長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

メダカの学校は・・

2010-06-10 08:18:23 | Weblog
今日はおやすみ。
東京都墨田区界隈は、月に2度「燃えないごみ」
の回収がある。オープンエアーな元犬小屋を
改装したので、燃えないゴミがあまたあった。
それらをゴミだししたら、脱糞したみたいにすっきりした。
サクラがふたつめの桜色の花弁を開花させ、池のメダカが
卵を産んだ。孵化したら「祝・メダカ誕生」なんて書いて、お店の
たらいにいれて、おこうかしらん。
小さな命だけど、宇宙の悠久の流れの中で、生きとし生けるものたちは、
さらさらと、たださらさらと、流れていく。生・滅・生・滅・・を
繰り返しながら。ひともおなじ。

昨日は「クラリネットの夕べ」だった。
今年昭和音大を卒業した前田瞳さんのクラリネットに、
現役の音大生の杉本奈津美さんと、野代奈緒さんがピアノを
演奏してくれた。みんなお客さまや、スケットとして天真庵デビューは
していたが、演奏するのは始めてで、しかも師匠のN響のやまねさんが、お客さん
としてくるので、その緊張たるや、想像にあまるものがある。
こころを落ち着かせるために、宇治から届いたばかりの玉露を、ガラスの
急須で入れて、久保さんの斑唐津の煎茶椀に注ぎ、ささやかなお茶会をした。
玉露を飲むと、一瞬にして、体の毛細血管の隅々まで、血がお茶になる、
ような感じがする。

生誕200年を迎えるブルグミュラーの「クラリネットとピアノの
ための二重奏曲の演奏が始まると、臍下丹田に気がこもるような落ち着いた
調べが、お店全体に広がってきた。
エンディングは、山根さんがかつて演奏してくれたブラームスの
クラリネットソナタ。目をつむって聴いていると、弟子と師匠が
楽しそうに競演しているように感じた。
「師というものは、弟子が発見するもの」だと、つくづく思う。
良い師との邂逅ほど、生きていて、大切なものはない。

師匠の山根さんもカウンターに座って、弟子たちの演奏を堪能していた。
その横では、山根さんの書の師匠の「さだもとさん」が、いつものように、
一升酒を堪能していた。教育というのは、やはり、教えあう、学びあうもの。
「共育」である。メダカの命と同じように、誰が生徒か先生か、などどうでも
いいので、みんなで1歩でも成長していけるような「場」でありたいと、
しみじみ思うクラリネットな夜だった。
7月第二水曜日の「下町の小さな音楽界」は、ももちゃんの薩摩琵琶をやる。
東京音大に在学中の一昨年に、「お茶会&コンサート」をやってもらったことがある。
煎茶と相性のいい音楽。

東京音大といえば、ピアニストのぶんこちゃんが押上に越してくることになった。
近くにスタインウェイのピアノがある「日本酒が美味いピアノサロン」ができる。
ぼくが、彼のサロンに蕎麦を打っていったことがある。その時に用意してくれた
青磁の古伊万里の蕎麦猪口が、よかった。
蕎麦前に、吉田明の三島の平茶碗にそばがきをいれ、久保さんの志野に
少しぬる燗にした酒を注いで飲む。そんなことがまた近くでやれるように
なると思えば、ワクワクしてくる。

器といえば、ときどき蕎麦を手繰りにきてくれる奈良さんの
器展が、清澄白川の小山登美夫ギャラリーで19日までやっている。
今日の午後にぶらりとのぞきにいってみよう。タカ・イシイギャラリー
ものぞいてみたいし・・・