森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

秋の楽しみ

2023-09-28 | 日記


 9月末になって、やっと秋らしい空と雲があらわれました。
森の中をよく見ると、まだまだがんばって咲き続けている花たち
がけっこういました。
記録的な暑さが続いたせいかもしれません。
野の花は、図鑑を見て名前を覚えようにも、なかなか探し
あてられずに諦めてしまうことが多いです。
また名前がわかっても、すぐに忘れてしまうことがこれまた多い
です。



 近くの七飯町ではリンゴの収穫が始まっています。
七飯町は日本で最初に西洋式近代農業を始めた土地で、特に
リンゴの生産では津軽や信州にならぶ生産地となっています。

 農家の人と立ち話をしたのですが、今年のリンゴの収穫は
ほぼ例年並みだそうです。
この町では6月に水力発電所でトラブルが発生して、田んぼに
供給する水が停止してしまいました。
水田は干上がりひび割れて大騒ぎになったのですが、みんなの
工夫と努力でこれを乗り越え、なんとか昨年並みの収穫に
持ち込んだとのことです。
その他の作物では、ジャガイモ、大豆、玉ねぎなども順調で
むしろ豊作といえるそうです。
玉ねぎは北海道産が全国の50%を超えていますから、これが
不作だったら、日本中に迷惑をかけることになりかねませんので、
良かったです。



 ただし、葉物野菜だけは良くなかったそうです。
この暑さで、キャベツなどが枯れたまま腐って、出荷不能
となった生産者もいたそうですから、気の毒です。
もちろん農業は収穫のこの時季がいちばん楽しいのですが、それが
悲しい歳もあります。
収穫までは何があるかわからない、一瞬たりとも気の抜けない日
の連続がこの仕事なのでしょう。
そして今、世界中が異常気象で悩んでいるのですから、この
予測不可能な問題に対応するにはたいへんな知恵と努力が要ります。
我々は農業者に感謝あるのみです。



 リンゴはこの先も収穫が続き、10月半ばから待望のオオリンが、
11月に入ると主役のフジが出回ります。
また森町の日本一のカボチャや豆類が楽しみです。
収穫の秋はまだまだ続きます。