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多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

吃音:発話障害、もっと理解を にいがた言友会、19日に一般向けイベン

2013-10-18 09:40:33 | ダイバーシティ
(以下、毎日新聞から転載)
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吃音:発話障害、もっと理解を にいがた言友会、19日に一般向けイベント 「みんなで考えて」 /新潟
毎日新聞 2013年10月17日 地方版

 話そうとしても滑らかに言葉が出なかったり、話し始めの言葉を繰り返してしまったりする発話障害「吃音(きつおん)」について、理解を求めようと制定された「国際吃音啓発の日」の今月22日を前に、吃音者の自助グループ「にいがた言友会」(金子利昭会長)が19日、新潟市でイベントを開く。

 にいがた言友会は会員約40人。同市や上越市、長岡市で定期的に例会を開いて会員同士で交流や情報交換などをしている。

 イベントは19日午後2~5時、新潟市中央区の地下街、西堀ローサ七番町にある「よろっtoローサ」で「きつ音とは? きつ音を正しく理解してもらうために」と題し、会員と言語聴覚士の対談などを行う。

 吃音についてあまり知らない人に基本的な知識を得てもらうのが目的。これまで主に関係者向けのフォーラムなどを開いたことはあるが、一般向けのイベントは初めてという。

 観客からの質問も受け付ける予定で、金子会長は「吃音者は人口の1%いると言われている。みんなで吃音について一緒に考えたい」と話している。

 参加無料。問い合わせは金子会長(090・7175・2617)。【小林多美子】

条例施行で県幹部も手話学ぶ 鳥取

2013-10-18 09:40:02 | ダイバーシティ
(以下、NHK NEWSから転載)
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条例施行で県幹部も手話学ぶ 鳥取
10月17日 0時13分


手話を言語として位置づける全国で初めての手話言語条例が施行された鳥取県で、県の職員が手話を学ぶ教室が開かれました。

全国で初めてとなる鳥取県の「手話言語条例」は、手話を、「独自の言語体系を有する文化的所産」としたうえで、県や市町村に手話の普及や、手話が使いやすい環境を整備するよう義務づけています。
16日は、県民に手話への関心を高めてもらおうと、県の幹部職員を対象にした手話教室が鳥取県庁で開かれました。
職員は、県のろうあ団体連合会の職員から「こんにちは」や「すみません」などの手話を教わりました。
またタブレット型端末を使って、聴覚障害者が離れた場所にいる手話通訳者を介して、県の職員と障害者手帳の更新に伴う必要な手続きについて、やり取りの実演も行われました。
鳥取県は、この取り組みについて年内の実用化を目指していて、体験した聴覚障害者の女性は、「初めて使ったが、使い勝手がよかった。タブレット型端末を持っている人は少ないので、店舗などに置いてもらえるとありがたい」と話していました。
鳥取県障がい福祉課の日野力課長は、「県職員には、これをきっかけに広く手話を身につけてほしい」と話していました。

障害者の8割は災害避難困難 国連、126カ国調査

2013-10-11 10:15:20 | ダイバーシティ
(以下、産経新聞から転載)
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障害者の8割は災害避難困難 国連、126カ国調査
2013.10.10 23:30

 ジュネーブに事務局がある国連の国際防災戦略(ISDR)は10日、世界の身体障害者を対象にした自然災害対策に関する初のアンケート結果を発表、災害時に直ちに避難できないと答えた人が約8割に達した。

 調査には日本を含む126カ国の5450人が回答。地震や津波、台風などの災害が起きた際に直ちに避難することは「困難ではない」と答えた人は全体のわずか20%だった。6%は「避難することが全くできない」と答えた。

 一方、「十分な時間などがあれば避難は困難ではない」と答えた人は約38%に上った。

 ISDRによると、身体に何らかの障害がある人は推定で世界人口の約15%。

 今回の調査内容は2015年に仙台市で開かれる国連防災世界会議でも検討される見通し。(共同)

廃虚と化したデトロイト(後編)─交通手段の消滅が貧困を加速

2013-10-11 10:14:30 | ダイバーシティ
(以下、ウォール・ストリート・ジャーナルから転載)
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廃虚と化したデトロイト(後編)─交通手段の消滅が貧困を加速

