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必勝!合格請負人 宅建試験編

資格講座の講師をしています。役立つ情報を提供します。

2024 宅建士試験ワンポイント解説(権利関係 重要問題①)

2025-02-16 | Weblog
【宅建令和06年問01】法律行為
法律行為に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1.営業を許された未成年者が、その営業に関する意思表示をした時に意思能力を有しなかった場合は、その法律行為は無効である。
2.公の秩序に反する法律行為であっても、当事者が納得して合意した場合には、その法律行為は有効である。
3.詐欺による意思表示は取り消すことによって初めから無効であったとみなされるのに対し、強迫による意思表示は取り消すまでもなく無効である。
4.他人が所有している土地を目的物にした売買契約は無効であるが、当該他人がその売買契約を追認した場合にはその売買契約は有効となる。

解説
正 意思能力を欠いている者の意思表示は無効である。
② 誤 公の秩序に反する法律行為は無効である。
③ 誤 強迫による意思表示も取り消すことによって初めから無効であったとみなされる。
④ 誤 他人が所有している土地を目的物にした売買契約は有効である。

【宅建令和06年問02】委任契約・準委任契約
委任契約・準委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1.売主が、売買契約の付随義務として、買主に対して、マンション専有部分内の防火戸の操作方法につき説明義務を負う場合、
 業務において密接な関係にある売主から委託を受け、売主と一体となって当該マンションの販売に関する一切の事務を行っていた宅地建物取引業者も、
 買主に対して、防火戸の操作方法について説明する信義則上の義務を負うことがある。
2.受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。
3.委任契約で本人が死亡しても代理権が消滅しない旨を合意して代理人に代理権を与えた場合、本人が死亡しても代理権は消滅しない。
4.委任は、当事者の一方が仕事を完成することを相手方に約し、相手方がその仕事の結果に対しその報酬を支払うことを約さなければ、その効力を生じない。

解説
① 正 売主が、売買契約の付随義務として、買主に対して、説明義務を負う場合、業務において密接な関係にある売主から委託を受け、
    売主と一体となって一切の事務を行っていた宅地建物取引業者も、買主に対して、信義則上の義務を負うことがある(最判平17.9.16)。
② 正 受任者は、委任者の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復受任者を選任することができない。
③ 正 委任契約で本人が死亡しても代理権が消滅しない旨の合意がある場合、任意規定であるため、本人が死亡しても代理権は消滅しない。
誤 委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。請負の定義である。

【宅建令和06年問03】共有
甲土地につき、A、B、C、Dの4人がそれぞれ4分の1の共有持分を有していて、A、B、CのいずれもDの所在を知ることができない場合に関する次の記述のうち、
民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。なお、Dの共有持分は、相続財産には属していないものとする。

1.甲土地に、その形状又は効用の著しい変更を伴う変更を加える場合には、共有者の過半数の同意が必要であり、本件ではA、B、C3人の同意が必要となる。
2.甲土地の所有権の登記名義人となっている者が所有者ではないEである場合、持分に基づいてEに対して登記の抹消を求めるためには、
 所在が判明しているA、B、Cのうち2人の同意が必要である。
3.A、B、C3人の同意があれば、甲土地を資材置場として賃借したいFとの間で期間を3年とする賃貸借契約を締結することができる。
4.Aが裁判所に請求して、裁判所がDの持分をAに取得させる旨の決定をした場合、Dは、その決定から3年以内に限り、Aが取得したDの共有持分の時価相当額を
Aに対して支払うよう請求することができる。

解説
① 誤 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に形状又は効用の著しい変更を伴う変更を加えることができない。過半数の同意ではない。
② 誤 保存行為は単独ですることができる。
正 所在等不明共有者以外の共有者の持分の過半数により、管理に関する事項を決定することができる。土地の賃借権等は5年以内である。
④ 誤 所在等不明共有者がいる場合には、裁判所の決定を得て、共有持分を取得・処分することができる。共有持分の時価相当額を支払うよう請求する期間は
    3年以内に限定されない。

