その多くが温帯気候帯に属する日本列島は、全国各地に紅葉が美しく、紅葉の名所も数限りなく多い。その中で、古都・京都の紅葉はまた、寺院や神社を背景とした紅葉の美しさに別段のものがあるのかと思う。京都盆地という地形のために底冷えが深く、朝夕の寒暖差のためか、紅葉の色が美しいとも言われている。
そんな京都にあって、「隠れた?紅葉の名所」の一つが京都大学の本部がある吉田キャンパスではないかと ずっと私は思っている。このキャンパスには、本部構内・北部構内・南構内・医学部構内など6つあまりの構内がある。特に紅葉が美しいのは北部構内と本部構内だ。学生時代に3年間ほど、吉田キャンパスにほど近い銀閣寺・哲学の道界隈に住んでいた。このあたり一帯は春と秋の紅葉の季節は特に美しい。
1週間に1度は娘が暮らす吉田山山麓の家に行き孫たちの世話のサポートに行っている。京阪電車の終点・出町柳駅から市内バスに乗り家に向かう途中、今出川通りに面する本部構内や北部構内をバスの中からいつも見る。11月に入りキャンパス内の紅葉が色づき始めているので、いちどゆっくりとキャンパス内を歩いてみたいと思い続けていた。もみじの紅葉の見ごろにはちょっと早いが、北部構内の銀杏(いちょう)が見ごろを迎えた11月14日(土)の午後、京都大学構内を散策してみることとなった。
出町柳駅から吉田キャンパスのある百万遍(東大路今出川)に歩いて向かう。途中、京都大学の迎賓館ともされる「清風荘」があるが、白い塀ごしに見える真っ赤なもみじの紅葉が美しい。「妈妈菜馆 六花」と看板の架かった中華料理店が通りに新しくできていた。「ゆ」と書かれた銭湯の暖簾(のれん)、「おむら家」の看板のレトロな喫茶・食堂。7〜8分で百万遍に着くと、本部構内の紅葉が見え始めた。
もみじの紅葉ならば11月下旬がちょうど見ごろなのだが、この日ぜひ見ておきたかったのが北部構内の銀杏並木だった。バスから遠めに見続けていても、もう見ごろを迎えているはずだった。北部構内に入ると銀杏並木が色づき やはり見事だった。北部構内には理学部と農学部がある。
北部構内のカエデやプラタナスや針葉樹林の紅葉。さまざまな樹木が混在している紅葉の美しさがここにはある。そして有形文化財に指定されている「旧農学部演習林事務室」などのいくつかの建築群。日本初のノーベル賞に輝いた湯川秀樹の胸像と湯川記念館の建物。構内の樹木はどの木も大きく高い。京都疎水そばにある運動場横には大銀杏の木が2本。
農学部正門の建物あたりには何本かのもみじの大木が紅葉し始めていた。
この正門近くには小さな植物園もある。ここ北部構内はゆっくり廻ると30分間ほど。さまざまな樹木の紅葉、とりわけ銀杏並木は素晴らしくて‥。
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