 「自動車の街」なのに、皮肉にも貧困でマイカーが持てない。公共交通機関と言えば、地下鉄は無く、バスも間引き運転ばかり。通勤手段がままならないまま、仕事を確保できずに一層の貧困に陥る──。デトロイトでは、今日も、そんな「負の連鎖」が止まらない。

 廃屋が連ねるデトロイトの街を車で走ると、しきりに遠方をのぞき込みながら、街角でたたずんでいる人たちに出くわす。来るとも来ないとも分からないバスを待っている人たちだ。低所得層にとって唯一の足である市営バスは、財政難による路線閉鎖や本数削減で、まったく頼りにならない。

 貧困層が働き続けるための「最大の障害は『自動車免許』だ」。低所得層を対象にした住宅・就職支援団体サウスウエスト・ソリューションズで「労働力開発プログラム」の上級マネジャーを務めるメアリー・フリーマン氏はこう話す。

荒廃するデトロイト─財政破綻の傷跡

 自家用車を手に入れても、自動車保険を払えず、違反チケットを切られる。それでも、仕事に行くために運転を続け、ついには免許証を取り上げられてしまう。

 「交通手段(のなさ)が計り知れない悪影響を与えている」。同じ「労働力開発プログラム」のディレクター、リンダ・ウエスト氏も、こう指摘する。

 市政府と民間資金の財政的援助の下で、サウスウエスト・ソリューションズが核になって他の団体と主催する、いわゆるニートの若者たちを対象にした何カ月にも及ぶ就職支援コース「Earn and Learn(アーン・アンド・ラーン=稼ぎながら学ぶ)」には、2011年の開始以来、主に18~24歳のアフリカ系米国人の男性を中心に1086人が参加してきた。しかし、通うのが大変で、参加者数は最初の段階で3分の1に減ってしまい、何度も再募集せざるを得ない事態に追い込まれた。仕事とも学校とも無縁の「disconnected youth(社会から隔絶された若者)」がデトロイトで再出発を図るには、交通機関の不備やバス代の負担など、ハードルが多すぎる。

 同団体では、庭の手入れや植樹の仕方などを学ぶ「造園コース」なども実施し、エネルギー産業やエコロジー分野での職業訓練や雇用も斡旋(あっせん)している。だが、バスを3回乗り継ぎ、2キロ半近く歩かないと職場にたどり着けない人たちも少なくない。

 犯罪歴のある人や小学校6年生レベルの学力さえない人も多く、就職は至難の業だが、自分で努力することは可能だ。「一方、交通機関ときたら……。ひどすぎる。悪循環だ」と、ウエスト氏は声を大にして言う。

 ニートの若者たちを教育と職業研修、両面でサポートし、仕事へと直結させ、社会の一員として自立させる就職支援コース「アーン・アンド・ラーン」では、一日8時間、週5日の4週間の集中講座で学力を引き上げ、身だしなみや職場での行動規範、通勤手段の解決など、ソフトスキルも指南。入会時のテストに基づき、中学2年生レベルの学力をつけられるよう指導したり、一般教育修了検定(GED)や準学士号の取得を勧めたり、技術研修を行ったりする。

 4週間の研修後は「補助金付き雇用」期間へと移行。雇用主が参加者を一人雇うごとに補助金を受け取る契約の下で、参加者は半年間、大手小売りやリサイクル会社などの提携企業で見習いとして働き、経験を積む。その間もサウスウエスト・ソリューションズによる監督やテストが行われ、半年後、勤務評定が良ければ、晴れて正式採用される可能性が高い。同団体は、コース参加者の約半数に当たる570人の「補助金なしの正式雇用」を目標としているが、交通機関など、壁も立ちはだかる。

 「私たちが、彼らを実りある生活にリコネクト(再接続)する道を見つけられないとしたら、デトロイト市には到底無理だ」(ウエスト氏)。

 だが、希望の光は、容易には見えてこない。2000年6月に6.3%だった失業率は、10年6月には23.4%と、スペイン並みの高率を記録。今年4月に16%にまで下がったが、5月には0.3ポイント上昇し、6月は横ばい。7月には2.5ポイントもハネ上がり、18.3%を記録した。

 「実質的な失業率は40%くらいだろう」と、デトロイトのウェインステート大学で労働研究センターなどを統括するマリック・マスターズ経済学部教授は推測する。「デトロイトの将来がどんなものになるのか、私には分からない。未来は明るいと言いたいが、そうは答えがたい。10年後、この街は大きく変わっているのか……。分からない」

