彦四郎の中国生活

中国滞在記

三年ぶりに参加、福建省福州市日本企業会総会・親睦会―中国国内における日本企業の最近の動向

2023-05-06 09:55:48 | 滞在記

 この4月22日(土)の午後6時から「福建省福州市日本企業会総会・親睦会」が開催されたので、私はおよそ3年ぶりにこの「総会・親睦会」に参加することになった。午後5時過ぎに会場のホテル近くある「温泉公園」に着き、しばらく公園内を散策した。この公園も3年ぶりだ。土曜日の夕方でもあったので、親子づれでにぎやかだった。もう睡蓮の花が開花しているのには驚いた。

 この公園の小さな島のようなところが私は好きだ。椰子(ヤシ)の木の並木が島を囲むように続く。真紅のブーゲンビリア、薄いピンクや白やオレンジなどのブーゲンビリアが咲いている。

 公園に面した「世紀金源大酒店(ホテル)」の会場に午後5時50分頃に着いた。

 約2時間ほどの総会兼懇親会。会費は200元(約3500円)。この日は100人余りが参加していた。私は久しぶりの参加なのだが、親しくもしていた数名の日本人駐在員たちは、すでに任期を終えて日本に帰国していた。福建省の省都・福州市には約50社ほどの日本企業がある。各企業ともに、日本から派遣されている駐在員は2〜3名で、平均的な駐在期間は3~4年間くらいかと思う。この福州市には推定150人余りの日本人が暮らしているようだ。このうちの少なくても半数以上は、昨年の最も厳しかった2022年度の「新型コロナ厳重警戒(ゼロコロナ政策)」を経験している人たちだろうかと思われる。)

 酒やビール、料理を食べながら歓談し、名刺とビールをもって、お互いに「初めまして」とか「お久しぶりです」とかの挨拶をそれぞれの参加者がこの懇談会では行っている。ここで、ちょっとした人脈ができると、「学生さんを紹介してもらえませんか」と、私に求人募集(就職)に関する連絡をくれる企業もある。これまでに、このような縁から7〜8名の学生が日本企業に就職している。

■福州日本企業会総会兼懇親会は、4月、9月、12月(忘年会)の3回開催される。昨年度は、新型コロナとゼロコロナ政策のため、開催が見送られた。(インターネットによる総会は開催されたが‥)

 日本の「帝国データーバンク」は、日本企業の「中国進出」動向調査(2022年7月)の結果を発表した。これらの結果を見ると、日本企業の中国ビジネスが大きな曲がり角を曲がりつつあることがわかる。2020年から始まった新型コロナウイルス感染拡大と、中国当局によるゼロコロナ政策推進によるロックダウン、とりわけ、2022年3月下旬から6月中旬までの都市封鎖(ロックダウン)政策などを受けて物資流通の寸断に直面。拠点を中国に集中させることのリスクが露呈し、日本政府も生産拠点の国内整備を後押しするなど、中国への"脱依存"に向けた新たな局面を迎えている。

 2010年の同調査開始以降、中国への進出企業は1万社を超えており、引き続き日本企業の対中進出意欲の高まりが2010年代には見られた。しかし、2020年の調査時点から940社減少したほか、過去の調査で最も進出社数が多かった2012年(1万4394社)からは、1000社超減少するなど、中国に進出する日本企業数は減少傾向が強まっている。

■2022年6月時点で、中国にある日本企業は1万2706社となっている。進出先地域ベスト10は、「①上海市6028社、②江蘇省1912社、③広東省1833社、④遼寧省1337社、⑤北京市1112社、⑥浙江省881社、⑦山東省764社、⑧天津市606社、⑨福建省298社、⑩湖北省183社」などとなっている。私が暮らす福建省では、廈門(アモイ)市に最も多くの100社余りの日本企業がある。業種別では、「製造業」が5125社と最も多く、「卸売り業」が4154社と次いで多く、「サービス業」の1722社がそれに次ぐ。

 2020年からの推移では、22年時点で拠点の閉鎖など「撤退」が2176社、「倒産・廃業」などが116社となり、累計2292社が中国から撤退した。一方、新たに拠点などを開設した「新規」は1352社となっている。

 「中国リスク」という言葉が日本国内で言われ始めて久しい。日本と中国との政治的関係の動向に、「中国に進出している日本企業がその動向に左右されることが多いのだが‥。欧米諸国もまた、特に上海市での長期にわたる都市封鎖を契機に「中国離れ」というものが大きくなりつつあるとも伝わる。

 2016年より本格化し始めた「米中貿易戦争」、さらに「ロシアによるウクライナ侵攻」や「台湾」問題などにより、米中の政治・軍事的緊張関係はより高まってきている。日本も米国と中国の間にあり、日中関係は難しい問題をはらみ続ける。2018年12月に『中国製造2025の衝撃』(遠藤誉著)が発刊された。これを読むと、半導体問題をはじめとした、中国と外国諸国との貿易・経済問題の、今起きていることの本質がかなり分かってもくる。中国は、自国の経済・貿易・製造、諸方面で、2025年までにより「自前強化」「推し進める」する大戦略をもっている。


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