【宅建令和06年問04】相続
Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約(以下この問において「本件契約」という。)が締結された直後にAが死亡し、CがAを単独相続した場合における
次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1.売買代金を受領したCが甲土地の引渡しを拒絶する意思を明確に表示したとしても、Bは、Cに対して相当の期間を定めた催告をしなければ、
 本件契約を解除することができない。
2.Bが期日までに売買代金を支払わない場合であっても、本件契約の解除権はAの一身に専属した権利であるため、Cは本件契約を解除することはできない。
3.Bは、売買代金が支払い済みだったとしても、甲土地の所有権登記を備えなければ、Cに対して甲土地の引渡しを請求することはできない。
4.本件契約が、Aの詐欺により締結されたものである場合、BはCに対して、本件契約の取消しを主張することができる。

解説
① 誤 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したときは、催告は不要である
② 誤 解除権は一身に専属した権利ではなく、相続される。
③ 誤 相続人は、当事者の関係にあり、登記の欠缺を主張するにつき正当な利益を有する者ではない。
相続人は、当事者の関係にあり、相手方は、詐欺による意思表示を取り消すことができる。

令和6年度宅建士試験合格発表!!

2024-11-27 | Weblog
◆合否判定基準

50問中37問以上正解(登録講習修了者45問中32問以上正解)

受験者241,436人
合格者44,992人
合格率18.6%
過去10年で最多の合格者数です。

5問免除の登録講習修了者
合格率21.9%

  
  基本問題でミスをどれだけ少なくできたかが合否を分けることになりました。
    
  合格された方は本当におめでとうございます。



詳細はこちら
をご覧ください。
<財団法人不動産適正取引推進機構のウェブサイト>
こちら

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本試験の結果(点数)をお知らせいただけるとありがたいです。

( goro-go_k@hotmail.co.jp )@を小文字にしてください。

令和6年度宅建士試験お疲れ様でした

2024-10-20 | Weblog
皆さんお疲れ様でした。

試験はいかがでしたか?

私も「一言解説」のため解きましたが、
民法は難問が出題されました。
個数問題の問6、民法の条文を問う問8、債務引受契約等の問9は難問でした。
借地借家法は比較的得点しやすい問題でした。
法令上の制限については、基本的知識を使って消去法で正解を導くことができました。
しかし、基本問題(特に宅建業法)でミスをどれだけ少なくできたかが合否を分けることになると思います。

現在の個人的感想では「37±1」です。

LECの解答速報会
令和6年度宅建士試験 解答速報



本当の結果は

発表にならないとわかりません。

今は試験の疲れをゆっくり癒してください。

そして・・・
マン管・管業・賃貸不動産を受験される方は、早く頭を切り換えて
ダブル・トリプル合格を目指して頑張ってください。


ブログ読者の皆さん全員が合格されていますことを
心よりお祈り申し上げます。

2023 宅建士試験ワンポイント解説(法令上の制限 重要問題②)

2024-09-08 | Weblog
出題項目 建築基準法(建築基準法総合)

問17 建築基準法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定し、当該区域内における住居の用に供する建築物の建築を
 禁止することができる。
2.3階建て以上の建築物の避難階以外の階を、床面積の合計が1,500㎡を超える物品販売業の店舗の売場とする場合には、当該階から避難階又は地上に通ずる
 2以上の直通階段を設けなければならない。
3.建築物が防火地域及び準防火地域にわたる場合、その全部について準防火地域内の建築物に関する規定を適用する。
4.石綿等をあらかじめ添加した建築材料は、石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を受けたものを除き、
 使用してはならない。

解説
正解 3
① 正 地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定し、当該区域内における住居の用に供する建築物の建築を
    禁止することができる。
② 正 3階建て以上の建築物の避難階以外の階を、床面積の合計が1,500㎡を超える物品販売業の店舗の売場とする場合には、当該階から避難階又は地上に通ずる
    2以上の直通階段を設けなければならない。
③ 誤 建築物が、防火地域・準防火地域にまたがる場合には、最も厳しい防火地域の規制が適用される。
④ 正 石綿等をあらかじめ添加した建築材料は、石綿等を飛散又は発散させるおそれがないものとして国土交通大臣が定めたもの又は国土交通大臣の認定を
   受けたものを除き、使用してはならない。


試験にデルノート7 法令上の制限 P9~18、P46

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出題項目 建築基準法(建築基準法総合)

