彦四郎の中国生活

中国滞在記

コロナ防疫: ❺少しずつだが進み始めた日本のワクチン接種、私は接種をどうしよう?—五輪のゆくえ

2021-05-01 19:00:56 | 滞在記

 日本では4月12日から一般者向けとしてまず、65歳以上の高齢者に対するコロナワクチンの接種が、世界の接種状況からは周回以上の遅れだがようやく始まった。私の自宅にも、4月20日頃に市役所から「新型コロナウイルスワクチン接種券在中」と記された封筒が郵送されてきた。封筒を開けると接種券の他に、簡単な接種に至る内容が書かれたものが同封されていた。具体的に、いつ・どこで接種を受けられるのかは何も書かれていなかった。ただ、「接種を受ける際にはこの接種券を提示してください」「問い合わせは下記の電話番号に」と書かれているだけだった。

 4月23日付朝日新聞には、「ワクチン予約殺到 混乱」の見出し記事が。その後の4月25日頃、市の広報誌(全戸配布)がポストに入っていて、それにはかなり具体的に"いつ・どこで"の接種に関する情報が記されていた。その広報誌の内容によると、集団接種会場の場所と日付(期間)が記され、期間は5月22日から開始。個人接種の場合の医院名と日付(期間)が記され、期間は5月24日から開始。第1回目の接種は5月22日~6月6日までの期間、第2回目の接種は6月12日~6月27日までの期間となっていた。6月末までに65歳以上の接種希望者全員に接種完了の計画だ。

 私の場合は、基礎疾患があり、さらに造影剤(カテーテル)に対するアレルギー反応があるので、接種をどうするかかなり悩むところだ。カテーテルアレルギーがなければ、基礎疾患があっても接種したいところなのだが‥。40代の頃、2万人に1人といわれるこのアレルギー反応で、病院内の手術・検査室で全身に蕁麻疹(じんましん)を発症し呼吸困難となり、検査手術は途中で中断、死に目に遭ったことがあったからだ‥。

 だが、おそらくこの8月中旬には中国に戻ってほしいという要請が勤務先の中国の大学からある可能性が大きいので、不安はとても大きいが、ワクチン接種をする必要にも迫られている。ワクチン接種がなければ、おそらく中国渡航は認められない可能性が大きいからだ。ここ1~2週間で、接種についての判断をしなければならなくなっている。

 上記写真の地図やグラフは、世界の国・地域別のコロナウイルスワクチン接種状況など。この2021年4月27日現在の状況グラフなどによれば、次のようなデーターとなる。

 🔴写真左から2番目—ワクチン接種回数

 1位アメリカ2億3000万回、2位中国2億3000万回、3位インド1億4000万回、4位イギリス4600万回、5位ブラジル・6位ドイツ‥‥‥。日本は300万回、韓国は250万回となっている。

 🔴写真左から3番目—100人あたりの接種率(%)

 1位イスラエル120、2位USA(アラブ首長国連邦)103、3位チリ73、4位アメリカ69、5位イギリス68、‥‥‥14位中国16、‥‥16位ロシア12、17位インド10、‥‥‥。韓国は5、日本は2.3となっている。

     🔴写真左から4番目—ワクチン接種が完了(2回接種)した人数

 1位アメリカ9500万人、2位インド2200万人、3位イギリス1200万人、4位ブラジル1100万人、‥‥。日本は92万人(医療関係者)、韓国は12万人となっている。

 🔴写真左から5・6番目—国家・地域別新型コロナウイルス感染症回復力ランキング(感染状況・政府の対策・ワクチン接種状況・医療体制・経済回復力などを総合的に評価したもの。2020年12月 2021年1月 2021年2月の3つの時期の上位ランキングが示されている。)

     最も最近の2021年2月ランキングでは、1位ニュージーランド、2位オーストラリア、3位シンガポール、4位フィンランド、5位ノルウェー、6位中国、7位台湾、8位韓国、9位日本、10位タイ、11位デンマーク、12位カナダ となっていた。日本は今回の第4波の大波で、現在ではランキングがかなり下がってきているのではないかと推定される。

 1週間ほど前の4月25日(日)、広島・北海道・長野で衆議院・参議院の補欠選挙・出直し選挙などが行われた。翌日26日付朝日新聞には、「衆参選挙 自民が全敗」の見出し記事。大阪の感染急拡大と医療崩壊による「搬送先決まらない 迫る死—119番から1日半"重症化" 病床足らず救急車撤収」の見出し記事。

 衆参全敗のショックもあってか、自民菅政権もようやくコロナワクチン確保や早期接種体制に向けて、本気度をもちはじめた感もこの1週間は感じる。お尻に火がついてようやくではあるが‥。現在、日本が米英の製薬会社と契約を結んでいるワクチン供給量は、①米国・ファイザー社と1億4400万回分、②米国・モデルナ社と5000万回分、③英国・アストラゼネカ社と1億2000万回分。①については、4月17日に管首相は電話会談でCEOに更に5000万回分の追加を要請している。

 今週に入り、政府は「7月末を念頭に高齢者向けのワクチン接種を終える」と方針を打ち出した。4月28日、衆院内閣委員会で、日本共産党の塩川議員がその方針の根拠を質問したが、河野大臣は「自治体のワクチン接種を最大限支援し、できれば7月末までに高齢者接種を終えたいということだ」として、詳しい言及は避けた。

 しかし、その後の29日・30日となり、7月末までの接種を完了するための具体的な方策も菅首相自ら発表し始めてきている。約3600万人の高齢者に、7月末までに2回の接種をするには1日80万回の接種回数が必要となる。このため、一般の医院などでの接種など、医師の接種協力を首相自ら強く要請し始めた。

