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多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

ダイバーシティ推進の鍵は管理職の意識

2014-08-18 09:20:50 | ダイバーシティ
(以下、日本経済新聞から転載)
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ダイバーシティ推進の鍵は管理職の意識
2014/8/18 6:30

日経ウーマンオンライン

 終身雇用制度が崩れ始め、誰もが「自分らしい働き方」を模索する時代がやってきました。私たちの働き方はこれからどのように変わっていくのでしょうか? 経済産業政策局・経済社会政策室長の坂本里和さんに、これからの女性の働き方について教えていただきました。

 私は現在、「ダイバーシティ経営企業 100選」などのプロジェクトを推進しています。文字通り、ダイバーシティ経営に意欲的に取り組む企業を経済産業省が選定する取り組みです。こうした取り組みを通じて感じるのは、ダイバーシティ推進のカギを握っているのは、両立支援制度の導入ももちろん大変重要なのですが、それ以上に、現場のマネジメント改革だということです。

 多様な人材活用に取り組むインセンティブを管理職側に与えないと、ダイバーシティはなかなか進まないと感じています。例えば、多様な人材活用を管理職自身の評価項目として追加するといったことは効果的な試みの一つです。


■IT技術の進化でワークとライフの距離が近くなる

 女性の活躍にとって、多様で柔軟な働き方を推進することはとても重要です。その代表的なものに「モバイルワーク」というものがあります。

 これは、オフィスに限らず、時間や場所に縛られずにIT技術を活用して働く形を指します。具体的には携帯電話やノートパソコン、さまざまなファイル共有の仕組みなどを用いて時間や場所の縛りを極力排する働き方ですね。このモバイルワークも浸透の壁になっているのはセキュリティーの問題よりも、マネジメントの意識の問題だといわれています。

 部下が目の届く範囲にいないと不安、部下の仕事ぶりを自分の目で見て管理したい――こうした思いをマネジメントが抱いているとなかなか浸透しないのも道理です。

 日本マイクロソフトでは自社製品を使って積極的なモバイルワークに取り組み、単位時間あたりの売り上げが17%向上したそうです。例えば、営業の外回りをしていて、レポートを書くために会社に戻らないといけないということになれば移動の時間が余計にかかりますが、モバイルワークができれば家でも喫茶店でもどこでも仕事ができる。生産性が向上するという結果が見られます。

 こうしたモバイルワークを導入するにあたっては評価の在り方も変えていかなくてはいけません。職場に長くいる人ほど評価されるような価値観から脱却しないといけないということです。

 時間の長さではなくあくまで「成果」で評価するためには、一人ひとりが自律的に働ける状態になることが重要です。企業側も個人にある程度の裁量を与えることが求められます。

 「自律的に働く」というのは、業務を属人化させようということでは決してありません。社員のワークライフバランスを考えると、なるべく業務は属人化しないほうが望ましいのです。そこでやはり重要なのが「モバイルワーク」です。属人化させるとその人は職場を離れられなくなってしまいますが、IT技術を使って情報共有を行うと誰でも同じ知識を持って事に当たることができるようになります。その人は必ずしも職場にずっといなくてもよくなります。

 ある程度、ひとりひとりの担当が決まっていてその人がやり方も含めて自律的に働くことができると同時に、情報をシェアすることが重要ということです。

 私のチームにも、少し前まで、ワーキングマザーで、週3日在宅勤務をしている人がいました。最初はお互い手探りの部分もありましたが、慣れてしまえばオンラインでのやり取りが増えることで記録に残りますし、ペーパーレスにもなる。互いにこまやかに情報共有するようになり、かえって業務の進行にはプラスになったように感じています。

 「ワークライフバランス」というと、1日24時間をワークとライフで切り分けるような印象がありますが、テクノロジーの進化で働く時間や場所を自由に選べるようになると、ライフとワークが、個々の事情に応じて最適な形でミックスされていくようなイメージを持っています。

 例えば、家で子どもの様子を見守りながら業務のメールをチェックするといったことができるわけです。一般的には女性のほうがこうしたマルチタスク(家事こそ最たるものですが)は得意と言われていますから、未来は女性にとって、より働きやすいものになっていくのではないでしょうか。