問18 次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。

1.法第53条第1項及び第2項の建蔽率制限に係る規定の適用については、準防火地域内にある準耐火建築物であり、かつ、街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で
 特定行政庁が指定するものの内にある建築物にあっては同条第1項各号に定める数値に10分の2を加えたものをもって当該各号に定める数値とする。
2.建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならず、地盤面下に設ける建築物においても同様である。
3.地方公共団体は、その敷地が袋路状道路にのみ接する建築物であって、延べ面積が150㎡を超えるものについては、一戸建ての住宅であっても、条例で、
 その敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係に関して必要な制限を付加することができる。
4.冬至日において、法第56条の2第1項の規定による日影規制の対象区域内の土地に日影を生じさせるものであっても、対象区域外にある建築物であれば一律に、
 同項の規定は適用されない。

解説
正解 1
① 正 準防火地域内にある準耐火建築物であり、かつ、街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物にあっては
    都市計画において定められた建蔽率の数値に10分の2をを加えた数値が建蔽率の限度となる。
② 誤 地盤面下に設ける場合は道路に突き出して建築し、又は築造できる。
③ 誤 敷地が袋路状道路にのみ接する延べ面積が150㎡を超える建築物(一戸建ての住宅を除く。)については、地方公共団体が、条例で、接道義務を付加することができる。
④ 誤 日影規制の適用対象区域外にある建築物であっても、高さが10mを超え、冬至日において対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該適用対象区域内に
    ある建築物とみなして日影規制が適用される。


試験にデルノート7 法令上の制限 P9~18



2023 宅建士試験ワンポイント解説(法令上の制限 重要問題①)

2024-06-10 | Weblog
出題項目 都市計画法(都市計画の内容)

問15 都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.市街化調整区域は、土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、
 将来における一体の都市としての整備に支障が生じるおそれがある区域とされている。
2.高度利用地区は、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため、都市計画に、建築物の高さの最低限度を定める地区とされている。
3.特定用途制限地域は、用途地域が定められている土地の区域内において、都市計画に、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とされている。
4.地区計画は、用途地域が定められている土地の区域のほか、一定の場合には、用途地域が定められていない土地の区域にも定めることができる。

解説
正解 4
① 誤 準都市計画区域の説明である。市街化調整区域は、市街化を抑制すべき区域である。
② 誤 高度地区の説明である。高度利用地区は、容積率の最高限度・最低限度等の制限を定める地区である。
③ 誤 特定用途制限地域は、用途地域が定められていない区域内において、都市計画に、制限すべき特定の建築物等の用途の概要を定める地域とされている。
④ 正 地区計画は、用途地域が定められている土地の区域のほか、一定の場合には、用途地域が定められていない土地の区域にも定めることができる。

試験にデルノート7 法令上の制限 P1~2

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出題項目 都市計画法(開発許可)
問16 都市計画法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。ただし、この問において条例による特別の定めはないものとし、
  「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市、中核市及び施行時特例市にあってはその長をいうものとする。

1.開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。
2.開発許可を受けた者は、当該許可を受ける際に申請書に記載した事項を変更しようとする場合においては、都道府県知事に届け出なければならないが、
 当該変更が国土交通省令で定める軽微な変更に当たるときは、届け出なくてよい。
3.開発許可を受けた者は、当該開発行為に関する工事が完了し、都道府県知事から検査済証を交付されたときは、遅滞なく、
 当該工事が完了した旨を公告しなければならない。
4.市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内において、自己の居住用の住宅を新築しようとする全ての者は、
 当該建築が開発行為を伴わない場合であれば、都道府県知事の許可を受けなくてよい。

解説
正解 1
① 正 開発許可を申請しようとする者は、あらかじめ、開発行為に関係がある公共施設の管理者と協議し、その同意を得なければならない。
② 誤 開発許可を受けた者は、当該許可を受ける際に申請書に記載した事項を変更しようとする場合においては、都道府県知事の許可を受けなければならない。
    軽微変更の場合は、届け出なければならない。
③ 誤 開発行為に関する工事が完了した旨を公告するのは、都道府県知事である。
④ 誤 市街化調整区域のうち開発許可を受けた開発区域以外の区域内において、新築しようとする者は、原則として、都道府県知事の許可を受けなければならない。

試験にデルノート7 法令上の制限 P5~8


2023 宅建士試験ワンポイント解説(権利関係 重要問題④)

