彦四郎の中国生活

中国滞在記

オミクロン株の感染大爆発➊—"2月は「阿鼻叫喚」の見出し記事"が現実的にもなりつつある

2022-01-31 06:55:11 | 滞在記

 1月22日付「日刊ゲンダイ」に、「ピークアウトいつ」「ピークアウトはいつだ!?」の大きな見出しに続いて、「おそらく2月は収束どころか、阿鼻叫喚(あびきょうかん)」との見出し記事が一面に掲載されていた。「いつものこの日刊紙の大げさすぎる見出し」と思っていたが、その見出しの言葉が、明日から入る2月には現実的になりつつある感もある。

 1月23日付京都新聞には、「国内ピーク見通せず—追加接種は出遅れ」「大阪 検査キット不足深刻/陽性者自覚せず、市中感染拡大か」の見出し記事。

 同じく1月23日付読売新聞には、「厚労省発表10万人あたりの新規感染者 2回接種 感染大幅減/オミクロン 未接種 若者でも肺炎」の見出し記事が掲載されていた。この記事によると、コロナワクチンを2回接種した人のオミクロン感染率は、未接種の人の4分の1だったとの厚労省の発表を掲載したものだった。(この比較を、年代別に表した棒グラフも掲載されていた。) ワクチン接種のオミクロンコロナへの有効性が注目される中、一つの参考にはなる情報だが、オミクロンコロナに対するワクチン接種(2回目・3回目)の有効性については、今も情報が錯綜(さくそう)している。

 1月19日、コロナ基本的対処方針分科会の尾身会長が、「人流抑制ではなく、人数制限がキーワード」との見解を公式発表した。この会見発表内容について1月20日、全国知事会の平井会長は「会食の人数制限をすれば出歩いてもいいと聞こえる」と、尾身会長の公式発表を批判。その後、尾身会長は前記の発言内容について誤解を招いたと謝罪することとなった。日本の感染対策のトップ機関の責任者が、相変わらずこのような状況なので、国民は右往左往させられてしまう。

 また、医療専門家有志の提言案として、「若者層にはPCR検査などを実施せず、臨床症状のみで診断を行うことを検討する必要がある」との見解に対し、「検査を確実にできる体制づくりをする必要がある」との反論も起きている。この検査を巡る問題も、方針が錯綜し、右往左往してきた。まあ、日本の検査体制及び医療体制が、オミクロンコロナの爆発的な感染急拡大の進行により、手が回らない、崩壊的な状況が急激に進行している感がある‥‥。

 1月24日付朝日新聞には、「コロナ飲み薬 行き届かぬ恐れ/米メルク製 発症5日以内に服用必要—受診遅れ処方できぬ例/供給限られ在庫逼迫」「PCR検査 数日待ちも」「感染対策 欧米の学校混乱/マニュアル不満 仏の教員スト/NYの生徒 対面授業ボイコット」などの見出し記事。週刊現代の最新号には、「オミクロン最前線レポ"医療現場は もうとっくに壊れている」の特集記事が掲載されていた。

 同日のテレビで、「2月8日には、東京の濃厚接触者数は約146万人と試算されている。(都民の10人に1人)このまま濃厚接触者の隔離を続けると、社会機能がマヒする恐れがある」と報道もされていた。

 同日のANN(朝日放送系)では、コロナ問題を巡る世論調査の結果が発表されていた。それによると、①「まん延防止等重点措置について」は、「1、この対応で良い42%、2、もっと厳しい対応が必要だ31%、3、制限は必要ない21%」となっていた。②「会食・旅行控えるか」は、「1、大幅に控える45%、2、ある程度控える44%」と合わせて約9割にのぼっていた。③「政府のコロナ対策について」では、「1、評価する46%」と前回調査よりもマイナス15%となっていた。翌日の朝日新聞にも、「政府コロナ対策 評価45%/治療受けられぬ不安69%」の見出し記事が掲載されていた。

 この世論調査の発表から1週間が経過したが、現在では、錯綜する情報や、政府のコロナ対策の弱さなどから、国民のさらなる不安が増大していて、政府の対応への評価はさらに低下しているかと思われる。

 世界保健機構(WHO)のデドロス事務局長は1月24日に開幕したWHO執行理事会において、2021年1月末に宣言した新型コロナウイルスによる「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」について、「各国が新型コロナウイルスワクチン(2回接種)の接種目標を達成すれば、コロナの緊急事態は、今年に終えられる可能性がある。」と表明をした。WHOは新型コロナについて警戒を繰り返し呼びかけており、緊急事態(世界的パンデミック)の終了のめどについてトップが言及するのは異例だった。

   WHOは今年半ばまでに、世界各国が人口の70%にワクチンを接種することを目標としている。ただ、WHOが昨年に掲げた「世界各国で人口の40%へのワクチン接種」との目標は、加盟国の半数しか達成できず、現在も世界各国へのワクチン供給が改善されていない。デドロス事務局長は、接種目標が達成できなければ、新型コロナ収拾は「ほど遠い」とも語った。

 「WHO 今年中に世界的パンデミック収束の可能性あり」の発表の言葉が先行し世界に伝えられたため、その後、デドロス事務局長は、その言葉の一人歩きの打消し的な対応に追われることともなった。

■ウクライナ侵攻も辞さぬという姿勢のロシアプーチン大統領だが、彼への国民の最近の支持率の低下の中、これをくい止めて支持率上昇を図るためであることは明らかだ。ロシアは世界に先駆けて2020年10月に国産ワクチンを承認し接種を開始した。しかし、プーチン政権や国産ワクチンへの不信感とも相まって、その後の1年間でワクチン接種が進んでいない。2021年の12月段階で、なんと、1回目接種率は38%、2回接種率が32%にとどまったままだ。

 世界的には、ワクチン接種を望まない人々の存在もけっこうあり、世界的には「接種率70%」が一つの壁となっているが、ロシアでは「接種率40%の壁」となっている。2回目接種が終った人は、32%となっていて、WHOの昨年の目標達成国内にも入っていない。「支持率アップのために戦争している場合じゃないだろうが!」と、プーチン大統領に対しては強く思う。

 共同通信のネット記事には、「若者層、受診せず自宅療養も容認—コロナ、外来逼迫回避へ方針転換(後藤厚生労働省1月24日発表)—自身でウイルス検査を行い、結果を行政側ら連絡する―」の見出し記事。1月26日付朝日新聞には、「救急搬送困難 最多4950件/コロナ病床増 一般病床を圧迫」「検査一気に逼迫/キット不足"全員に対応厳しい"」「感染拡大 学校に変化 増える自宅学習 近畿の小中高 相次ぐ休校」などの見出記事。

 1月31日現在、「まん延防止等重点措置」は34都道府県に適用されているが、歯止めのかからない感染拡大と病床使用率の増加により、「緊急事態宣言措置」への切り替えが多くの都道府県において、この数日間で進むかと予測されている。このコロナ禍下の2年間で、ちょっと、かなり、最も深刻な状況を、私たちは迎えようとしている。「阿鼻叫喚」という言葉が当たらずとも遠からずという状況に‥‥。かなり恐ろしい‥‥。

 

 

 

 


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