 デトロイトのダウンタウンから車で15~20分離れた、同市に四方を囲まれている1万2000人足らずの小都市ハイランドパークは、デトロイトの上をいく。金融危機真っただ中の09年には、失業率が35%を記録。現在は22~23%にまで下がったが、連邦政府が定める貧困ライン以下の生活を送る住民は4割近くに上る。

 「仕事も人も郊外に移動し、残ったのは、都市の大規模な衰退だけ」。米労働総同盟産業別組合会議(AFL-CIO)傘下の就職支援団体「ミシガン・ヒューマンリソーシズ・デベロップメント・インク(ミシガン人材育成社=HRDI)」の地域マネジャー、シェリル・サンフォード氏は言う。

 閑散としたハイランドパークの大通りに面する同オフィスには、15~20台の公共コンピューターを使って就職活動をしたり、コンサルティングや研修を受けたりする人たちが、市内やデトロイトなどから一日200~300人詰めかける。この日もデスクは満席。20~30代と見られる男女が、コンピューター画面を食い入るように見つめながら、求職情報を集めたり、履歴書を送ったりしていた。表情は真剣そのもの。私語一つない。

 ミシガンHRDIは、タイヤメーカーなどの小規模サプライヤーと提携し、主に組立工場の作業員などの仕事を紹介している。景気回復とともに雇用は増えてきたが、金融危機前のレベルには戻っておらず、賃金も、時給換算で2~3ドル下がったままだ。

 大半の利用者には扶養家族がいるため、ミシガン州の最低賃金(時給7.4ドル)以上を稼げる製造業の仕事を希望する人が多い。しかし、現在では、高卒の学歴やコンピューターの知識など、組み立て工員の採用条件も厳しくなっていることから、スキルや資格に欠ける「雇用ミスマッチ」が壁になることもしばしばだ。

 「製造業での豊富な経験があっても、テクノロジーに対応できるスキルがないと競争できない。初心者レベルの時給から始める覚悟がないと。発想を変える必要がある」と、サンフォード氏は言う。


 一方で、こうしたハンディは多々あるものの、それを乗り越えて自分の人生を取り戻したデトロイター(デトロイト市民)もいる。前出「アーン・アンド・ラーン」で4週間の心肺機能蘇生(CPR)研修を受け、4500ドルの助成金を取得、現在は歯科助手の勉強にも励むナミーシャ・ノーデンさん(32)だ。20代のころ7カ月ほど刑務所に入った経験を持つが、「研修で人生の幅が広がった」と笑う。

 何が起こるか分からない時代に備え、「jack-of-all-trades(何でも屋)」として手に職を付け、配管工のボーイフレンドを助けながら、自分たちの会社を立ち上げるのが夢だ。「自分を叱咤(しった)激励して前に進んでいる。前科はあるけど、歯科医になりたい」と、ノーデンさん。障害があって働けない父と、一家の大黒柱として働く母が住む実家を訪ねるたびに、通りに街灯がともっていないのを目にし、悲しくなるという。

 「お金があれば、周りの雑草を切ったり、街灯をつけたりして、困っている人たちを助けられるのに……」


 一方、デトロイトには退役軍人も多い(米国勢調査局2012年調べ、3万9265人)。数年の路上生活を経てサウスウエスト・ソリューションズの造園コースで学び、現在は、退役軍人用住宅で暮らしながら、サウスウエスト傘下の非営利団体で造園や植樹の仕事をするダリル・ハミルトンさん(57)も、その一人だ。

 ハミルトンさんは、高校卒業後、ベトナム戦争が終結した1975年に18歳で海兵隊に入隊。7年ほど従軍した後、郵便局のトラック運転手として、年収7万5000ドルを稼ぐまでになった。

 だが、娘二人が十代だったころ、妻がドラッグに手を染めたのをきっかけに、ハミルトンさんは、うつ病になった。アルコール中毒や、退役軍人の多くが苦しんでいるといわれる心的外傷後ストレス症候群(PTSD)も併発。ある日、給料が減ったことに腹を立て、上司にゴミ箱を投げつけ、仕事を辞めた。以来、中流層の生活から一気に転落し、離婚も経験した。