2024-04-07 | Weblog
出題項目 民法(請負)
問3 Aを注文者、Bを請負人として、A所有の建物に対して独立性を有さずその構成部分となる増築部分の工事請負契約を締結し、Bは3か月間で増築工事を終了させた。
  この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
   なお、この問において「契約不適合」とは品質に関して契約の内容に適合しないことをいい、当該請負契約には契約不適合責任に関する特約は
  定められていなかったものとする。

1.AがBに請負代金を支払っていなくても、Aは増築部分の所有権を取得する。
2.Bが材料を提供して増築した部分に契約不適合がある場合、Aは工事が終了した日から1年以内にその旨をBに通知しなければ、契約不適合を理由とした修補を
 Bに対して請求することはできない。
3.Bが材料を提供して増築した部分に契約不適合があり、Bは不適合があることを知りながらそのことをAに告げずに工事を終了し、Aが工事終了日から3年後に
 契約不適合を知った場合、AはBに対して、消滅時効が完成するまでは契約不適合を理由とした修補を請求することができる。
4.増築した部分にAが提供した材料の性質によって契約不適合が生じ、Bが材料が不適当であることを知らずに工事を終了した場合、AはBに対して、
 Aが提供した材料によって生じた契約不適合を理由とした修補を請求することはできない。

解説
正解 2
① 正 不動産の所有者は、その不動産に従として付合した物の所有権を取得するので、増築部分の所有権を取得する。
② 誤 注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しなければ、契約不適合を理由とした修補を請求することはできない。
③ 正 請負人は不適合があることを知りながらそのことを告げなかったので、注文者は通知せずに、消滅時効が完成するまでは契約不適合を理由とした修補を
    請求することができる。
④ 正 注文者は、請負人が材料が不適当であることを知らずに、注文者の供した材料の性質によって生じた不適合を理由として、契約不適合を理由とした修補を
    請求することはできない。

試験にデルノート7 権利関係P37

出題項目 建物区分所有法
問13 建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1.集会においては、法で集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除き、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても
 決議することができる。
2.集会は、区分所有者の4分の3以上の同意があるときは、招集の手続を経ないで開くことができる。
3.共用部分の保存行為は、規約に別段の定めがある場合を除いて、各共有者がすることができるため集会の決議を必要としない。
4.一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者が8人である場合、
 3人が反対したときは変更することができない。

解説
正解 2
① 正 集会においては、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる。
② 誤 招集の手続きをしないで集会を開くには、区分所有者全員の同意が必要である。
③ 正 共用部分の保存行為は、規約に別段の定めがある場合を除いて、各共有者がすることができる。
④ 正 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものについての区分所有者全員の規約は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の1/4超
    またはその議決権の1/4超を有する者の反対がないことが必要である。区分所有者が8人である場合、反対者が「8人×1/4=2人」を超える3人が反対したときは
    変更することができない。

試験にデルノート7 権利関係P33~34


2023 宅建士試験ワンポイント解説(権利関係 重要問題③)

2024-03-01 | Weblog
出題項目 民法(取得時効)
問6 A所有の甲土地について、Bが所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合に関する次の記述のうち、
  民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。
ア AがCに対して甲土地を売却し、Cが所有権移転登記を備えた後にBの取得時効が完成した場合には、Bは登記を備えていなくても、甲土地の所有権の時効取得を
 Cに対抗することができる。
イ Bの取得時効が完成した後に、AがDに対して甲土地を売却しDが所有権移転登記を備え、Bが、Dの登記の日から所有の意思をもって平穏にかつ公然と
 時効取得に必要な期間占有を継続した場合、所有権移転登記を備えていなくても、甲土地の所有権の時効取得をDに対抗することができる。
ウ Bの取得時効完成後、Bへの所有権移転登記がなされないままEがAを債務者として甲土地にAから抵当権の設定を受けて抵当権設定登記をした場合において、
 Bがその後引き続き所有の意思をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合、特段の事情がない限り、再度の時効取得により、Bは甲土地の
 所有権を取得し、Eの抵当権は消滅する。

1.一つ
2.二つ
3.三つ
4.なし

解説
正解 3
ア 正 時効完成により所有権を取得した者は、時効完成前に所有者から所有権を譲り受けた者に対して、登記なくして所有権を対抗することができる。
イ 正 時効完成により所有権を取得した者と、時効完成後に所有者から所有権を譲り受けた者とは、対抗関係になるが、登記の日から所有の意思をもって
   平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合、所有権移転登記を備えていなくても、所有権の時効取得を対抗することができる。
ウ 正 取得時効完成後、所有権移転登記がなされないまま第三者が所有者から抵当権の設定を受けて抵当権設定登記をした場合において、その後引き続き所有の意思
   をもって平穏にかつ公然と時効取得に必要な期間占有を継続した場合、特段の事情がない限り、再度の時効取得により、所有権を取得し、抵当権は消滅する。