この人に聞きました

坂本里和さん
 経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室長「ダイバーシティ経営企業100選」「なでしこ銘柄」担当。東京大学法学部卒業後の95年に当時の通商産業省へ入省。98年~2000年にかけてアメリカの法科大学院へ留学。2011年から現部署。女性がワークライフバランスを取りつつ、生き生きと活躍できる環境づくりのため、女性の活躍を推進する企業を後押ししている。監修した書籍『ホワイト企業 女性が本当に安心して働ける会社』(文藝春秋)が話題に。私生活では4女の母。

(ライター 田中美和)

[nikkei WOMAN Online 2014年6月25日付記事を基に再構成]

女性管理職6.2% 1万社回答 政権目標に遠く

2014-08-15 09:39:50 | ダイバーシティ
(以下、東京新聞から転載)
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女性管理職6.2% 1万社回答 政権目標に遠く

2014年8月15日 朝刊


 企業の管理職に占める女性の割合の平均は6・2%で、男性だけの企業も半数を超えることが十四日、帝国データバンクの調査で分かった。今後増加すると見込む企業も20・9%にすぎなかった。安倍政権は成長戦略で「二〇二〇年に指導的地位に占める女性の割合を30%にする」との目標を掲げているが、実現には程遠い状況だ。調査は七月下旬に実施し、全国の一万一千十七社が回答した。
 企業からは登用が進まない理由として、仕事と家庭の両立の難しさを挙げる声があり、帝国データは「働きながら出産、子育てができる環境の整備が重要だ」と指摘している。
 調査によると、現状で女性管理職がいない企業が全体の半数を超える51・5%を占めた。管理職に占める女性の割合が30%以上の企業は5・3%にとどまっている。
 女性管理職の割合が過去五年間で「増加した」とする企業は17・4%で、「変わらない」が72・8%だった。今後についても「変わらない」が61・0%と多数で「増加する」は20・9%だった。
 業種別では、小売りや不動産、金融、サービスで管理職に占める女性の割合が高く、製造や建設、運輸・倉庫で低かった。

GDP年率6.8%減 4~6月、消費・設備投資落ち込む

2014-08-15 09:39:22 | ダイバーシティ
(以下、日本経済新聞から転載)
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GDP年率6.8%減 4~6月、消費・設備投資落ち込む
2014/8/13 11:10 (2014/8/13 13:50更新)

 内閣府が13日発表した4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比1.7%減、年率換算で6.8%減となった。4月の消費増税に伴う駆け込み需要の反動が個人消費の減少に現れた。安倍晋三首相は同日、視察先の下関市内で「成長軌道に戻せるよう万全を期していきたい」と記者団に語った。

GDP速報について記者会見する甘利経財相(13日午前、東京都千代田区)

 マイナス成長は昨年10~12月期以来、2四半期ぶり。今年1~3月期は年率換算で6.1%増だったため、その反動が鮮明だ。落ち込み幅は東日本大震災が起きて6.9%減となった2011年1~3月期以来の大きさだった。名目GDPは前期比0.1%減、年率で0.4%減だった。

 甘利明経済財政・再生相は同日の記者会見で「緩やかな回復基調が続いている。4~6月の増税後の落ち込みは反動減の範囲内だ」と指摘した。

 前回、消費増税があった1997年4~6月期のGDPは前期比年率3.5%減で、今回の落ち込みの方が大きい。

 GDPの6割近くを占める個人消費は、実質で前期比5.0%減と7四半期ぶりにマイナスになった。個人消費の落ち込み幅は97年4~6月期の3.5%を上回り、同じ基準で統計を遡れる94年以降で最大になった。自動車、パソコンなどの耐久財や日用品の消費が低迷した。住宅投資も10.3%減だった。

 設備投資は2.5%減で5四半期ぶりにマイナスになった。米マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズXP」のサポート終了に伴う駆け込み需要の反動が出た。

 公共投資は前期比0.5%減った。政府は増税後の景気を下支えするため公共事業の前倒しを進める。「請負金額は前期比で増えており、7~9月期以降増えていく」(内閣府)と見ている。

 輸出から輸入を引いた外需の成長率への寄与度は1.1ポイントと、4四半期ぶりにプラスになった。輸出はマイナスだったが、それ以上に原油や石油製品の輸入が減ったことが影響した。

 収入の動きを示す雇用者報酬は名目ベースの前年同期比で1.3%増えたが、消費増税と物価上昇により実質では2.2%減り、2四半期連続のマイナスとなった。

 物価動向を総合的に示すGDPデフレーターは前年同期比2.0%上昇し、2009年7~9月期以来のプラスとなった。上昇率は94年以降で最大だった。円安によるガソリン価格の上昇や「消費増税で押し上げられた面が強い」(内閣府)という。

