新型コロナ感染拡大の世界的パンデミックが始まって2年を経過しようとしているが、昨年の12月から始まった新たなコロナ変異種「オミクロン株」の超感染爆発は、この2年間の感染拡大状況をはるかに凌駕(りょうが)し、とどまるところをしらず、最近では世界で連日300万人超の新規感染者数を記録している。
このオミクロン株は、従来株よりも数倍強い感染力を持つとされたデルタ変異種株よりも、さらにその4〜5倍の感染力をもつことがわかってきている。そして、これまでのコロナワクチン接種の有効性についても、このオミクロン株への防疫有効性はかなり減少することも判明してきている。ただ、肺炎を引き起こす重症化率はいままでのデルタ株よりもかなり低いとされることが唯一の救いではあるが‥。
今、日本でも、このオミクロン株感染大爆発を抑止するための対策は、コロナワクチンの3回目接種の進展に頼るしかない状況(オミクロン変異種に対する防疫の有効性はまだよくわからないが‥)だが、この3回目の追加接種が日本ではなかなか進んでいない。G7諸国のなかでは追加接種率は極端に低く、1月末時点でたったの2.7%(全人口の)となっている。(英国55%・イタリア53%・ドイツ52%・フランス47%・カナダ39%・米国27%、他に韓国51%・中国24%・ブラジル21%・ロシア7%など。インドも低く1%) 1月27日付朝日新聞には、「進まぬ3回目接種 今月末までの接種対象者のうち16%のみ/首相"全然進んでないじゃないか!"と‥」の見出し記事。
この追加接種の状況は、岸田政権下のコロナ政策での大きな失策となっている。政権発足後の11月上旬からこのワクチン確保の加速や前倒し接種の緊急的必要性(善は急げ/備えあって憂いなし/転ばぬ先の杖)に取り組まなかったつけがきている。オミクロン株の世界的流行の兆しに対し、「12月から外国人の入国原則禁止(水際対策)」を世界に先駆けて早々とうちだしたが、日本の米軍基地(沖縄や山口県岩国など)兵士や関係者からオミクロン感染が爆発的に拡大して行ってしまった。
3回目追加接種の大きな遅れの原因の一つとして、「ファイザー製ワクチン追加接種の希望者が多い」こともあげられている。私が暮らす京都府の自治体では、65歳以上の追加接種は12月中旬時点では、政府の「2回目と3回目の接種間隔機関を8カ月から7カ月に短縮する」という決定のもと、遅くても1月下旬からの接種開始を行う予定もしていた。しかし、供給量が不足しているため、昨日配布された市の広報誌では、「①接種予約は自分ですることに変更、②集団接種会場はモデルナ製を使用—予約開始2月7日より・接種開始2月14日開始、③個別接種会場はファイザー製使用—予約開始は2月14日より・接種開始は2月21日より」と書かれていた。
当初の接種開始予定より2〜3週間遅れることとなった。3回目追加接種をしても、今回の爆発的感染拡大期の防疫に間に合わない状況ではあるが、それでもいつ感染拡大のピークアウトを迎えるのか分からない中、できるだけ早く3回目を接種したいとは思う。私の場合は、アナフェラキシーの心配がある体質なので、1回目・2回目に接種したファイザー製を希望している。副作用やアナフェラキシーが2回の接種ではなかったからだ。しかし、ファイザー製の予約はかなりの難しさを伴うようだ。
1月27日付朝日新聞には、「閉じる保育所 保護者悲鳴 在宅勤務と育児、あまりに大変」の見出し記事。テレビでは、「東京 昨日1万4086人の新規感染者 約7万人が自宅で療養」と報道されていた。この日、「全国の新規感染者数が初めて8万人を越えた」と発表された。また、1月29日付朝日新聞には、「全国26万人が自宅療養」の見出し記事。1月31日付朝日新聞には、「感染の波 高齢者に―弱毒と言われるが強烈な肺炎—接種間に合わず/重症化リスク高」の見出し記事も。
タレントのビートたけし(日本の資産番付100人に入る資産家)は、「オミクロンなんて風邪と同じ」と世間の関心を引こうと吹聴していたが、こんな吹聴は無責任な嘘デマ八百だ。確かに若い人たちの重症化率はオミクロンは低いようだが、その大変さは風邪と同じもんでは全くない。「オミクロンの感染力は"インフルエンザの40倍"」と、コロナ診療の最前線に立つ埼玉医科大学の感染症専門家である岡秀昭教授は語る。「最大で1人から50人に感染させる、桁外れの感染力を持ち、はしかや水疱瘡の感染力に匹敵する」とも‥。
1月30日付赤旗新聞日曜版には、「"風邪"と対策を緩めたら重症者増で医療が崩壊する/無症状でも強い感染力—オミクロンはデルタの4倍/会話や呼吸だけでも」との、WHO感染症危機管理シニアアドバイザーの進藤邦子さんによる見出し記事が掲載されていた。1月27日付京都新聞には、「新型コロナ感染者 20代以下が全体の6割—10代急増/京都府内1月中旬以降」の見出し記事。この記事によれば、特に1月中旬以降のオミクロン株による感染拡大は、10代・20代が急増し、感染者全体の6割を占めるまでになっているとの内容。1月29日付朝日新聞には、「インフルや風邪とは全く違った―家族全員が高熱/自宅療養"地獄"」の見出し記事。
10代・20代を中心にオミクロン感染が爆発的に拡大し、それが30代以降の人々や高齢者にも広がってきていて、ワクチンの3回目接種が間に合わない中、重症化数も増加、医療崩壊の手前まできているという1月末の状況だ。1月29日、新規感染者数は8万4933人と発表された。だが、このオミクロンは無症状感染者数は、ヨーロッパでは実際には新規感染者数の10倍は存在していると見積もられている。そのことを参考としたら、日本での1日の新規感染者数は85万人と推定もされる。こんな状況だ。
—「いつピークアウト(第六次感染拡大のピーク)が来るのか」―
まだまだ分からない。2月中旬なのか下旬なのか、それとも3月上旬なのか中旬なのか‥。一つの仮説がある。政策研究大学院大学の土谷隆教授の最新予測。土谷教授は第2波のピークが2020年7月~8月にやってくると予測したデーターを発表し、的中させたことでも知られている。その土谷教授の最新予測とは、「東京都で第6波がピークに達するのは2月上旬」との予測。第6波のピークは2月4日で、新規感染者数は3万668人にのぼるとしている。シュミレーションによると、第6波は2月上旬にピークを迎えたあと、急速に低下し、3月までにほぼ収束するとしている。また、2月中には100万人~150万人の待機濃厚接触者も発生すると予測もしている。
まあ、少なくとも2月中旬ころまでに第六波のピークが到来してしまえばいいのだが‥。
だが別の予測もある。オミクロン株の亜種(変異種)である「ステルスオミクロン株」の出現。これは今のオミクロン株の2倍の感染力をさらにもつとされ、現在40カ国で確認されている。すでに感染の中心がステルスオミクロンに置き換わりつつあるデンマークのような国もある。日本では一昨日までに空港検疫で198例が確認された。東京大学佐藤圭准教授は、「第6波が長引く可能性及び、ステルスオミクロンによる第七波が来るおそれ」を指摘している。
1月31日付朝日新聞には、「重点措置後初の週末"変わらぬ客数(人出)" 措置法の効果はどこまで?」の見出し記事が掲載されていた。
今度のオミクロン第六波の感染大爆発の状況は、ちょっとそら怖ろしい‥。とても身近な人や家族の誰かや、自分がいつ感染してもおかしくない状況だ。感染しないためにいくら気をつけてはいても‥。
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