南京古生物博物館からほど近いところに南京墙の解放門はあった。このあたりの城壁もかなりの高さがある。
国慶節期間を祝する「趣満国慶楽在城墙」の大きな看板。この看板の下で、全身を銅像のように塗りたくったパフォーマンスをしている若い男性と遊ぶ小さな子供たち。この解放門の上にのぼるためには、チケットの購入が必要だった。ここでは入場券購入時に中国の人たちは身分証明書の提示が必要で、私の場合はパスポートの提示が必要だった。あいにくパスポートを持っていなかったが、中国在住大学教員の名刺を提示し「なんとかこれで入場許可されませんか」と頼んだところ、係員は一瞬考えていたが、「まあいいでしょう」という感じで許可された。入場料金は30元(約500円)。
城壁の上に登る。なだらかな城壁の石畳の坂道をさらに登って解放門の上の城壁に向かう。この坂道で何かの撮影を行っていた。モデルの若い男女がかっこいい。
解放門付近の城壁の上はとても広い。大きな大砲が置かれ、その上に子供たちが登り遊んでいた。解放門近くの鶏鳴寺の塔が美しい。
城壁の上から見える玄武湖が美しさ。以前からこの城郭の場所からの光景を見てみたかった。南京城の城壁の東北方面はこの湖に沿って造られ、北方面及び西方面を揚子江(長江)が流れ、揚子江の支流である秦准河が南西方面及び南面や東南方面が流れ、防衛力を高めた場所に造られた巨大な城だった。王朝の宮殿がある場所まで、大河や湖、堀、4重もの城壁群により防衛されていた。
解放門の上に、「南京城墙博物館」と名付けられた小さな展示室があった。明王朝時代の南京城のパノラマ模型がおかれていて、係り員が説明をしていた。
その展示の一つに、「世界の城と城壁周囲」に関する展示パネルがあった。その展示説明によると、「世界の城の城壁の距離ベスト10」は、❶南京城(中国14世紀)35km、❷北京城(中国14世紀)26km、❸風陽城(中国14世紀)25km、❹西安城(中国14世紀)14kmとなっている。いずれも、中国の明時代のはじめ頃に大規模改修や造営された城だった。万里の長城もこの明時代に大きく延長され、より強固に造営されたりした。続いて、❺パリ城(フランス12世紀)13km、❻大阪城(日本1583年)12km などとなっている。
韓国の「水原華城」やフランスの城などの写真も展示されていた。まだ韓国の城郭には行ったことがないが、一度 行ってみたいと最近は思い始めている。(日中韓城郭比較) 韓国の平地の城郭は中国の影響を強く受けているようだが、韓国式山城は独特で、台地的な山全体を低い城壁で囲むという形式を持っている。古代の日本は、この韓国式山城の影響を強く受けていて、西日本(瀬戸内海周辺や近畿、九州北部や対馬など)に30箇所の韓国式山城が確認されている。代表的なものは福岡県太宰府にある大野城や岡山県の鬼ノ城などである。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます