彦四郎の中国生活

中国滞在記

新型コロナワクチン接種を巡って➊—大きな不安もある中、2回の接種を終えた

2021-06-29 10:09:36 | 滞在記

 私の家から車で15分ほどのところにある、木津川に架かる「木津流れ橋」(上津屋橋)。木津川の源流域は三重県伊賀上野市や名張市周辺の山地。この川の中流域に木造の木津流れ橋が架けられている。全長356mで木造橋としてはとても長い橋で、京都市に隣接しているため時代劇での撮影も多い橋だ。橋の周囲には、緑色の濃い浜茶とよばれる茶が江戸時代の1800年代より栽培され抹茶の原料茶となっている。1953年に架けられたこの橋、今年で68年目を迎えるが、これまでに23回ほど流されている。

 白っぽい広い川原の砂の上に石でさまざまな文字や言葉、マークなどがよく書かれている。それは橋の上からよく見える。そして大雨や洪水のたびにその言葉や文字なども流される。今年の5月4日付の京都新聞に、「"コロナに負けるな"の石の文字 京都の流れ橋の砂州に登場」の見出し記事があったので、近いうちに見に行こうとおもっていたが、5月20日頃の近畿地方の豪雨で木津川も氾濫し、「コロナに負けるな」の石文字は流されてしまったようだ。5月25日に行ってみたが見つけられなかった。

 ただ、「ワクチン」と読み取れる石文字の文章は一部残されていた。この石文字文章が、「ワクチンを早く打ちたい」だったのか、「ワクチン打つな」だったのかは分からない。ワクチン接種の是非を巡って、日本国内でも家族内でも賛否が分かれている。

 私は現在68歳なので、この4月中旬ころに市からコロナウイルス接種券が郵送されてきた。接種予約申し込みは5月10日午前9時30分より。3週間あまり、ワクチン接種をするかどうかで大いに悩むこととなった。接種した場合の副反応に関するする恐怖があったからだ。40代のころ、心臓のカテーテル検査での造影剤にアレルギー反応し、重篤なアナフィラキシー症候を経験したからだ。もうこれで死ぬのかなあと脳裏に浮かぶくらいの呼吸困難と全身の蕁麻疹(じんましん)反応だった。カテーテル検査は即時に中止された。

 このため、ワクチン接種について、主治医や京都府に問い合わせ相談。そして、接種を申し込む決断をした。中国への再渡航をするために、ワクチン接種は必須だろうというのが、接種を希望した100%の理由だった。それがなければ、おそらくアナフィラキシーが不安で接種は見合わせただろう。

 「新型コロナワクチンを接種したアメリカ人女性が明かす、実際の"副反応"に関する体験談」と題されたネット配信のニュースなど、副反応や死亡例などの報道など多く読んだり、日本のテレビ報道などを見たりした。アメリカ人女性が接種したワクチンは米国モデルナ製ワクチンだが、かなりの辛い副反応の経験談が書かれていた。造影剤アレルギーをもつ日本の女性の死亡例も読んだ。不安の中、接種予約開始日を迎えた。

 5月10日午前9時30分、予約開始時刻の3分ほど前から、「市内3箇所の大規模接種会場」への電話予約の番号に電話をかけ始めたが、まったくつながらない。9時40分ころになり、インターネット予約の方法を始めたら、けっこう早く(15分ほどで)に予約が完了した。ちなみにこの日、予約ができたのは市内の65歳以上の3000人ほどとのことを後の報道で知った。(集団接種予約1500人、25の医療機関[病院]接種1500人)  医療機関での予約はかなり難しかったようだ。市内の2万人超の65歳以上の人のうちの3000人だからかなりの倍率だった。

 第一回目の接種は5月23日(日)、私は午後4時開始の時間帯だった。私の妻もこの日の午前10時20分からの時間帯予約で接種した。基礎疾患もあり、アナフィラキシーの前歴もあるので、接種後の経過観察時間は通常の15分ではなく30分。この日、ビールなどを飲まず、早めに就寝した。翌朝起きると、接種した腕に軽い筋肉痛が起きていたが、半日あまりでその痛みもなくなった。この日もビールは飲まずに早めに就寝した。接種後2日間が経過したが、アナフィラキシーショックは起きず、副作用もほぼなかった。安堵した。友人から「どうやった?大丈夫やった?」と心配してくれる電話をもらった。ありがたかった。

 2回目接種は6月13日(日)。2回目の方が副反応が出やすいとの報道もあったので心配したが、2回目の時は翌日の接種箇所の筋肉痛も起きなかった。

 市の方は、第一回目の5月10日の接種予約でそれなりの混乱もあったので、次回予約からは大型接種会場を増やしたり、電話回線を15回線に増やした。7月以降の会場ではクーラー設備のある中学校体育館での接種予定をしている。

 私が接種した米国ファイザーワクチンは1回目の接種で新型コロナへの抗体は20%程度でき、2回目接種で90%~97%の個人の体に抗体ができると報道されている。米国モデルナワクチンもほぼ同様だ。個人差はあるが、接種後1週間~2週間で抗体が形成されるらしい。日本では5月26日、青森県立中央病院の医療関係者で2回接種を終えた501人の抗体獲得率調査が実施され、2回目接種から7日~14日後で、490人の抗体獲得が確認されたと報道された。97.8%の人が抗体獲得ということだ。だから、2回目接種で2週間経過したら抗体がほぼできているとのこと。

 1回目接種と2回目接種は3週間の間隔が設けられている。最長6週間の間隔までは抗体獲得の有効性があるとの報道もなされていた。

 第2回目接種から2週間後の6月26日(土)の午後、京都市内の京都大学近くの京都教育文化センター(教文センター)に、「花のあとさき—ムツばあさんの歩いた道」というドキュメンタリー映画を見に行った。この映画は、NHKが18年間にわたり記録し放映されてきた人気ドキュメンタリーシリーズ「秩父山中 花のあとさき」を映画版に編集したものだった。2時間近いドキュメンタリー映画だったが、なかなか優れた映画だった。

 教文センターの道路向いに京都大学病院や京都大学医学部、薬学部の大学構内がある。その大学構内に立ち寄ってみた。「ウイルス・再生医研究所」の建物群や「iPS細胞研究所の建物群などが建ち並ぶ。現在、世界が直面している新型コロナウイルス感染などに関する調査や研究などを行っている日本のトップ研究棟群だ。

 ここにiPS細胞研究所所長の山中伸弥博士、「8割おじさん」で著名となった西浦博博士(昨年8月に北海道大学から京都大学へ転勤)、『京大 おどろきのウイルス学講義』(最近発刊されたPHP新書)の宮沢孝幸博士などがいる。

 医学部構内の建物の前のアジサイの花が美しかった。

 医学部構内近くの鴨川に架かる丸太町橋から、比叡山や丹波山系、医学部構内方面を望む。

 ワクチン接種については、家族内でも、夫婦間でも意見が違うところも けっこう多いようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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