オレンジチェックのひざかけ

昨日クリーニンング屋さんに行った時のことです。

私の前に一人の若者が来ていました。
スリムで、かっこいい、いわゆるイケメンの部類に間違いなく入る青年です。

その彼が、手に持っていたのはオレンジ色のチェックのひざかけ。

すごく高級とか。。そんな感じでもない、いわゆる普通のひざかけです。

別にそんなに汚れているという風でもなく、
たぶん主婦なら、洗濯機で洗うだろうなと思われるひざかけ。

それを、大事そうにきちっとたたんだまま、

「これ。。お願いします。。」とクリーニングやさんのおばさんに渡した青年。

「はい。」と言ったおばさんも、あまり出ないオーダーなのか、
値段表をぺらぺらとめくってクリーニング代を調べています。

「あの。。４２０円かかりますが。。」と、申し訳なさそうに言うおばさんに

「はい。。」と青年は、お財布から小銭を取りだして４２０円を渡しました。

 

その二人の一連の会話を聞き、
きちっと大事そうにたたんだどう見ても汚れているとは思えない
オレンジ色のチェックのひざかけを、じっと後ろから見ていた私は、

 

思わず。。

 

あのオレンジ色のチェックのひざかけは、
青年にとってどんなものなんだろうと考えていました。

きっと、大好きな女の子が青年に貸してくれたものに違いない。。
青年は風邪をひいていたんだろうか。。
それとも、二人でデートした時寒かったのかな。。

二人は、まだ付き合っていないか、付き合っていても間もないはず。。

だって、貸してもらったひざかけをクリーニングに出してから
返そうとしている位だから。。

と、私の想像はどんどん膨らんでいきます。

 

いつもの主人のワイシャツを受け取った私がクリーニング屋さんを出たら、

ヘルメットをかぶり、バイクにまたがりかけている青年がいました。

 

何日か後、仕上がったビニール袋に入ったあのオレンジ色のチェックのひざかけを

どんなふうにして、女の子に渡すのかな～。。頑張れ～なんて

洗濯物をかかえたおばさんが応援しているなんて思いもしない青年は

バイクにまたがって、夕暮れの町に去っていきました。

 

オレンジ色のチェックのひざかけを貸してくれた女の子、
どんな子なのかな～

 

きっと可愛くてあったかい感じの子なんだろうな～と
おばさんは、まだ一人で考えています。

 

なんて。。。勝手に決め付けていますよね。
全然違うかもしれないのにね。