 その後、ホームレスになり、廃屋で雨風をしのぎながらスープキッチンで空腹を満たしては、病気になると退役軍人局(VA)運営の病院に駆け込む日々を送った。だが、元妻の助けで、どん底からはい上がり、昨年、シェルターに入居。サウスウエスト・ソリューションズに救いを求め、今年1月、現在の共同住宅に引っ越した。

 研修修了後、昨年6月に働き始めたころは時給10ドルだったが、今では共同リーダーとして、3人を監督。時給も3ドル上がり、月1300ドルを稼いでいる。連邦政府からの住宅補助金や月額250ドルの障害者手当のおかげで、貯金も800ドルになった。クレジットカードを持てるよう、信用履歴の改善にも奮闘中だ。

 「朝起きてバスで仕事に行き、食事も、体にいいものだけ。(タクシー運転手だった)当時の半分の稼ぎもないが、健康だし、幸せだ」と、ハミルトンさんは話す。ビールも、今ではたまに1本飲むか飲まないかだという。「もう年だからね」と、はにかむハミルトンさんにとって、時折訪ねてくる娘や孫たちとのトランプ・タイムは、至福のひと時だ。

 ミシガン州全体でひと桁しか受からないという難関の造園関係の資格試験にも挑戦している。そんなハミルトンさんの夢は2つ。造園の会社を興すことと、コンピュータープログラミングの勉強をすることだ。「将来は、ウェブデザインの仕事もできるかな……」

 デトロイトの未来へのバスは、やって来るかどうかさえ分からない。それでも、明日を信じ、懸命に生きる人たちがいる。

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肥田美佐子 (ひだ・みさこ) フリージャーナリスト

東京都出身。『ニューズウィーク日本版』の編集などを経て、1997年渡米。ニューヨークの米系広告代理店やケーブルテレビネットワーク・制作会社などに エディター、シニアエディターとして勤務後、フリーに。2007年、国際労働機関国際研修所(ITC-ILO)の報道機関向け研修・コンペ(イタリア・ト リノ)に参加。日本の過労死問題の英文報道記事で同機関第1回メディア賞を受賞。2008年6月、ジュネーブでの授賞式、およびILO年次総会に招聘され る。現在、『週刊東洋経済』『週刊エコノミスト』『ニューズウィーク日本版』『プレジデント』などに寄稿。ラジオの時事番組への出演や英文記事の執筆、経済・社会関連書籍の翻訳も行う。翻訳書に『私たちは"99%"だ――ドキュメント、ウォール街を占拠せよ』、共訳書に 『プレニテュード――新しい<豊かさ>の経済学』『ワーキング・プア――アメリカの下層社会』(いずれも岩波書店刊)など。マンハッタン在住。 www.misakohida.com

鳥取県 「手話言語条例」波及を期待 関係者「歴史的な記念日」

2013-10-10 09:19:28 | ダイバーシティ
(以下、産経新聞から転載)
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鳥取県 「手話言語条例」波及を期待 関係者「歴史的な記念日」
2013.10.9 02:13
 手話の普及と使いやすい環境づくりを目指して、8日、鳥取県議会本会議で可決された「鳥取県手話言語条例」。全国に先駆け鳥取県で条例が成立したことで、他の自治体での取り組みにも拍車がかかると関係者が期待している。

 手話を、聴覚障害者が心豊かな社会生活のため受け継いできた「言語」と位置付ける同条例。本会議で同日午前、条例が可決すると、傍聴していた全日本ろうあ連盟の西滝憲彦理事は「鳥取で手話が言語として認められ(ろうあ者の)人間としての尊厳が守られた。歴史的な記念日となった」と喜びを示した。

 成立を受け鳥取県では今年度内にさっそく、県民向けの手話講座や、タブレット端末のテレビ電話機能を通じた手話の遠隔通訳サービスのモデル事業などに着手する計画。しかし県下の普及施策とともに、条例は「全国に鳥取の取り組みを広めたい」(平井伸治知事)という波及効果も注目されている。

 言語学の分野で手話を研究する大杉豊・筑波技術大学准教授によると、世界では手話を言語と認める国レベルの法を持つ国が二十数カ国あるという。「鳥取で手話言語条例ができたことは世界に発信されよう。国を動かす力になる」と、全国的な動きの活発化に期待を示した。

年金制度は手厚い日本 それでも高齢者貧困率が高いのはなぜ?

