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文明社会の野蛮人は増えているか?

2009-08-10 11:46:03 | 社会
文明社会の野蛮人」という文を読んで思ったのですが…。つまり技術が高度になって身の回りの機械がブラックボックスになったので,ユーザはその仕組みを既に考察しなくなってしまったという話。スイッチを入れてTVが映る仕組みを今の人は考えない…と。
こういうのを「高度に発達した科学技術は魔術と区別がつかない」という言葉で表していた人もいました。
この危機感はわたしもずいぶん前から感じていて,だいぶ前に日記かどこかに書いたような気もします。ただ,その危機感は今も変わらないか?というと実はそうでもありません。
一つは昔の人はみんな機械の仕組みを知っていたか?というとそうでもないかな?ということ。そして機械の仕組みを知る人も,技術の理解しやすいところというのは時代によって変わっていて,昔も今も仕組みを考える人はいるんじゃないか?ということです。
例えば30年前は理系小僧というとラジオが聞ける仕組みを一生懸命勉強しましたが,もしかしたらお米の脱穀の仕方とか堆肥の作り方とかには興味がなかったかもしれません。また今の人はラジオの作り方は知らなくても,java scriptがかけたりwindowsのAPIを知っているかもしれませんし,ネットのパケットをみて何をやってるかを解析とかしてるかもしれません。
確かにハードウェアに関心を持つ人は減ってるかもしれませんが,それは関心のいくところが移っているだけの様な気もします。
昔のラジオ少年が興味を持っていた事に今の理系少年が興味を持たないのは今の少年の意欲が低いからじゃなく,単に世の中が話題にしないからではないでしょうか?。今の若者はネットのセキュリティとか,また脳の科学,遺伝子のこととか興味あるかもしれませんよ。
遺伝子科学というと,わたしは若い頃から多少興味があったのですが,物理とかに強かった自分には,具体的に遺伝子の解析とかをどのようにやるか?というのは未だにピンと来ません。この歳になって人間の体の中で起きている化学反応についての本とかを読んでいておぼろげに見えてきたのですが,なんか若い頃に想像していたのと解析の仕方が違っていて驚きます。なんかTVとかで解説するのを聞いてると,あたかも人体の中の化学物質や細胞とかの動きがなにか顕微鏡か何かで直接観察できるかのように表現してることが多いように思うのですが,実際は大量の細胞をすりつぶして,ミキサーにかけて,そしてその中の物質を薬品で測ったりとかしてるのもあるようです。大体動きを見るとかいっても体から体液を取り出して試薬を使って反応を見るとかで,直接ものの動きを追ってるわけでもないよな…と思います。
というわけで,一般の理系少年が,そういう具体的な解析のやり方とかをわからないとしたら,その辺の紹介の仕方とかに具体性がなくてなんか漠然とした概念ばかり紹介するから悪いんじゃないか?とか思ったりもします。わたしはコンピュータの方はわかりますが,コンピュータの方の技術の紹介も一般向けにするときにはかなり概念的になっていて,具体的にどういう風にするか?とかいうのはわかりにくくなってるように思いますから,色んな分野でもそうなんでしょう。
そういう中で先日知ったカナダの高校生がプラスチックを細菌で分解する方法を発見とかいう文章は,結構具体的にどうやったかがわかっていい解説だと思います。最新の科学も結構自宅にあるものを集めてこつこつとやればできることが多いと思うのですが,なんか一般にそういう風には紹介されないんですよね。こういう風に中高生とかがトライできるように技術を紹介していくことこそ必要なことであり,それができれば,世の中の電気製品がどういう風に動いているか?というのは,たいして知らなくてもいい様なことなのかもしれません。
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