 具体的には、一般医師の協力を得るため、医師の接種対価は1回あたり2070円を支払うことや、時間外の場合の対価は1回あたり2800円の支払いとすること。休日の場合の接種対価は1回あたり4200円とすることなど、国の支援のもと、接種を急速に進めるための具体的な方針を出し始めてきている。また、接種が最も遅くなる可能性の高い東京と大阪の二大都市で、大規模接種会場を設けることの方針も打ち出した。

 京都大学の山中伸弥教授は、日本の大学医学部学生や医療看護学部の学生たちの接種会場での協力体制づくりなどを政府に具申した。与党・公明党は日本国産のコロナワクチン開発を急ぐことを政府に党として要請をした。国産ワクチンは、政府と一体となった開発・治験は大きく出遅れている。ようやく政府も開発生産の重要性を認識し始めたという感がある。現在、日本では三共製薬など4つの製薬会社や組織(東京大学などと共同開発)が、ワクチンを開発中だが‥。(※なぜか国内最大製薬会社の武田薬品は開発にあたっていない?)  この国内生産ワクチンの完成に関して、30日、河野大臣はテレビに出演している中で、「国産ワクチンはいつ完成?」の質問に、「早ければ12月中か来年の1・2月ころ」との希望的観測を述べていた。

 7月23日予定の東京五輪の開会式まで、あと2カ月半に迫って来た。コロナ感染の世界的状況や日本国内での第4波感染拡大状況、コロナワクチンの接種状況などを考えると、五輪の再延期(2022年7月開催)の決定が最も望まれる。近々来日するIOCバッハ会長も日本政府、東京都もこの再延期が可能ならば、決断してほしいと多くの日本国民だけでなく、世界の各国の世論もそのような状況になってきている。(2022年2月に中国が、北京冬季五輪の開会に際して、「人類がコロナに打ち勝った証の大会」と宣言させるのは複雑な思いを全世界の人々は強く思うだろうが‥。)

     そんな中、3月25日に福島から始まった五輪聖火リレーは連日、粛々と続けられている。都道府県によっては沿道開催を中止し、競技場などで一般観客なしの聖火セレモニーが行われているところもある。大阪府では万博公園の競技場で200人が1人200mずつを走りリレーをした。片岡愛之助さん、ハイヒール・リンゴさん、桂三枝さん、森脇健児さんなどの著名人らも聖火ランナーとして参加。

 愛媛県でも感染拡大のため沿道聖火を中止し、松山市内の競技場で聖火ランナーを集めてのセレモニーだけを実施した。中村愛媛県知事は、「ぎりぎりまで悩んだが‥」とし、聖火ランナーに走る機会を与えられなかったことに涙ながらに詫びる一幕もあった。松山市の出身で、聖火ランナーの一人だった女子マラソンの土佐礼子さんは、「知事が一番残念な気持ちなんじゃないか。本当に責任感が強い知事なので、(知事の判断を自分は)受け止めている」と話した。

   聖火リレーは近畿地方の大阪から四国に、そして九州の大分、宮崎を経て、鹿児島へ。大分では指原莉乃さんらも走っていた。

 そして鹿児島で聖火リレーは続いている。28日午後には聖火ランナーとして女優の上白石萌歌さんも走った。地元の人たちが見守る中、この日の最終ランナーはタレントの恵俊彰さん。この日の28日、恵さんがMCを務めるTBSの情報番組「ひるおび!」に出演。同日午後夜に故郷の鹿児島県で聖火リレーに参加するため、午後の番組を欠席することについて次のように自ら説明した。「緊急事態宣言ということもありまして、本当に悩んだ」と葛藤があったことを明かしつつ、「悩めば悩むほど、頭に浮かぶのは(隔週レギュラーを務める柔道の)野村(忠宏)さんからのメールとか、今まで取材してきた選手の皆さんの顔なんです」と関係者の影響があったことを告白した。

 その上で、「是が非でもオリンピックはやるべきだとは思っておりませんが、いちるの望みがあるならやってほしい」と率直な思いを吐露(とろ)。「それを考えたら『やっぱり自分はやれることをやってみようかな』というふうに決断しました」と語り、鹿児島に向かった。聖火リレーは明日2日から沖縄に入るが、沖縄は感染拡大のため沿道での聖火リレーは中止となった。

 2月のころに、有名・著名人たちの少なくない人たちが単なる「スケジュールの都合が合わず」との理由で、一方的に各都道府県の自治体に対して辞退を申し入れた。この人たちの軽々しい辞退には「日本人としての矜持(きょうじ)の無さ」に私は呆れたが、彼らはこの恵さんの言葉を聞いてどう思うだろうか。

 今年7月の東京五輪の開催に、多くの国民が大きな不安を抱いている現実の中、聖火リレーの継続も虚しさやさみしさも感じたりもするが、恵さんの言うように、聖火リレーにランナーとして参加して走ってくれることは、また、複雑な思いではあるが、日本人を励ますことにはなっている。たとえ、今年の東京五輪が中止と決まったとしても‥。ありがとう、聖火ランナーたちよだ‥。

(※5月下旬に鳥取県内を走る予定だった地元出身のイモトアヤコさんは、自らの辞退ではなく、鳥取県自治体からの辞退要請があったため、やむなく辞退となった。感染拡大がとても少ないにも関わらず、平井鳥取県知事は沿道での聖火リレー中止を発表した。この知事は、コロナ対策では高い評価を得ている人だが、なにかわけのわからない疑問の残る人だ。鳥取県の4月30日の新規感染者は1人。)

 

 

 


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