2013-10-09 10:12:31 | ダイバーシティ
(以下、THE HUFFINGTON POSTから転載)
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年金制度は手厚い日本 それでも高齢者貧困率が高いのはなぜ?

日本は立派な?年金制度があるのに高齢者貧困率が高いのはなぜか?

国際連合は10月1日、高齢者の生活水準に関する国際比較調査の結果を発表した。日本は総合ランキング10位となっているのだが、調査結果は日本の社会保障政策の課題を浮き彫りにしており非常に興味深い。この手の国際比較ランキングは、指標のウェイトの置き方によって結果が大きく変わるので、総合ランキングの結果について議論することにはあまり意味がない。だが個別の指標については、各国の状況を如実に表しているものが多く参考になる。

調査によると日本の年金のカバー率は先進諸国の中でもかなり高い。この統計では65歳を基準値にしているので、65歳以下でも年金が支給される場合にはカバー率が100%を超える。日本は127.6%となっており、先進諸国ではフランスについて高い。諸外国は支給開始年齢が65歳以上のところが多いので、少なくともこれまでは日本はかなり恵まれていたといえる(ただし、今後は支給開始年齢が上がっていく)。

だが手厚い年金とは裏腹に、日本は高齢者の貧困率が極めて高いという特徴がある。ドイツや英国の高齢者の貧困率は10%だが日本は20%と倍以上の貧困率の高さとなっている。これは先進国ではもっとも貧富の差が激しい米国(23%)に近い水準だ。

実は日本の貧困率の高さは高齢者に限ったことではない。OECDの調査によれば、日本全体の相対的貧困率は、欧州の約2倍で、やはり米国に近い同水準だ。米国は一部を除いて公的な医療保険や年金制度がないことを考えると日本の貧困率の高さはかなり異常といってよい(米国はオバマケアによって10月1日から皆保険制度が始まったが、状況は依然不透明)。

そうなっている理由は、日本の年金制度と労働市場にある。日本は保険料を個人負担できない場合は一切年金を受け取ることができないシステムになっている。若い時に貧困状態にあると保険料を納めることができず、結果的に年金も受け取ることができないため貧困が永久に継続する。これをカバーする制度は基本的に生活保護しかない。

これに拍車をかけているのが日本の労働市場の硬直性だ。日本の場合、新卒時の就職環境で生涯年収がほぼ決まってしまう。途中で人材が入れ替わる可能性はほとんどなく、最初で失敗した人は、永久にチャンスがない。これは事実上の身分制度といってよい。

日本は所得の再分配機能が充実しているといわれるが、実はそうではない。富裕層から中間層に対する所得の再分配機能は強力だが、それ以下の層にはほとんどお金が回らない仕組みになっている。年金の問題は世代間格差が議論の対象となっているが、実は世代内格差も深刻な状況にある。社会保障制度改革を実施するにあたっては、世代内格差をどう処理するのかについても議論しないと、抜本的な解決にはならない可能性が高い。

日本には米国型の自由競争主義を否定する意見が多い。つまり日本人の多くは結果の平等を強く求めているということなのだが、現実に結果の平等は達成できていない。日本の所得分配機能はうまく機能していないのである。日本には突出した富裕層がいないことを考えると、富は中間層にのみ集中している可能性が高い。もし結果の平等を求めるのであれば、中間層に集中している富を低所得者層にもっと分配していく必要があるだろう。

ちなみに同調査では、高齢者における人生の選択肢に関する満足度は、他の先進国に比べてかなり低い。先進諸国が軒並み90%近くの満足度になっているにも関わらず、日本は71%となっており、これは中国(79%)より低く、なんと韓国(67%)に近い水準である。両国の社会が日本よりずっと息苦しいというのはこれまでの常識だったが、状況は必ずしもそうではないらしい。

日本の社会保障政策は、結果的に米国型市場原理主義と社会福祉型政策のいいとこ取りになってしまっている。高度成長時代にはその矛盾が露呈することはなかったが、経済力が落ちた今、これらが一気に顕在化しており、多くの人にとって不満足な状況となっている。

日本社会が今、大きな曲がり角に来ていることは誰もが認識している。日本は、個人の自由を最優先にした自由競争社会を望むのか、結果の平等を重視した福祉型社会の望むのか、もう一度真剣に考え直すべき時が来ている。

