森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

風祭

2020-08-18 | 日記


 お盆を過ぎたら急に空が高くなり、雲も夏雲ではなくなりました。
 トウモロコシが順調に育っています。
 このまま収穫まで無事に持ち込みたいものです。
 秋が近くなると心配なのは台風ですが、今年は今のところほとんど発生していません。
 しかし、例年9月には大きな台風がきて甚大な被害をもたらします。
 なんとか穏やかな9月でありますよう、祈るばかりです。



 内地では気の毒に40℃超えの酷暑の日が続いていて、熱中症の人が運ばれているよ
 うすが伝えられています。
 また、昨日はカリフォルニアで54℃にもなったそうです。
 いったい地球はどうなっているのでしょうか?
 ついに、暴れだしたのでしょうか?



 昔からある、雑節の二百十日、二百二十日は風の災害が多発していたことによるもの
 です。今年は八月三十一日と九月十一日にあたるそうです。
 かっては、各地で風を鎮めて五穀豊穣を祈る「風祭」が盛んにおこなわれていたと伝
 えられています。
 今ではほとんどなくなりましたが、伝承されて残っている貴重な祭りもあります。
 なかでも生駒の龍田神社の「風鎮大祭」は有名です。
 河内音頭のあとに、若者たちが手持ちで巨大な花火を噴き上げる風神花火奉納は
 圧巻です。
 夏の河内に、賑やかにも力強く荘厳な風物詩を展開します。
 
 一方、富山の「おわら風の盆」は宵闇のなかを、三味と二胡が導く「おわら節」を
 気高く唄い、深編笠で顔を見せない男女が小行列で踊り、幽玄な空間をつくりあげて
 進行する祭りです。
 あまり知られていない、この土地だけの小規模な祭りだったのですが、今では全国的
 に有名になっています。
 ちょうどあの頃、「おわら風の盆」が五木寛之さんの短編、「風の柩」の題材になった
 ことや、石川さゆりさんが歌ったことも影響しているのでしょう。



 北海道は幸いに自然災害の少ない地域ですが、今年の日照不足にはまいっています。
 楽しみにしていた夏のトマトもナスも、味がなくしかも驚くほど高値です。
 どんどん変化する自然環境、ここまできたらもはや人間の力ではどうにもできません。
 人間社会がこの変化にしなやかに同期していくしかないのでしょう。
 そしてそれができる国や地域が生き残るのでしょう。
 これからの子どもたちは、そんな柔軟な生き方の知恵を育んでくれるといいですね。
 そろそろ、各地で「風祭」を復活させましょう。