彦四郎の中国生活

中国滞在記

ちょっと怖ろしいことになって来た、日本の第六波—中国、北京五輪、一般観客なしの決定…

2022-01-20 06:16:03 | 滞在記

 中国の春節まであと10日、北京冬季オリンピックの開会まで、あと2週間あまりとなった中国。そして、世界のパンデミックの始まりとなった、あの2020年1月23日の武漢都市封鎖からほぼ2年を経過することとなった。

 コロナ感染拡大前の例年なら、春節(旧正月)への帰省の民族大移動が本格化するこの時期だが、昨年に続いて今年も新型コロナウイルスの感染再拡大が、昨年末から現在にかけて中国各地で起きていたり、北京五輪開催のための感染拡大への超厳重な対策のため、今年の春節の雲行きも大きな影を落とし続けている。昨年の春節時期における事実上の帰省不可能措置とは違って、今年の春節にともなう移動は可能だが、列車や飛行機に乗る際には直前のPCR検査が行われ、陰性でなければ乗車・搭乗はできないと報道されていた。車での移動でも、各所に検問があり、スマホ携帯に登録された48時間以内の陰性証明の提示が求められているだろう。

 中国のネット報道などを見ていると、「春節将至 国内多地疫情散発 能否回家過年?」(まさに春節がせまってきた。国内で新型コロナが散発している。春節の時期、故郷の家で過ごし、年越しをすることができるだろうか?)などの記事が多くみられている。陝西省の西安、河南省、そして北京に近い天津などで、「ゼロ・コロナ政策」をとる中国では、はかなりの感染拡大があったが、中国政府及び地方政府の超厳重・厳格な対策により、1月20日の今日時点までにかなり新規感染者を減少させてきた。ここ3~4日は150人程度の1日の新規感染者数だ。天津市などの感染は、オミクロン変異種感染の比率が高く、特に超厳戒態勢がとられている。

 例年、故郷の西安に、春節時期には帰省している大学の中国人同僚教員からの昨日のメールによれば、「私の故郷の家族が暮らしている区では、1月15日から、2日に1度、一世帯家族の中の一人に限り買い物に2時間ほど行くことが許可されました。12月23日から始まった西安の都市封鎖は、感染者も一桁になり、春節大晦日開始の今月30日までには解除されると思います。こんな状況なので、私たち家族は、今年も春節には故郷の西安に帰省することはできません」とのことだった。メールの最後には、「新型コロナは来年で(※注:中国人にとっては、春節からが来年)全世界で終息できるように、今年の春節は、最後の厳冬であるように、祈ります」と結ばれていた。

 中国のネット報道には、「新冠疫情昇温台湾民衆打第三針疫苗"疫苗之乱"恐再起」(台湾の新型コロナ感染拡大、台湾民衆は再びの感染拡大を恐れ、三回目ワクチンを強く望んでいる)とのニュースも流れていた。1月に入り、台湾でも感染再拡大が起きていて、昨日の1日の新規感染者が64人となっている。また、韓国では12月に感染拡大が起き、1日新規感染は8000人超となったが、現在は4000人ほどと減少傾向にある。

 1月18日付朝日新聞には、「北京五輪チケット 一般向け販売せず/コロナ考慮 方針転換」の見出し記事が掲載されていた。日本のネットニュースでも、「速報 北京五輪チケット 一般販売行わず」「大会組織委員会"新型コロナウイルスをめぐる状況が依然として厳しい"/特定企業の関係者などに限定/一般販売行わず」などの見出し記事。

 早くから、「東京五輪とは異なり、一般観客を入れての開催になる」と喧伝(けんでん)してきた中国政府だが、世界的なオミクロン株変異種の爆発的感染拡大や中国国内の感染状況を考慮して、ギリギリのタイミングで「一般販売を行わない」という選択を行うこととなった。大会組織委員会は、大会期間中(五輪・パラリンピック)は、会場では「封鎖式管理(バブル方式)」を行うと発表しているが、東京五輪の際のバブル方式をより超厳格に徹底して、「水も漏らさぬ封鎖式管理」を行うこととなる。

 そこでは、選手・大会関係者だけでなく、運営に従事するボランティアや医療スタッフ、果ては掃除スタッフまでも、バブルエリア内のホテルや選手村の宿舎に泊まることが義務付けられ、外部との接触は一切禁じられる。大会会場のあるところや選手村などを結ぶ道路には「大会専用レーン」が設けられ、もしそこで交通事故が起きても、一般人は救助に入ってはならないとされ、なにもかもが超厳重な「バブル方式」管理下におかれる。ボランティアの人々の多くは1月25日から業務に就き、そこから2カ月以上、会場にとどまることとなる。(※大会が終わっても「3週間」の隔離措置が取られる。それまではこのバブル内から出ることはできない。)