消費増税でGDP急減 個人消費落ち込み 4~6月期

2014-08-15 09:38:58 | ダイバーシティ
(以下、東京新聞から転載)
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消費増税でGDP急減 個人消費落ち込み 4~6月期

2014年8月13日 夕刊


 内閣府が十三日発表した二〇一四年四~六月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比1・7%減、年率換算で6・8%減と急減し、二・四半期(六カ月)ぶりにマイナス成長に転じた。四月の消費税増税で個人消費が前期比5・0%減と落ち込んだほか、住宅投資や設備投資なども減少したことが影響した。個人消費は統計上で比較可能な一九九四年以来、過去最大の落ち込みとなった。 
 九七年四月に消費税率が5%に引き上げられた際、九七年四~六月期の実質GDPは年率3・5%減だった。今回の下げ幅はさらに大きく、増税が日本経済に与えた影響は九七年時よりも大きかったことになる。東日本大震災の影響があった二〇一一年一~三月期の年率6・9%減以来の大幅な落ち込みとなった。民間シンクタンクが事前に予測した平均7・3%減よりは悪くなかった。
 実質GDPを項目別にみると、個人消費は七期ぶりにマイナスに転じた。消費税増税を控えた駆け込み需要の反動で自動車販売や家電、日用品や衣服、ガソリンなど幅広い品目が減少。一~三月期の2・0%増から一転し、大きく落ち込んだ。
 民間住宅投資は10・3%減で九期ぶりのマイナス。企業の設備投資は2・5%減で五期ぶりに減少した。公共投資も0・5%減と二期連続で減少し、幅広い項目がマイナスとなった。
 輸出は0・4%減で三期ぶりのマイナス。生産拠点の海外移転や企業の競争力が低下した影響が出た。輸入は5・6%減で六期ぶりに減少した。
 企業や個人が買うモノの値段を含めた総合的な物価の指数「GDPデフレーター」は、前年同期と比べプラス2・0%。十九期(四年九カ月)ぶりにプラスとなった。
 <国内総生産(GDP)> 一定期間に国内でつくり出されたモノやサービスの付加価値の合計額。景気動向や経済規模をみる代表的な指標で、内閣府が3カ月ごとに公表している。個人消費や企業の設備投資、公共投資などの「内需」と、輸出から輸入を差し引いた「外需」で構成される。物価変動の影響を除いた実質GDPと、景気実感に近い名目GDPがあり、これらの増減率が経済成長率と呼ばれる。

障がい者のものづくりを支援するフェリシモCCP

2014-08-15 09:38:28 | ダイバーシティ
(以下、障害者・雇用インフォメーションから転載)
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障がい者のものづくりを支援するフェリシモCCP
 2014年8月14日 10:00 


全国の福祉作業所などと一緒に活動
ダイレクトマーケティング事業で知られる株式会社フェリシモが2003年から取り組んでいるのがフェリシモCCP(チャレンジド・クリエイティブ・プロジェクト)。

これは全国の福祉作業所やパートナーと一緒に、ものづくりを通じて障がい者の個性や能力を発信する活動で、これまで扱った商品は250アイテム以上、パートナーの福祉作業所は90か所に及ぶ。


フェリシモの商品としてスローレーベルと共同企画
同プロジェクトでは横浜を拠点に国内外で活躍するクリエイターと福祉施設や企業をつなげる活動を行っているSLOW LABEL(スローレーベル)との取り組みを開始。

スローレーベルのブルーバードプロジェクトとMARUIROプロジェクトにCCPが参加し、オリジナル商品を共同企画した。

ヨコハマ・パラトリエンナーレ2014で展示
フェリシモでも今秋販売する、このオリジナル商品を2014年8月1日(金)から11月3日(月祝日)まで象の鼻テラスで開催中のヨコハマ・パラトリエンナーレ2014「障がい者と多様な分野のプロフェッショナルによる現代アートの国際展」で展示している。

商品には徳島の伝統産業藍染めで福祉作業所がひとつひとつていねいに手作業をした、藍染め、手紬ぎの羊毛をセット。また障がい者が描いた原画を、アーティストのがデザインしたものなど、障がい者のものづくりが工芸、アートの世界へと続くこのプロジェクト。