もし福祉型社会を望むのであれば、中間層から低所得者層への所得分配は必須となるだろう。逆に自由競争社会を望むのであれば、経済のドライバー役が期待される高所得者に対しては社会としてもっと優遇しなければならない。日本が平等な社会であったというのは幻想であり、それにしがみついている余裕はもうないのだ。

災害時に発達障害者支援 県センター

2013-10-04 10:03:21 | ダイバーシティ
(以下、読売新聞【徳島】から転載)
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災害時に発達障害者支援 県センター

◇避難所で共同生活 周囲の理解へあす講演会


発達障害者への理解を深めてもらおうと、徳島市で5日に開かれる講演会のポスター(小松島市で)
 県発達障害者総合支援センター(小松島市)が今年度、災害時の発達障害者の支援態勢づくりに取り組んでいる。東日本大震災の被災地では、発達障害者が避難所で大声を出し、他の被災者との共同生活が難しくなるといった課題が浮き彫りになっており、アンケートを行って環境整備や本人らの備えに役立たせるほか、周囲などの理解を促すため、講演会を行う。センターは「障害の分だけ、本人や家族の負担は大きくなりやすく、周囲の理解が欠かせないことを知ってほしい」としている。(川本修司)

 東日本大震災の発生後、国が被災3県で行った調査では、発達障害者が避難所で走り回るなどし、家族らが他の避難者に配慮し、避難所暮らしを断念するケースが相次いだ。その結果、被災した自宅や自家用車の車内などでの生活を余儀なくされ、救援物資を受け取れなかったり、自治体が発達障害者の居場所の把握ができなかったりする事態も起きたという。

 センターは南海トラフ巨大地震などで、県内でも同様の状況が想定されるとして、8月に福祉、防災、教育の各分野の自治体担当者らと有識者でつくる検討会を発足。障害者本人や家族、関係者が利用できるマニュアルのようなものを作成するため、本人や地域の支援団体のメンバーら約500人に「避難所にあったら良いと思う支援や工夫」などを尋ねる調査を実施してきた。

 また、周囲などに理解を深めてもらおうと、5日には、徳島市南末広町の「ろうきんホール」で「『発達障害』知って備える防災講演会」を開催。被災者の心理的支援などに取り組む徳島大の研究者が「災害後のこころの変化」をテーマにした講演などを行う。

 センターの担当者は「発達障害者は、災害時は環境に適応できずにパニックに陥りやすい」と指摘。「一見、健常者と変わらないため、災害弱者としても妊婦や高齢者と比べても優先順位が低いと見なされやすい現状を変えたい」としている。

 講演会は午後1時からで、参加無料。問い合わせはセンター(0885・34・9001)へ。

(2013年10月4日 読売新聞)

郵便局みまもりサービス試行 高齢者対象、各社の取り組み

2013-10-01 10:00:58 | ダイバーシティ
(以下、物流ウィークリーから転載)
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郵便局みまもりサービス試行 高齢者対象、各社の取り組み
2013.10.01
 少子高齢化が進み、高齢者を対象としたサービスの充実化は他社との差異化を図る上で最も重要な対策とも言える。物流事業者の高齢者を対象としたサービスには、どのようなものがあるのだろうか。

 日本郵便では10月から、北海道や宮城県、山梨県、石川県、岡山県、長崎県の一部で高齢者を対象とした「郵便局のみまもりサービス」を試行する。基本サービスは、訪問または食事会などへ招待することで生活状況を確認し、遠方の家族ら(指定の連絡先)に報告するというもの。また、健康、医療機関の紹介など、日常生活に関するあらゆる悩み相談に答える24時間電話相談も実施する。

 有料のオプションとして、買い物支援サービスも実施。会員宅に小売店の商品を設置し、商品補充・料金徴収(決済)を行うもの。平成25年度は6エリア103局で実施。同26年度以降、順次拡大する予定。

 ヤマト運輸では、「ネットスーパーサポートサービス」を実施。スーパーの業務が効率的に進み、しかもローコストで運営できるようにサポートする事業で、注文できる窓口拡大を目指し、インターネットが利用できない場合は、コールセンターやタッチ式情報端末なども導入している。

