森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

ハイエキ

2022-02-20 | 日記


 「ハイエキ」と聞いても、いったいなんのことかわかりません。
 じつは、ハイエキとは廃駅のことなのです。
 しかし廃駅と聞いても、どうなることなのか良くわかりません。
 簡単にいえば、駅に列車が停まらないということです。
 駅で列車が通過してしまうなら、乗客はどうなるんでしょう。
 どうしようもない、ということのようです。

 最近マスコミなどで、全国的に「ハイセン」という言葉を耳にするように
 なりました。
 ハイセンなら、廃線の意味なのだとすぐにわかります。
 近年、過疎地を走る鉄道は、沿線の人口減少と車の普及で採算割れをきたし、
 多くの路線が廃止となっています。
 鉄道会社も廃線には大変な決断が要るのでしょう。
 近隣の方々にとっては不便を強いられるのですから、これまた大変です。
 しかし、事業者としてはこの先まったく収益が見込めないのですから、
 しかたがない面もあると思われます。
 そして多くの場合はバス路線に転換していきます。

 しかし、廃駅はその後の手当てなど聞きません。
 ただ、列車が通り過ぎていくだけなのです。



 森の小屋からいちばん近いのがこの駅です。
 最寄り駅といっても、雪道を歩いたら小一時間はかかります。
 それでも駅舎が見えると、誰もいない無人駅とはわかっていても、ホット
 するものがあります。
 それなのに、それなのに、ここが今年廃駅になるのです。
 なんと淋しいことでしょう。
 JRによると、ここの廃駅なんて序の口で8年後には函館本線全線が廃線に
 なるとのことです。
 ですから支線であるこの鉄道なんか、その前にすっ飛んでしまうのでしょう。

 駅舎の窓辺に、近くの小学校の生徒が描いた最後のすばらしい絵が掲示され
 ていました。
 というのも、この駅舎の壁は生徒たちの描く絵の展示場、つまり駅舎ギャラリー
 になっていたのです。
 自分もそれを楽しみに来ていましたし、時々は感想をのべて励ますメモを残
 したりもしました。
 子どもたちは逞しいから、廃駅ぐらいでメゲることはないのでしょうが、
 ちょっとかわいそうな気がします。

 それにしても、遅くても8年後には全線廃線になるのは決まっていますから、
 もしバスが来なっかったらどうなるんでしょう。
 国は高齢者の免許返納を勧めているし、ド田舎でも税金はしっかり取ります。
 こうなりゃ馬を使うか、難民として街へでるか、さもなければ予定より早く
 お迎えに来てもらうしかないのでしょう。

 残すところ、一週間余りの二月です。
 希望の春は目前です。