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多文化共生とは永続的なココロの営み

外国人ハケン、一緒に

2009-08-23 22:05:10 | 多文化共生
(以下、朝日新聞【山梨】から転載)
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外国人ハケン、一緒に

2009年08月22日
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求人の相談に応じる渡辺郁さん(右)=甲府市丸の内2丁目のアンサーノックス

   ■ドアをたたいてくれた人すべてに応えたい

 山梨市の渡辺郁(かおり)さん(38)は、外国人向けの派遣会社を昨年末に設立し、今年4月から事業を始めた。ブラジル、ペルー、中国、フィリピン、タイ、マレーシア……不況で雇い止めになった外国人を中心に、この5カ月で登録者は200人近くに上る。「一緒に頑張りましょ」。仕事を求めて訪ねてくる一人ひとりに向き合い、こう語りかける。(佐藤美鈴)

 渡辺さんは、都内の専門学校を卒業後、大手派遣会社で約5年間、派遣業に携わった。体調を崩したことをきっかけに中高時代を過ごした母親のふるさとの山梨に戻り、外国人向けの派遣会社に勤めた。しかし、そこで出合ったのはこれまでとは全く違う「ハケン」の仕事だった。

 個々の能力に見合った選択肢やキャリアアップがなく、社会保険も有休もない人がほとんどで「先の見えない仕事」と感じた。甲府市の多文化共生推進計画の策定委員を務めたことも重なって、外国人が抱える数々の問題に触れ、「自分の経験を生かして何かできないか」と思い立ち、会社を立ち上げた。

 それでも、有効求人倍率が過去最低を記録し続ける県内の雇用状況に「ここまで悪くなるとは想像していなかった」とため息を漏らす。これまでの実績は食品関連業界と農協への計7件。少しずつ回復の兆しはあるものの、失業手当の給付期限が迫るなど、厳しい状況は続く。

 派遣先となる企業を探す傍ら、一人ひとりの経験を聞きながら履歴書や自己PR書を無料でつくる。ハローワークや役所までついていくことも多い。週2回、日本語教室にもボランティアとして参加している。会社を訪れる人たちからは「親切で丁寧」「安心
して相談できる」と信頼は厚い。

 会社名は「アンサーノックス」。「ドアをたたいてくれた人すべてに応えたい」という思いを込めた。逆境の中でも「仕事は生活を豊かにする。派遣も本来はキャリアデザインの一環」という信念が背中を押す。「地域社会には外国人を受け入れる土壌が必要。それを結ぶ、接着剤のような存在になりたい」

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