 佐川急便では平成15年から全国で、児童を対象とした「さがわきゅうびん交通安全教室」を実施しているが、要望があれば、併せて高齢者の交通安全教室も実施している。

精神病床の入院、1年程度に- 厚労省が検討会に中間まとめ案提示

2013-10-01 09:59:41 | ダイバーシティ
(以下、CBnewsから転載)
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精神病床の入院、1年程度に- 厚労省が検討会に中間まとめ案提示

 厚生労働省は30日、「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」に、これまでの議論やヒアリングを踏まえた中間取りまとめ案を示した。精神障害者の状態像や特性に応じた精神科病床における機能分化の推進や、精神科病床での入院期間は1年を超えないよう取り組みを進めることなどが盛り込まれている。この日の会合では、提示された案の方向性について大筋で了承された。


精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会(30日、厚労省内)  厚労省が提示した「良質かつ適切な精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針中間まとめ案」では、指針策定の目的として、入院医療中心の精神医療から地域生活を支えるための精神医療の実現を提唱。その実現のために、「精神科病床の機能分化」や「居宅などにおける保健医療サービスと福祉サービスの提供」、「医師や看護師などの医療従事者と、精神保健福祉士など保健福祉に関する専門知識を持つ者との連携」などについて、具体的な方策が示された。

 精神科病床の機能分化については、基本的な方向性として、「機能分化は段階的に行い、人材・財源を効率的に配分するとともに、(精神障害者の)地域移行をさらに進める」と提案。また、機能分化を進めた結果として、精神科病床は減少するとしている。

 機能分化を進める上では、多職種による患者の状況に応じた質の高いチーム医療の提供や、病院スタッフと地域の相談支援専門員や介護支援専門員らとの連携などが必要と指摘。在院期間が長い人ほど社会復帰が難しくなることから、在院期間は1年を超えないよう、退院支援などの取り組みを推進することも盛り込まれた。

■精神科診療所の医師の“輪番”も提案

 居宅などにおける保健医療サービスと福祉サービスの提供では、基本的な方向性として、「精神障害者の状態やその家族の状況に応じて、必要な時に必要な保健医療サービスおよび福祉サービスをいつでも提供できる体制を確保する」ことを提案。そのための方策として、▽外来医療体制の整備と地域医療連携の推進▽専門的かつ効果的なデイケアなどを行う体制確保▽多職種チームによる訪問支援を病院や診療所で整備▽24時間365日対応できる精神科救急医療システムや相談窓口の整備▽身体疾患を合併する患者の受け入れ体制確保▽居住の場として、グループホームなどの確保と充実―などを挙げた。特に24時間365日対応できる医療体制の確保については、具体策として、精神科診療所の医師が病院群輪番型精神科救急医療施設などに出向き、夜間・休日における救急診療を行うことが示された。

 厚労省では、この日の議論も踏まえ、中間取りまとめ案を修正した上で、10月15日の社会保障審議会障害者部会に報告する。また、10月以降は、最終的な取りまとめに向け、保健サービスや福祉サービス、多職種連携などのテーマについて議論が行われる。【ただ正芳】

経営戦略としてのダイバーシティ&インクルージョン

2013-09-30 09:59:41 | ダイバーシティ
(以下、ITproから転載)
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経営戦略としてのダイバーシティ&インクルージョン
女性の活用はタイバーシティの第一歩、価値観の多様性を強みとする企業ヘ
---NPO法人J-Win(ジャパン・ウィメンズ・イノベイティブ・ネットワーク)理事長 内永 ゆか子 氏
2013/09/30

 コンピュータとネットワークの発達により、時間・距離・国境・階層・組織の壁は低くなり、世界のあらゆることが日々の生活に直接的に影響を及ぼすようになった。将来を予測することは難しく、環境が大きく変われば今日のナンバーワンは明日のナンバーワンではなくなるかもしれない。進化論を唱えたダーウィンが「強いから生き延びるのではなく、変化に対応できたから生き延びた」と言ったように、今のビジネスには変化への対応が不可欠だ。

既存の事業モデルではなく、別のアプローチで対応を


 では、どうすれば変化に対応できるのか。成否のカギを握るのがダイバーシティ、つまり企業における多様な人材の活用だ。これからは既存のビジネスモデルをどう対応させるかではなく、別のアプローチで新しいビジネスモデルを考える必要性が高まっている。それには、同じ価値観、同じ発想、同じ歴史観を持つ人だけでは不十分だ。均質な組織と多様性豊かな組織を比べれば、新しいものを生み出す確率は後者のほうが高い。

