森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

またきたよ

2020-03-23 | 日記


 世界中がコロナで大変なことなど何も知らずに、このこたちはまたやってきました。
 
 「おじさん 久しぶり またきたよ」
    「あっ! よいこ 今年もきたんだね」
 
 「おじさん もう生きていないかと思ってた みんなで話してたんだよ それにしても
  ずいぶん老けたね」
    「あぁ 悪かったね なんとかやってたよ」
 「よかった よかった」
    
    「ところで よいこたちはいいよね 毎年生まれ変われるから 人間は一回きりだ
     もんね 少し損だよ」
 「だって おじさんたちは何十年も生きられるんでしょう ぼくたちは年に一回しか生き
  られないんだよ だから同じことさ」
    「まあ そう考えればそうだけど」
 「おじさんなんか もう自分で数えきれないほど 長く生きてるんでしょう?」
    「まあ 数えきれなくはないけど 数えたくもないなぁ」

    「でも 人間の中にも生まれ変わった人がいるんだよ なん人もいないけどね」
 「おじさんはできないの?」
    「おじさんは むりだよ 普通の人だから それに近頃は一回きりの方がいいと
     思うようになってきたんだ」
 「こんど生まれ変われたら ふきのとうになれるといいね」
    「まあね・・・・・・」
     



 よいこたちとお話しながら春先の森を歩いていると、どこまでも行ってしまいます。
 誰もいないからいいようなものの、他人が見ていたら変な人と思われるのでしょうね。
 気を付けねば。



 お昼ごろ突然雪が降りだして、一時間ほどがんがん降ってピタリとやみました。
 すると見る見るうちに雲が切れて、嘘のように青空が広がりました。
 今年の「なごり雪」だったようです。

   ・・・森でみる雪はこれが最後ねと さみしそうに君がつぶやく
      なごり雪も降る時を知り ふざけすぎた季節のあとで
      今春が来て君はじじいになった
      去年よりずっとじじいになった🎵・・・
  
 イルカさんや伊勢正三さん、最近あまり聞かないけれど元気なのかなぁ?

 毎年この時季は若い植物たちの生命力に煽られて、冬の間よたよたしていた体が
 不思議とシャキッとしてきます。
 感謝しています。