今後も障がい者の仕事の多様性を広げていくであろう活動である。

女性の視点

2014-08-15 09:38:00 | ダイバーシティ
(以下、四国新聞社から転載)
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8月14日付・女性の視点
2014/08/14 09:24

 東日本大震災の発生から4カ月たっても、仕切りがなかった岩手県沿岸の避難所。小学校の教室で母親が着替えようとすると、周囲の女性が布団やタオルを持って見えないように手伝った。

 母親たちは下着の洗濯物干しや授乳の場所に苦労し、避難所リーダーの男性の前で生理用品などを受け取るのを嫌がっていた。「配慮なんかない。言ったら波風が立つだけ」。うんざりした口調だった。

 過去の災害でも女性の視点が欠けた避難所運営などの対応は指摘されてきた。国内で防災に関わる女性研究者が少ないことも一因だろう。大震災後、「次こそは繰り返すまい」と、被災地の女性らによるネットワークづくりが始まった。

 課題は災害直後だけではない。東北の被災地では復興段階の場でも、高齢男性の意見が幅を利かす場面によく出会う。内閣府は昨年、「東日本大震災で意思決定の場に女性の参画は少ない」と指摘した。

 一方で、女性が自治会長や、集会所の運営を担ったりしている仮設住宅を訪れるとやわらかい雰囲気を感じる。植栽が充実して編み物や歌唱などのイベントが多く、生活感があふれる。井戸端会議も含め会話が盛んなので、被災者のちょっとした困り事をすくい上げている。

 女性の視点を持つことは多様性に配慮する対応の第一歩となる。来年3月に仙台市で開かれる国連防災世界会議でも男女共同参画の視点は取り上げられる予定で、実体験に基づく日本発の議論は大きな影響を与えるはずだ。(K)

部下なし女性管理職の増加は「職場が不幸になるだけ」と識者

2014-08-15 09:37:32 | ダイバーシティ
(以下、livedoorNEWSから転載)
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部下なし女性管理職の増加は「職場が不幸になるだけ」と識者

「女性活用は数字に拘りすぎるとうまくいかない」と中川美紀さん
 安倍政権がゴリ押しする成長戦略の目玉のひとつに、「女性管理職の増加」がある。

<6年後に指導的地位に占める女性の割合を30%にする>旨の法案を秋の臨時国会に提出し、企業などに女性の積極登用を促そうというのだ。

 8月7日より厚生労働省の審議会で法案成立に向けた本格的な議論が始まったようだが、政府の大号令とは裏腹に、企業現場は困惑するばかり。

「同じ規模でも業種や部門によって女性が多く必要な会社もあれば、男性でないと務まらないハードワークの会社もある。しかも、結婚や出産などを控えた女性の働き方も変えずに、国のノルマに従って“名ばかり管理職”や“部下なし管理職”に据えれば、企業経営の自由度を奪う結果につながる」(大手建設会社の人事担当者)

 もっとも、女性に限らずいくら能力や実績のある社員でも、強いリーダーシップが求められる管理職には向き不向きがあって当然だろう。

 先ごろ一般社団法人の日本経営協会が発表した調査結果でも、女性管理職のうち「気遣い・心遣いに自信がある」と回答した人が66.0%にのぼった一方で、「指導力・管理統率力に自信がある」と答えた割合は30%台しかいなかった。

『<女性職>の時代――ソフトインテリジェンスの力』(角川ONEテーマ21新書)などの著書があるビジネスアナリストの中川美紀さんは、「一律に女性管理職の数値目標を掲げて強引に進めていくことは、企業にとっても女性にとっても不幸なこと」と危惧する。

「私は様々な分野の企業人事に関わり、多くの女性社員とも接していますが、<バリバリ働きたい>とか<もっと仕事で活躍したい>と願う“バリキャリ女性”がすべて管理職になることを望んでいるわけではありません。

 仮に望んでいても、出産・育児といったライフイベントを抱える女性にとって、管理職の責任の重さや仕事のハードさにやり切れない現実もあるのです」(中川さん)

 企業側もこうした現実を把握しながら、「とにかく肩書きだけでも管理職につけておけば同業他社と(数値で)足並みが揃うし、国や世間から非難されることもない」(大手電機メーカー社員)と、建前ばかりの女性活用がすでに横行しているのだ。中川さんが続ける。

