武産通信

東山三十六峰 月を賞で 雪を楽しみ 花に酔う

精神武道 田中万川語録

2021年04月04日 | Weblog

 精神武道 田中万川語録

植芝盛平先生は大先生「おおせんせい」と呼ばれていた。

大阪弁で、全国から師範が集まる席で大先生は「伊三郎(本名)は、これから万川を名乗るから」と皆んなの前で紹介してくれはったのや。

合気道は精神武道です。大先生は、古事記を読みなさいといわれた。

合気道は和合の気、魂の恵みがあり、気の流れがあってものが産まれる、これが武産です。

合気道の気とは、有限の意識による腕力と違って、無意識に働く無尽蔵の活力をいいます。

合気道は敵をつくらない争わない気の世界であり、この練磨によって、この禊によって現実の社会の乱れを清浄に戻すことができるのです。武は大愛であり、この大愛の精神こそ天地和合、人類大和の道といえるのです。

大先生が木剣の素振りを始められると、その気合で足がすくんで近づくことが出来なかった。

気合がない、気合を入れなあかん。大先生の気合は凄かった。気合を入れると、大先生の顔が(両掌を顔に近づけて)こんなに大きくなった。

大先生が怒ると、あの白い髭がピィーンと立った。

鞍馬山にて、大先生の禊に言霊の行と淡路之穂之狭別の行があります。

言霊の行は野外でします。まず右手に剣を持って脇に立て、左手は帯に添える。次にアーと剣を頭上高くかざす。そしてオーと剣を降ろして元の位置に戻す。次に両手で剣を持ってウと入れ、エ、イと魂の比礼振りをする。

滝川を示し、流れている水は呼吸をしている。呼吸をしている水は腐らないが、停滞したした水は腐ってしまう。そして、呼吸をしている水はその音を発する。それが即ち響きなのです。正しく呼吸をしていれば、そこに響きが生じるのです。 「イエイ」

淡路之穂之狭別の行は、天の浮橋に立たされてスーウウユームウと右旋回に螺旋に上がり、左旋回に螺旋に降りる。まず杖の真ん中を両手で握り正面に立てる。次に杖の先端を握り頭上高くスーウと螺旋に突き上げ、ウユームウと左旋回に螺旋を描いて杖を下ろし元の位置に戻す。そして再び杖の真ん中を握り反転させてイエイとさし下ろし、左、右へ回す。

スの根源なくして技は産れません。〇にゝの中心があってこそ△〇口が生れるのです。心の恵をもって統一体となり、自在の気をもって技となします。△は入身、〇と口は気の流れで、喰い入り、喰い込み、喰い止まるのです。

水火の結びは、縦と横。表三角、横三角、裏三角と法線に従って六方に捌く。極意は捌きです。

田中万川先生のご自宅に道歌の衝立があった。

       右手をば陽にあらはし左手は陰にかへして敵をみちびけ

先生曰く、この導く掌を宇気比「うけひ」という。

床の間には黒鞘の刀が置いてあった。私が「竹光ですか」と問うと、先生は「これでも人は斬れる」とお答えになった。

口髭をたくわえダブルのスーツで愛車スカGに乗られていたお姿が想い出される。

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