 北京冬季五輪のボランティアには100万人を超える応募者が集まり、そのうち採用されたのは五輪が約2万7000人、パラリンピックが約1万2000人と報じられている。中国の学校では、政府がボランティア活動を強く推奨しており、進学や就職の際にボランティア活動の経歴が重視もされているため、ボランティア活動への参加がとても盛んだ。北京五輪にボランティアで参加する大学生も多いだろう。2月20日頃から中国の多くの大学では2学期(後期)授業が始まるが、彼らは大学公認の欠席扱いとなる。

 2月4日の開会式が行われる北京の「国家スタジアム(鳥の巣)」は、9万人の観客を収容できる。一般観客は入れないが、「企業関係者チケット枠」や「ボランティア」「運営スタッフ」などなど、バブル内にいるかなりの人数(何万人か)を収容しての開会式を行い、開催国家としての「威信と面子(めんつ)」を強烈にアピールすると思われる。

 北京市は中国の首都であり政治都市。各国の大使館もあれば、国際機関の出先事務所も多い。また、世界各国からの留学生や外国人ビジネスマンも多い。これらの外国人招待枠をおそらく設けていて、国際色豊かな大会の演出も準備されていることだろう。だが、一旦、大会会場などのバブル内に入ったら、3週間の隔離措置を覚悟しなければならなくなる。それに対する、さまざまな見返りや優遇措置も講じられることかと思う。

 世界でも例を見ない超超厳重・厳格な「ゼロ・コロナ政策」をとり続けている中国という国家だが、これによる世界への影響も強く出始めていると、昨日の日本の朝の報道番組(午前8時~/フジテレビ系列「めざまし8」)で、特集が組まれていた。「世界の10大リスク」のトップがこの「中国 ゼロ・コロナ政策」と、特集では報道されてもいた。また、「世界が困惑、中国ゼロ・コロナ政策」、「1/12付ニューヨークタイムズ"人々の生活や幸福や尊厳よりもウイルス対策がはるかに優先されている"」と報じられていたこともこの番組では報道されていた。

 アメリカでは世界で最も多くのコロナ感染者が出ていて、昨日の報道では、「これまでの2年間に、すでに米国人の20%、5人に1人がコロナに感染している」とのネット報道の見出し記事。最近のオミクロン株感染爆発では、1日の新規感染者数が70万人~100万人となっているアメリカ。中国とアメリカ、どちらのコロナ感染対策が良いのか、判別は一言ではすまないが、どちらも‥?という感はある。「北京冬季オリンピックとは、何のためのオリンピックなのか…」と改めて感じてしまう…。

 日本での新型コロナオミクロン変異種の感染拡大が、爆発的に起きてきている。昨日にはついに4万2000人の一日の新規感染者数を記録、今後の増加もどこまでいくのか空恐ろしくもなってきている。感染力が従来株の数倍も強いとされたデルタ株より、さらに3~4倍の感染力をもつとされるオミクロン株。日本国内の現在の感染も80%以上はこのオミクロン株と、昨日、政府の公式発表がされた。また、オミクロン株感染者の75%以上が2回の接種を完了している人であることも国立感染症研究所から発表された。私も、電車やバスに乗車する際には、二重マスクをするようになった。

 第五次感染拡大までは、京都で100人を超えたら怖ろしくもなったが、昨日は1200人。故郷の福井県では、20人を超えたら怖ろしくものなったが、昨日は100人近くとなった。12月上旬から始まった私の胃潰瘍は、12月17日に胃潰瘍胃カメラ検査を行い、治療が始まった。そして、明日1月21日に胃カメラ再検査が行われ、胃潰瘍治療の効果で胃潰瘍がなくなったかどうか検査される。胃潰瘍完治と判断されれば、「さあ、いよいよ居酒屋に呑みに行けるぞ!」と楽しみにしていたが、コロナ感染爆発で、なかなかそれも難しくもなってきた。

 1月18日、世界保健機構(WHO)デドロス事務局長は、「このパンデミックは終わりとは程遠い状況だ」と記者会見で述べた。確かに、「いつまで続くのだろう」と空恐ろしくもある。そして、日本の感染爆発状況をみると、「今度こそ、自分も感染するのではないか…」との不安に包まれる。

 どこまで、このオミクロン株に効果があるかはわからないが、とりあえず、できるだけ早く3回目ワクチン接種を受けたいとは思うが、65歳以上の高齢者3回目接種も、私が住む自治体では早くて2月下旬以降となりそうだ。

 1月18日付朝日新聞に、「コロナワクチン最終治験 塩野義製薬 3月までの承認申請目標」の見出し記事。ようやく、日本でもコロナワクチンが開発されることとなりそうだが‥。

 大学の中国人同僚からの昨日のメールにあった「新型コロナは今年で、全世界で収束できるように、今年の春節が最後の厳冬であるように、祈ります」との言葉を改めて思う。日本は日本で、中国は中国で、それぞれのコロナ対策の違いはあるが、それぞれに大変な苦労を伴っていることを…。

 今日、1月20日は暦の上では一年で最も寒い「大寒」となる。新型コロナ世界パンデミックからちょうど3年となる来年の「大寒」までに、コロナが収束する見通しがたつことを世界のだれもが祈ってはいるだろうが‥。

 

 

 

 

 

 

 

 


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