「極論すれば、女性は<バリキャリを目指さないなら、コモディティ(一般職)で我慢して>といった二極化した選択肢しか与えられず、どちらかを選ばざるを得ないのが今の状況なんです。それも国が高い管理職数値目標にこだわるがゆえの弊害だと考えます」

 このままでは、かえって多くの女性が仕事で活躍したくてもできない職場環境になり、企業側は戦力にできるはずの女性をみすみすダメにしてしまう――と警告する中川さん。では、企業と女性社員の双方にメリットのある女性活用にするためにはどうしたらいいのか。

「今までとは違ったキャリア、たとえば女性のライフスタイルや強みを考慮した新しい業務やキャリアコースを作っていくべきです。とにかくノルマ達成ありきではなく、ダイバーシティ(多様性)の本質まで立ち返った戦略的な取り組みにしていく必要があると考えます」(中川さん)

 政府はこうした現場の声に耳を傾けなければ、女性活用による人材難の解消はおろか、誤った人材登用が企業の強みを損なわせ、日本経済の成長にブレーキがかかることにもなりかねない。

ヤマト運輸、人手不足問題に着々と対応

2014-08-07 10:14:15 | ダイバーシティ
(以下、東洋経済ONLINEから転載)
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ヤマト運輸、人手不足問題に着々と対応

山内社長「運賃適正化を強い意志で進める」
鈴木 雅幸 :メディア編集部長 2014年08月04日


――陸運業界における人手不足解消の対応策は。

陸運業界が持っている輸送能力を最大限に活用するのが1つ。そのためには、片荷(かたに、幹線輸送において積み荷が片道分しかないこと)のような無駄を極力なくすための共同プラットフォームを、業界で構築することが日本の産業を支えていくうえで求められる。もう1つはダイバーシティによって働き手を増やすための労働環境の改善だ。女性の中にも大型車両のドライバーを希望する人もいる。外国人の活用も課題だ。そのほか、モーダルシフトや機械化も方策の1つ。各社でこれらの取り組みをどう組み合わせるかだ。

1社だけで対応する時代は終わって、業界としてどう対応するかという意識を持たなければならない。例えば、輸送効率を上げるための「ボックス」も各社によってサイズが異なる。こういったものを同一規格で業界標準化を図っていくことも必要だ。また、ITインフラの業界整備も待たれる。情報システムに共有性がないと、業務の一元化はできない。全国物流ネットワーク協会など業界団体が中心となって検討する動きもみられる。

さまざまな方法で人員を確保

――ヤマト運輸での人手不足対応はいかがですか。

集配エリアにおけるセールスドライバーとターミナル拠点での仕分け作業の人員の確保が課題だ。集配エリアでは顧客に直接接する場所なので女性、特に主婦が活躍してくれている。すでに当社では集配を担当する女性が約1万3000人もいる。主婦の場合、地域の中で短時間働いて残業がないというのが働きやすい就労条件だ。今後さらに、セールスドライバーの補助的な役割を担うフィールドキャストとしても、主婦の力は期待できる。

一方、仕分け作業の希望者は短時間労働の希望が多く、フルタイム人員を確保することが難しい。また、体力を使える若者の確保が厳しいので、仕分け現場では機械化を最優先で進めている。最新の搬送機械を導入すれば、2~3割は省力化が図れる。全国に約70ある拠点に順次設備を導入していく計画だ。

それ以外の施策としては外国人の活用だ。現在、中国やアセアン諸国などから1000人超の外国人が働いており、そのための作業マニュアルも日本語を含め6カ国語対応にしている。仲間といかにコミュニケーションを図るかなど、実践的な現場作業を想定したマニュアルの内容を充実させていく。つまり、労働力の確保には全体ネットワーク(物流拠点網)の進化と合わせて、機械化や時間軸、対象者の拡大などの施策を進めている。

――消費増税前の今年3月には荷受け作業が滞り、配送に遅れが出ました。

最終週の荷量は想定を大きく上回ってしまい、輸送キャパシティが十分に確保できずに仕分け作業にもシワ寄せがきてしまった。あらかじめ想定して用意していた体制に対し、実際に扱う物量が極端に多くなり、その波動を吸収できずに混乱してしまったというのが正直なところだ。物量がピークを迎える今年12月に向けてはこのようなことが起こらないように、今からさまざまな準備作業を進めている。

