彦四郎の中国生活

中国滞在記

コロナ防疫:日本の失敗の本質はどこにあるのか❹—日本国民の全接種完了は来春の4・5月との予想が

2021-05-01 11:14:29 | 滞在記

 最近の『週刊朝日』(4月30日号)の「日本のワクチン敗戦—接種率世界60位の衝撃(70の国のうちのデータが語るワクチン敗戦)」の見出し記事、4月中旬発行の『週刊プレーボーイ』の「ワクチン敗戦から立ち上がれ!」の見出し記事。

 国際ジャーナリストの高橋浩裕氏の4月20日付Yahooに掲載された「日本、コロナワクチン接種率OECD37カ国で最下位、世界では131位」の見出し記事によると、「先進国の集まりである経済協力開発機構(OECD)加盟国37位でダントツの最下位に陥っている。世界182カ国中でも131位にとどまっている。世界と比べても、日本のワクチン接種率の少なさが際立っている」とのこと。また、「日本のPCR検査数はOECD加盟国37カ国中、36位」と報告されていた。(記事によると、日本の人口100人あたりの接種回数は1.53回で、世界平均の11.61回より一桁も大幅に下回っている。国軍によるクーデター弾圧が続いて国内が大混乱に陥っているミャンマーの1.91回より少ない。)

※上記新聞記事は、5月9日日付の新聞赤旗日曜版に掲載されている「PCR検査の抑制が日本"独自"の失敗—偏った説明によって政策がゆがめられた、厚労省"医療崩壊招く"と内部文書」の見出し記事。この記事は日本で初めてヒトES細胞(胚性幹細胞) をつくった京都大学名誉教授の中村憲夫氏の執筆。

 そんなコロナワクチン敗戦状況の中、この4月15日~18日に菅首相は訪米し、米国バイデン大統領と会談した。訪米期間中の、米製薬会社のファイザー社CEOのプーラ氏と10分間ほどの電話会談をし「日本の全ての対象者に9月までに確実にワクチンがいきわたるよう、ワクチンの追加供給を要請」した。当初はプーラ氏との直接会談を要請したのだが、たった10分ほどの電話会談となった。ファイザー社とは年内に約1億4400万回分の供給を受ける契約をすでに結んでいて、供給スケジュールの前倒しに加えて供給量の追加も求めた形となった。

 そして、その電話会談を受けて、河野コロナ担当相は翌日のフジテレビの番組で「総理とCEOの間で実質的に合意がなされた」と述べ、9月末までに16歳以上の全対象者に必要なワクチンを供給できるという見通しを示したのだが‥。その河野氏の発言はかなり希望的観測に過ぎない眉唾(まゆつば)発言に近かったことが明らかになることに‥。(※この河野太郎氏も軽い、いいかっこしいが目立つ人物だ、残念ながら‥)

 4月22日付の『日刊ゲンダイ』には、「ワクチン9月調達 大ウソだった—検査なし 病床なし ワクチンなし」「緊急事態とはこんな政権が続くこと―真綿で首を絞められていく国民生活と経済の行く末」「菅政権 メド立った?ワクチン供給 9月まで実質合意 大ウソだった」との見出し記事。実はファイザーCEOとの電話会談の正確な内容は、合意でも確約でもなく、契約書や合意書もまったく交わしていないことはもちろん、単に日本側の要望を伝えただけのものだったことが判明。ファイザー社側は「検討してみます」との回答のみ。週刊ゲンダイがファイザー社日本法人に問い合わせると、「日本側の要望については、追加供給の要望も含めて、対応協議を継続中」との回答。

 4月20日の参議院厚労委員会で、立憲民主党の石橋議員からワクチン供給について問われた田村厚労相は、「合意書を交わしているわけではない」と答弁した。石橋議員が、「口約束すらない。メドが立ったと政府が勝手に言っているだけになる。国民に対するごまかしではないか」とさらに説明を求めたが、田村大臣は「詳しい内容については、協議中の話なので、ここで申し上げるわけにはいかない」と答弁。

 4月24日(土)のABC報道番組「正義のミカタ」では、下村博文自民党政調会長の「全員が接種を終了するのは来春春ぐらいまでかかるかもしれない」との見通し発言が紹介されていた。もうこのようなことが明らかになってくると、いいとこ気取りの河野氏などの見解や発言は国民は信用できなくもなってくる。

 2021年3月13日、アメリカ・インド・日本・オーストラリア(米印日豪)4か国首脳によるクアッド(4か国安全保障対話)がオンラインで開催された。中国に対するインド・太平洋地域での共同対抗措置の協議とともに、新型コロナ感染拡大抑止の、特にワクチン供給問題が検討された。そして、声明では、2022年末までにASEAN諸国などに約10億回分のワクチン供給を目指すことが発表された。日本とアメリカの資金力、オーストラリアと日本の輸送力、インドのワクチン製造能力、アメリカのワクチン技術力を結合させる試みの宣言だった。インドは現在、世界最大のワクチン製造能力をもつ国だ。

 そのインドがこの3月下旬から現在にかけて、変異種や二重変異種の爆発的感染拡大で大変な状況になってきている。4月下旬からはさらに感染者が増え、1日37万人の新規感染者数。医療崩壊のため病院に入れず、次々と人々が酸素を求めて懇願する状況などが報道されている。世界の現在の1日の新規感染者数70万人超の約半数超にのぼる。

 中国のインターネット記事には、インドに留学中の中国人女性の状況コメントなども掲載されていた。

 このようなインドの状況下、中国政府はこのクアッドに楔(くさび) をうつことも狙って、インドへのワクチン供与の用意ありと言及し始めている。ファイザー社など、世界各国のワクチンもこのインドの状況を座視できないだろう。このため、日本への供給契約を結んでいるファイザー(米)、モデルナ(米)、アストラゼネカ(英)などの製薬会社からの日本への供給を早めることは難しくなるかもしれないという状況だ。

 ※上記写真 世界の現在(4月27日)の1日の新規感染状況。これを見ると、北米・南米、インド、中東、ヨーロッパ、ロシアなどの感染状況の深刻さがわかる。

 以下、世界各国の①感染のピーク時期と1日の感染者数、②2021年4月27日の1日の新規感染者数

〇アメリカ—①12月~1月・25万人、②4万2500人 〇ロシア—①12月~1月・2万6000人、②8600人

〇ブラジル—①3月・8万人、②2万8000人 〇インド—①9月~10月・1万人、②35万人

〇イギリス—①2月・6万人、②2000人  〇フランス—①11月・6万人、②6000人

〇スペイン—①2月・4万人、②2万人  〇ドイツ—①1月・2万人、②6000人

〇オランダ—②6000人  〇イラン―②2万人  〇トルコ—②3万7000人 

※以下南米〇コロンビア—②1万3000人  〇アルゼンチン—1万8000人 〇チリ—②6000人 

 〇ペルー②1万人 〇その他の国々‥(アジアでは日本、フィリピン、インドネシア、マレーシアなども多い)

 世界の感染者総数1億4800万人、死者311万人 4月27日の1日の新規感染者数約74万人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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