 ビジネスでの女性活用の重要性を示す興味深い調査がある。女性活用に関する調査などを実施する米国のNPO法人(特定非営利活動法人)カタリストが米国の大企業を対象に調査したところ、上級エグゼクティブのうち女性の人数が多い上位4分のlまでの企業は、下位4分の1の企業よりも好業績を上げていた。

 とはいえ、多様な人材を集めれば企業の成長が約束されるわけではない。当然、リスクはある。多様性を放置したままなら、チームの方向が定まらず空中分解してしまう恐れがある。多様性を確保しながら、共通の目標に向かってメンバーの意識を統一することが大切だ。最近では、一歩進みインクルージョンを付け加え、ダイバーシティ&インクルージョンという表現をするようになった。多様性を受容したうえで認め合い、組織を活性化していくことがイノベーションには必須だからだ。

現地法人に女性登用を指示、進捗状況を測る指標も設定

 ダイバーシティを経営戦略の1つと位置付けて私が考えるようになったのは1990年代前半のことだ。業績不振のIBMを再建するためCEOに就任したルイス・ガースナー氏はダイバーシティを経営戦略の1つとして掲げ、世界各国の現地法人に女性を積極的に活用するように求めた。女性の登用を進めるため、進捗状況を測定する指標を設定、評価する管理システムも確立し、それを実行した。

 当時の日本IBMは日本国内では女性を登用している企業と見られていたが、世界各国にあるIBM現地法人と比べると最下位レベル。ガースナー氏は日本IBMの首脳に状況の改善と定期的な報告を求めた。

 日本IBMはその一環として社内にウィメンズ・カウンシルを設置し、そのリーダーに私を指名した。私たちは社内の女性や退職した女性たちへのヒアリング調査と議論を重ね、女性の登用を推進するための施策を提言した。その過程で女性の登用を阻害する3つの大きな要因が浮かび上がった。

 要因の1つが将来像が見えないことだ。男性なら「10年後の自分」を想像するのは容易だが、身近にお手本がない女性の場合はそうはいかない。女性に将来像を提示するには、ロールモデル(お手本)の輩出が必要だ。女性管理職の登用を意識的に進めたり、互いに悩みを共有しアドバイスし合える女性ネットワークを構築したりするのもよいだろう。

 第2の要因は、仕事と家事・育児とのバランスにある。ワークライフバランスという言葉をよく耳にするが、必要なのはバランスではなく、ワークとライフを自分でマネジメントする力だ。それには、働き方を見直し、フレックスタイムのような柔軟な就業制度はもちろん、働く人を時間で縛るのではなく、アウトプットで評価するような仕組みをつくるべきだ。

「暗黙のルールを知らない」は、女性登用の阻害要因に

 第3の要因はオールドボーイズ・ネットワークにある。長い間成功を重ねてきた企業には、明文化されていない特有のカルチャーがある。男性の新入社員なら、言葉遣いや服装などに問題があれば、先輩や上司が指摘してくれる。しかし、女性社員にはそれがない。このカルチャーの壁が女性の昇進を阻害している。解決しようとすれば、男女の違いを理解し、企業風土の改革まで踏み込まなければならない。

 ダイバーシティを実現するには、何よりも経営トップによるコミットメント(宣言)が不可欠だ。時々、経営者から「私は機会あるごとにダイバーシティの重要性を語っているのだが、ミドル層が後ろ向きで…」という愚痴を聞くが、私は「それはあなたの責任です」と答えている。スローガンとしてダイバーシティを掲げているのか、それとも本気で取り組もうとしているのか。ミドルはトップの胸の内に敏感だ。女性管理職の数値目標の設定、多様な働き方の促進、業務や評価の見える化などにより、女性が働きやすい環境の整備を進めれば、おのずとミドルもダイバーシティに前向きになる。

 ダイバーシティは女性のためのものではない。女性の活用はダイバーシティの最初のステップにすぎない。ダイバーシティを戦略的に推進することで、価値観の多様性を強みとする企業や社会をつくることができる。その途上には困難もあるだろうが、日本の企業や社会が避けては通れない課題である。同時に、それはチャレンジしがいがある課題でもある。