――7月のお中元シーズンは無事乗り切りましたか。

問題なく乗り切ることができた。取扱数量を想定し、それに向けて春先から用意してきた成果を反映できた。お中元シーズンだけをとれば、人手不足感はない。しかし、これが12月になると、7月の波よりももう一段高くなるため、注意深く準備していく。

――人手不足に伴う労賃アップや燃油費高などによる値上げ交渉が陸運各社で行われています。ヤマト運輸ではどのようなスタンスで臨まれるのですか。

宅急便はすでに社会的インフラだ。その責任を果たすのが私どものミッション。社会的インフラには信頼性と持続性が不可欠だ。信頼性はサービス品質の持続であり、それをしっかりと提供できる環境を構築しないといけない。人の体制、車両や施設、機械化投資など、信頼を持続させるための原資を確保するため「運賃収受の適正化」をお願いしている。お客様に十分なサービス品質を提供し、われわれの責任を果たしていく。

――「運賃収受の適正化」という意味をもう少し具体的にご説明ください。

宅急便では、基本はサイズ別運賃になっているが、大口の法人顧客に対しては、小さな荷物も大きな荷物も60サイズ(3辺の長さが合計60センチメートル以内)の料金で運んでいた。60サイズの物量構成割合と売上計上比率を比べると、2倍以上の差が出ていたケースもあった。今は徐々に縮まってきている。昨年ご迷惑をかけたクール宅急便の温度管理問題の反省もあり、社会インフラとしての責任を果たさねばならないという思いから、強い意志をもって運賃収受の適正化のお願いを進めていかないといけない。

――これまで大幅な割引をしていたのはなぜですか。

荷主確保という厳しい競争条件の中では、価格提示の一本化という形がまだ残っていた。また、かつては比較的大きなサイズが少なかった。個人から企業に利用者層の幅が広がり、納品や部材を運ぶのに使われるようになった。現在は個人から純粋に出ているものは全体の10%ちょっと。8~9割は企業からの荷物だ。それに伴うサイズの大型化が起こった。

品質を社会的インフラとしてきちっと整えようとすると、キャパシティをきちっと把握しなければならない。それには人や車両、施設だけではなく、荷物のキャパシティを考えなくてはいけない。サイズ別にしっかりとカウントされる環境が必要だ。これまでの個数を意識する考え方から、サイズも意識するように転換するときが来ている。

価格改定の交渉は徐々に進んでいる

――運賃収受の適正化交渉の進捗度合いは。

中・小口顧客には半分以上は再契約をすませた。大口顧客はまだ交渉中の段階である。大口の場合はインパクトも大きいため、運賃収受の適正化の交渉も1年くらいかけて行っている。おそらく実際の改定は来春とかになるので、すべての交渉が終わるには2年ぐらいかかる。

顧客からは「うちも大変だけど、ヤマトさんも大変だよね」といった声が多く聞かれる。人手の問題、燃油費の問題を話すと比較的受けていただきやすい。これは、物流業界全体の問題であり、このタイミングで行動を起こさないと日本全体の物流が支えられなくなる。

――中小事業者からは値上げに対して抵抗の声が聞かれます。

極端にサイズと価格がそぐわない顧客に対しては、交渉の最初の頃は当社からのご説明が不十分で「(ご了承いただけないなら)これ以上はお取引が出来ません」といった趣旨の言葉も正直あって、ご迷惑をおかけした。でも今は、もう一度話をさせて頂き、再提案をさせてもらっている。

――人手不足は構造問題です。人件費は当初想定を上回ってきませんか。

今のところ年度計画の想定内で動いている。ただ、これから年末に向けて人件費が大きく変化するかもしれない。それも物流業界だけなら読めるが、建設業や外食産業、小売業などと労働力を奪い合う影響が今後広がっていくと、現状の想定とは大きく異なる様相になるかもしれない。注意深く見守っていく。

三菱自 女性管理職を3倍に

2014-08-07 10:02:59 | ダイバーシティ
(以下、東京新聞から転載)
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三菱自 女性管理職を3倍に 相川社長インタビュー

