彦四郎の中国生活

中国滞在記

1980年代・中国語版:映画『絶唱』の小さな冊子を見つける❶

2017-02-24 21:31:55 | 滞在記

 2月24日(金)、今日も朝から一日中寒さに震える。氷雨が降り続く。今日は、10時30分から始まる授業があるので、8時前にアパートを出る。大学方面行のバスに乗って途中のバス停で乗り換えのために降りる。けっこう激しい雨が降っているので、バイクタクシーはいないだろうと、バス停に降りたら、一台のバイクが停まっていた。「今日のこんな天気は、バイクはやばいやろ」と一瞬考えたが、体が自然とバイクに向かってしまった。

 案の定、まるで冷蔵庫の冷凍室に10分間以上入っていたような感じで、バイクに乗っていた。頭の先から足の先まで凍えて、靴の中にも水が入り靴下もびしょびしょになった。大学研究室の電気ストーブで急ぎ靴下を乾かし、授業に向かった。午後2時からの授業が4時前に終わり帰宅の途に就く。金曜日とあって、市内にくりだす学生たちで、バス内は自由に体を動かせないほどのすし詰め満員。

 2月19日(日)、午前中に気分転換に露店市に向かう。露店市の近くの公園に、たくさんの人が集まっているので何だろうと思い行ってみた。「犬・猫・ニワトリや鳩」などを売り買いする市がたっていた。父と一緒に猫を買う20代前半の若い女性の姿もあった。

 現在、中国の東南部(浙江省・福建省・広東省)は「鳥インフルエンザ」が流行している。李克強首相が感染予防の政府声明を出すほどの事態となっている。300人以上の感染が確認され、100人近くが死亡している。私も気をつけなければならない。

 露店市の ある古本露店で一冊の豆冊子を見つけた。1982年出版の 日本映画『絶唱』の冊子だった。値段は5元(約80円)。この冊子がなかなか面白い。

 この小冊子は全部で161ページ。小さな豆単英語のような冊子で、160の映画の場面の白黒写真と その場面の簡潔な説明がある。主演は三浦友和と山口百恵。私はこの『絶唱』という映画を今まで見たことがなかったのだが、映画のストーリーは この冊子を見たら ほぼわかった。

 映画の舞台は山陽地方の岡山県津山地方。因習と身分の違いから愛し合う二人が「結婚」を許されない。それに抗して 家を出て細々と一緒に暮らし始める二人。太平洋戦争での召集令状が順吉に来て南方の戦場に赴き二人が引き裂かれる。病気(肺病・結核)を患い死の床で愛する人の帰国を待ち続ける小雪。終戦となり、日本に帰国できた順吉が故郷に急ぎ戻ると 帰りを待ち続けた小雪が息を引き取る。死体の小雪に白無垢の花嫁衣裳を着せ、親族を集め結婚式をとりおこなう順吉。ようやく二人は夫婦となることができた。

 

 この映画は、1975年に日本で公開されたものだが、それから7年後の1982年に改革開放路線に舵をきった中国で公開された。今の中国人で40才後半以降の人々は この映画を熱烈な思いで 多くの人々が連日映画館に押し掛けたという。このため、このような小冊子も出版されたようだ。

 映画館に足を運べない地方の人は、この冊子をみんなで回し読みをしたのだろうか。しかし、この冊子を見たら強烈に映画そのものを見たくなる。 舟木一夫がこの映画の主題歌をうたっていたが、「-----なぜ死んだ、あ!あ!! 小雪」という歌詞とメロディは今も覚えている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


コメントを投稿