校舎下の水面に建物が映る。教学楼群の廊下や小さなホールみたいなところに、机がたくさん置かれている。学生たちが自習スペースとして利用している。窓近くの良い席などには、「ここは私がいつも利用する席です」とばかり、段ボールに本を入れっぱなしにしておいてたり、ただ単に教科書や本、文房具など、なんらかの物をおいて占有している机も多い。このような行動は、日本人は恥ずかしくてあまりしないが‥。やったもん勝ちの社会でもある。大切な教科書や本がなくなったら困るなどの心配は あまりしないのが中国の学生たちだ。「教科書は大切なもの」という意識は日本人に比べてとても低いようだ。

 冬に入ったにもかかわらず、バナナが新たに実り始めている。寒い冬時期には実は大きく育たず、春先の2月に入ると再び実が成長し始め、4月ころには食べられるようになる。バナナの樹木が生い繁っている近くに、デェイゴの新しい芽が伸びて、もう花を咲かせていた。冬を感じさせる白い椿の種類の花が満開になっていた。夏の花・デェイゴと冬の花・椿が同じ場所に同時に咲いて、秋の銀杏(イチョウ)の黄色も見えているので、日本のような「四季感」は混乱する。

 曇天や小雨の多くなった12月上旬、「丹花」という名の赤い花が今もなお咲いている。

 大学に出勤する際、「アパート近くのバス停からバスに乗り、大学にほど近いバス停で下車、オートバイ・タクシーに乗って大学の研究室がある場所までいく」ことが多い。けっこう激しい氷雨(ひさめ)が降っていた11月下旬のある朝、この日はオートバイを利用せずバスを乗り継ぎ大学に向かおうと思っていた。ところが、バス停を下りた瞬間に なじみのバイク運転手が「乗れ!」とバイクを寄せて来た。

 氷雨の中をバイクで走ること15分間、途中 横を走る車がはねる 水溜りの水をたくさんズボンに浴びた。体も芯から冷え切る。この日から、風邪が悪化し、2週間あまりかかってようやく、昨日(12月9日)に回復してきた。2週間あまり、ほぼ毎日、熱をもった足の膝(ひざ)や太腿周辺にサロンパスを貼り続けていたので、このあたりはサロンパスの貼りすぎにより、赤く炎症を起こしている。この時期、毎年のことだ。

 11月下旬の5日間ほど、それまでの低い気温の日々が一転して、連日30度近い真夏日のような日が続いた。大学からアパートに戻るために夕方、バスに乗る。とても暑い一日だったので、バスの窓を開け放つ。次のバス停で乗り込んできた中年男性が、私の前の席に座った。

 この男が、しばらくしてから、窓の外に「ゲェー‥‥」と喉を鳴らせながら、「ペッ!ペッ!ペッ!」と痰や唾をしきりに吐き出し始めた。走行中に吐き出すので、後ろに座っている私の顔や体や頭にその唾や痰が風に飛ばされて飛んでくる。不愉快不潔、極まりない。これが、10回ばかり繰り返されて、2〜3度は私にかかる。我慢ができず、席を立った。えてして、「恥の感覚」「他人への迷惑をかけない感覚」といものを持ち合わせていない人が、けっこう多いのを日々感じる中国生活かな‥。

 寒くなり始めたので、ストーブを11月20日ころから準備した。12月に入り、最低気温が10度を下回って7度・8度・9度となる日もある。アパートの室内は底冷えもする。今 あるストーブは2台。一台は机の足元に置く小さな電気ストーブ。そして大きいストーブが一台。この大きい方は、ぜんぜん暖かくならないしろものだ。このストーブの上に洗濯物を置くと、乾きは早くなる。それだけ熱くならず、触っても火傷をしない。しんしんと冷える夜のアパート、この小さな電気ストーブと毛布と日本から持ってきた「ホカホカカイロ」だけが頼りの防寒対策となる。ちなみに、室内全体が暖まる灯油ストーブは、ここ亜熱帯の福州では販売されていない。

 中国のテレビ報道を見ていると、12月上旬に入り、北京の最低気温マイナス10度、中国東北部・黒竜江省哈爾濱(ハルピン)はマイナス20度となっているようだ。万里長城も降雪し、ハルビンの川面は厚い氷が張り始めている。昨日9日、日本の京都市内でも初雪がちらついたとの報道が。

 中国でパソコンを使っていると、さまざまなインターネットが勝手にパソコンの画面に入り込んでくる。その数は膨大だ。いろいろな映像も入って来る。2013年に中国に赴任して、それらを眺め続けてきた。この5年間で、中国のインターネットで配信されてくる「イラストや写真」などが大きく変化してきている。一言で言えば、「センス良く上手になってきている。それも中国人の感覚で。」

 中国人が、「伝統的なものの良さに気付き始め、旅行先として伝統的地域を訪れ始めた」のは2010年頃からだ。それ以降、建物だけでなく衣服面でも伝統的なセンスをいれたものが見直されはじめてきている。これが、絵画やイラスト、写真などにも出てきている。陶器などもそうだ。中国の食堂などに入ると、あの無機質な金属の容器に料理を出されることが多かったが、最近では、陶器的な材質の物を使用しているものを出されることも多くなってきた。大学の食堂でも最近、金属のものからセラミックの陶器的な材質に替えられた。

 中国の生活感は、「おしゃれな物へ・おしゃれなところへ・清潔なところへ・シンプルなところへ」という流れに、伝統の良さへの回帰とともに 確実に変化が広がり始めてきている。

 


短い秋が過ぎ、冬の季節が始まった「亜熱帯地方」の中国・福州❶—わずかに紅葉、ブーゲンビリア

2018-12-10 05:57:47 | 滞在記

 12月に入り、朝夕だけでなく、日中もかなり低温となり(最高気温13度〜18度くらい)、冬の季節が到来した中国・福州。ほとんどが亜熱帯地方・常緑樹が占めている大学構内の樹林の中で、一部だけ少し紅葉をする場所がある。大学正門(南門)近くの針葉樹林が、12月に入ってようやく少し色が変わり始めてきた。ここは、あと1カ月後の1月中旬になると ほぼ全体が紅葉する。

 大学構内には白っぽい樹皮の「ユーカリ」の高い樹木も多いが、これは常緑樹。うっそうと樹木が繁る構内の場所は、朝もやが漂う。11月10日ころから短い秋の期間が始まるが、落葉する樹木の多くは、ちょっとだけ紅葉し、紅葉が中途半端なまま落葉するものが多い。

 12月になり、寒々とした日々も多くなったが、11月下旬の5日間は、日中は30度となる「真夏日」ともなり、歩いていて汗が出て来る日々もあった。日中と夜の寒暖差は10度をこえる5日間だった。

 亜熱帯地方の花・ブーゲンビリアは1年を通じて花を咲かせている期間が長い花だ。大学構内の水辺に今も咲き誇っていて、晴れた日にはきれいに水辺に映る。

 ブーゲンビリアの花の色は、ピンク色がほとんどだが、赤やオレンジの色もある。11月中旬ころからプラタナスの樹木が紅葉を始めた。亜熱帯地方の紅葉は、最低気温が10度に下がる前に落葉してしまうので、このプラタナスも中途半端な段階(紅葉度50%というところ)で落葉してしまうので、美しい紅葉というものを福州市内でも大学構内でも見ることは まれだ。