2014年8月7日 朝刊


今後の経営戦略などを話す三菱自動車の相川哲郎社長=6日、東京都港区で
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 三菱自動車の相川哲郎(あいかわてつろう)社長(60)は六日、本紙などのインタビューで、「女性が活躍できる場を広げていきたい」と述べ、管理職に就く女性の数を現在の三十人程度から、三倍を目安に増やしていく考えを明らかにした。政府は女性の活躍を新成長戦略の柱の一つに掲げており、三菱自も女性幹部登用に力を入れる。
 相川氏は「女性や外国人の活躍の場を考えるための専門組織を四月に社内で立ち上げた」と説明。「品質やサービスの改善などで、男性だけでは判断や評価に偏りが出る。顧客ニーズに対応するためにも、まずは女性の活躍の場を拡大させていきたい」と語った。
 三菱自の従業員数は約一万二千七百人。このうち約九百人が女性だが、管理職に就く女性は三十人程度にとどまっている。相川氏は、女性管理職を増やす時期などは「まだ決まっていない」としたが、他社の数値目標を参考に三倍程度に増やし「業界の先頭集団を走れるようにしたい」と意欲を示した。
 自動車業界では、日産自動車が一九九九年から女性の幹部登用を増やし始め、トヨタ自動車も女性管理職を二〇二〇年に三倍に増やすなどとした数値目標を打ち出している。 (神野光伸)

アメリカで広まる「ジェンダー・ニュートラル」なトイレ

2014-08-05 09:37:06 | ダイバーシティ
(以下、産経新聞から転載)
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アメリカで広まる「ジェンダー・ニュートラル」なトイレ

2014.8.5 08:20

 アメリカでは、トイレが性別で分けられているために様々な精神的・身体的苦痛を被るLGBTの人々のために、「ジェンダー・ニュートラル」なトイレが普及しつつある。付き添いの必要な子どもや障害者にもメリットは大きい。

アメリカでは、ゲイ、レズビアン、トランスセクシュアル、バイセクシュアルの権利をより広く認めるための戦いが、日々、重要な結果を出しつつある。同時に多くの人々の日常の中で重要となる要素にも、焦点が当てられようとしている。

「ニュートラル」なトイレのことだ。男性/女性の性別が指示されておらず、2つの「カテゴリー」のどちらだとも自認していない人に、完全な自由を残すものだ。

より早く、その必要性を察知したのは、大学だった。「異なる」と見なされた人が被害を受ける、野蛮なエピソードが起こりやすい場所でもある。

最も新しく「ニュートラル・トイレ」を備えたキャンパスに加わった大学が、イリノイ州のノース・ウェスタン大学だ。「学生たちは、自身の外見上の性別や性のアイデンティティを考えることなく、自分が安心と安全を感じることのできるトイレを選ぶことができます」と、Rainbow Alliance LGBTの代表、ミシェル・マルグリスは説明した。

これらは近年始まった戦いだが、幸運なことに、多くの学長や市長らの関心をひきつつある。現在、「ニュートラル・トイレ」の存在は、多くの都市や、国内全域に散らばる150の学校の施設において保証されている。

これもイリノイ州の話だが、その後、イリノイ州立大学は、従来「家族用」と名付けられていたトイレを、「あらゆる性」のためのトイレへと変えた。機会均等オフィスの長、マイケル・シェーン・マクレーリーによると、まさに、差別的でない環境を保証しようとする大学の努力を際立たせる動きだ。

さらに、「ニュートラル」なトイレは、家族(異なる性の親に付き添われることを必要としている子ども)にとっても、ハンディキャップをもつ人々(いつも彼らとは異なる性別の人々の援助を必要としているかもしれない)にとっても、朗報となる。さもなければ、彼らは不自由な思いをしたり、トイレの利用を諦めるよう強いられるだろう。

このような設備が根本的に重要であることの根拠に、UCLAロースクールのWilliam Instituteの研究も登場している。これによると、2013年だけでも、アンケートを受けたトランスセクシュアルの70%は、トイレの中で言語的・身体的虐待を受けたことがあると答えた。さらに、インタビューを受けた50%は、公衆トイレを避けると決めたことによって、脱水症状、尿路感染症、腎臓の感染症を含む健康上の問題を抱えたことがあると認めた。

このような深刻な問題によって、カリフォルニアでは、すでに中学校から、男性用と女性用のトイレの大部分を、トランスセクシュアルに解放するように対策が講じられた。

なにより、プライヴェートな時間を過ごす際に選択の自由を享受できること、そして侮辱を受けたり身体的に攻撃を受ける心配がないことは、ひとつの権利だ。これ以上遅らせることなく、可能なかぎり最も「快適」な形で、こうした権利を保障する必要があるだろう。