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2018 宅建士試験ワンポイント解説(権利関係・重要問題①)

2018-10-30 | Weblog
【問 1】 AがBに甲土地を売却した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 甲土地につき売買代金の支払と登記の移転がなされた後、第三者の詐欺を理由に売買契約が取り消された場合、
 原状回復のため、BはAに登記を移転する義務を、AはBに代金を返還する義務を負い、各義務は同時履行の関係となる。
2 Aが甲土地を売却した意思表示に錯誤があったとしても、Aに重大な過失があって無効を主張することができない場合は、
 BもAの錯誤を理由として無効を主張することはできない。
3 AB間の売買契約が仮装誠渡であり、その後BがCに甲土地を転売した場合、Cが仮装譲渡の事実を知らなければ、Aは、
 Cに虚偽表示による無効を対抗することができない。
4 Aが第三者の詐欺によってBに甲土地を売却し、その後BがDに甲土地を転売した場合、Bが第三者の詐欺の事実を知らなかった
 としても、Dが第三者の詐欺の事実を知っていれば、Aは詐欺を理由にAB聞の売買契約を取り消すことができる。

意思表示      
①正 売買契約が取り消され、原状回復(売買契約前の状態に戻す)のときは、同時履行が原則である。
②正 錯誤無効を主張できるのは、表意者だけである。相手方が錯誤無効を主張することはできない。
③正 虚偽表示は無効であるが、善意の第三者には対抗できず、Cが善意であれば、
Aは、Cに虚偽表示による無効を対抗することができない。
④誤 相手方Bは善意なので、AはBに対し契約を取消すことはできない。第三者Dが登場しても結果は変わらない。
試験にデルノートⅡ 権利関係P1~2


【問 2】Aが、所有する甲土地の売却に関する代理権をBに授与し、BがCとの聞で、Aを売主、Cを買主とする甲土地の
売買契約(以下この間において「本件契約」という。)を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、
正しいものはどれか。
1 Bが売買代金を着服する意図で本件契約を締結し、Cが本件契約の締結時点でこのことを知っていた場合であっても、
本件契約の効果はAに帰属する。
2 AがBに代理権を授与するより前にBが補助開始の審判を受けていた場合、Bは有効に代理権を取得することができない。
3 BがCの代理人にもなって本件契約を成立させた場合、Aの許諾の有燕にかかわらず、本件契約は無効となる。
4 AがBに代理権を授与した後にBが後見開始の審判を受け、その後に本件契約が締結された場合、Bによる本件契約の締結は
無権代理行為となる。

代 理
①誤 「民法93条但書類推適用」により、代理権の濫用の効果(目的)は代理行為が本人に効果帰属しない(判例)。
つまり、本人に不利益与えることを目的に契約を締結するということは、「心裡留保」のように判断でき、相手方が悪意であれば、
その意思表示は無効となる。
②誤 代理人は、行為能力者であることを要しない。
③誤 双方代理は原則禁止としているが、本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
④正 代理人が後見開始の審判を受けた場合、代理権は消滅する。したがって、無権代理となる。
試験にデルノート権利関係P5~6


【問 6】Aが所有する甲土地上にBが乙建物を建築して所有権を登記していたところ、AがBから乙建物を買い取り、その
Aが甲土地にCのために抵当権を設定し登記した。この場合の法定地上権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、
誤っているものはどれか。
1 Aが乙建物の登記をA名義に移転する前に甲土地に抵当権を設定登記していた場合、甲土地の抵当権が実行されたとしても、
乙建物のために法定地上権は成立しない。
2 Aが乙建物を取り壊して更地にしてから甲土地に抵当権を設定登記し、その後にAが甲土地上に丙建物を建築していた場合、
甲土地の抵当権が実行されたとしても、丙建物のために
法定地上権は成立しない。
3 Aが甲土地に抵当権を設定登記するのと同時に乙建物にもCのために共同抵当権を設定登記した後、乙建物を取り壊して丙建物を
建築し、内建物にCのために抵当権を設定しないまま甲土地の抵当権が実行された場合、丙建物のために法定地上権は成立しない。
4 Aが甲土地に抵当権を設定登記した後、乙建物をDに譲渡した場合、甲土地の抵当権が実行されると、乙建物のために法定地上権
が成立する。

抵当権
①誤 AがBから乙建物を買い取り、その後、Aが甲土地にCのために抵当権を設定し、登記したので、抵当権設定時に土地と
建物が同一所有者であるので、法定地上権は成立する。
②正 更地に抵当権を設定した場合、法定地上権は成立しない。
③正 再築された丙建物にCのために同順位の抵当権を設定していないので、法定地上権は成立しない。
④正 抵当権設定時に土地と建物が同一所有者であれば、その後、所有者が変わっても法定地上権は成立する。
試験にデルノート権利関係P15~16


【問 9】Aは、平成30年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を
締結した。この場合の相殺に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 BがAに対して同年12月31日を支払期日とする貸金債権を有している場合には、Bは同年12月1日に売買代金債務と当該貸金債権を
対当額で相殺することができる。
2 同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差し押さえられても、Bは、同年11月2日から12月1日までの聞にAに対する
別の債権を取得した場合には、同年12月1日に売買代金債務と当該債権を対当額で相殺することができる。
3 同年10月10日、BがAの自動車事故によって被害を受け、Aに対して不法行為に基づく損害賠償債権を取得した場合には、
Bは売買代金債務と当該損害賠償債権を対当額で相殺することができる。
4 BがAに対し同年9月30日に消滅時効の期限が到来する貸金債権を有していた場合には、Aが当該消滅時効を援用したとしても、
Bは売買代金債務と当該貸金債権を対当額で相殺することができる。

相 殺
①誤 ABの債権は、平成30年12月31日を支払期日とする貸金債権であるため、12月1日の時点で、弁済期ではないので、
Bからは、相殺することができない。
②誤 Cが債権を差し押さえた場合、Bは、差押後に取得した債権と、差押えを受けた債権を相殺することができない。
③正 不法行為の加害者Aからは相殺することができないが、被害者Bからは相殺することができる。
④誤 自働債権が時効によって消滅している場合でも、その消滅以前に相殺適状にあったときには相殺することができる。
しかし、「平成30年9月30日」時点では、売買代金債務は発生していないので、相殺適状ではない。
試験にデルノート権利関係P31~32


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