試験にデルノート7 権利関係P3~4


出題項目 民法(配偶者居住権)
問7 甲建物を所有するAが死亡し、Aの配偶者Bが甲建物の配偶者居住権を、Aの子Cが甲建物の所有権をそれぞれ取得する旨の遺産分割協議が成立した場合
  に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1.遺産分割協議において、Bの配偶者居住権の存続期間が定められなかった場合、配偶者居住権の存続期間は20年となる。
2.Bが高齢となり、バリアフリーのマンションに転居するための資金が必要になった場合、Bは、Cの承諾を得ずに甲建物を第三者Dに賃貸することができる。
3.Cには、Bに対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務がある。
4.Cは、甲建物の通常の必要費を負担しなければならない。

解説
正解 3
① 誤 配偶者居住権の存続期間は、原則として、配偶者の終身の間である。
② 誤 第三者に賃貸するには、所有者の許諾を要する。
③ 正 所有者には、配偶者に対し、配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務がある。
④ 誤 配偶者が、居住建物の通常の必要費を負担する。

試験にデルノート7 権利関係P29



2023 宅建士試験ワンポイント解説(権利関係 重要問題②)

2024-02-27 | Weblog
出題項目 借地借家法(借地)

問11 AがBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で期間を50年とする賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する
  次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1.本件契約に、当初の10年間は地代を減額しない旨の特約を定めた場合、その期間内は、BはAに対して地代の減額請求をすることはできない。
2.本件契約が甲土地上で専ら賃貸アパート事業用の建物を所有する目的である場合、契約の更新や建物の築造による存続期間の延長がない旨を定めるためには、
 公正証書で合意しなければならない。
3.本件契約に建物買取請求権を排除する旨の特約が定められていない場合、本件契約が終了したときは、その終了事由のいかんにかかわらず、BはAに対して
 Bが甲土地上に所有している建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
4.本件契約がBの居住のための建物を所有する目的であり契約の更新がない旨を定めていない契約であって、期間満了する場合において甲土地上に建物があり、
 Bが契約の更新を請求したとしても、Aが遅滞なく異議を述べ、その異議に更新を拒絶する正当な事由があると認められる場合は、本件契約は更新されない。

解説
正解 4

① 誤 地代を減額しない旨の特約は無効であるので、その期間内は、地代の減額請求をすることができる。
② 誤 建物所有目的で期間を50年とする賃貸借契約(長期の定期借地権)なので、書面で契約することができる。
③ 誤 債務不履行を理由とする解除の場合には、建物買取請求権は認められない。
④ 正 期間満了する場合において土地上に建物があり、借地権者が契約の更新を請求したとしても、借地権設定者が遅滞なく異議を述べ、
   その異議に更新を拒絶する正当な事由があると認められる場合は、契約は更新されない。

試験にデルノート7 権利関係P23~26


出題項目 借地借家法(借家)

問12 建物の賃貸借契約(定期建物賃貸借契約及び一時使用目的の建物の賃貸借契約を除く。)に関する次の記述のうち、
  民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。

1.期間を1年未満とする建物の賃貸借契約は、期間を1年とするものとみなされる。
2.当事者間において、一定の期間は建物の賃料を減額しない旨の特約がある場合、現行賃料が不相当になったなどの事情が生じたとしても、
 この特約は有効である。
3.賃借人が建物の引渡しを受けている場合において、当該建物の賃貸人が当該建物を譲渡するに当たり、当該建物の譲渡人及び譲受人が、
 賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨及び当該建物の譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は譲受人に移転しない。
4.現行賃料が定められた時から一定の期間が経過していなければ、賃料増額請求は、認められない。

解説
正解 3

① 誤 期間を1年未満とする建物の賃貸借契約は、期間の定めのないものとみなされる。
② 誤 一定の期間は建物の賃料を減額しない旨の特約は無効である。
③ 正 賃借人が建物の引渡しを受けている場合、当該建物の賃貸人が当該建物を譲渡するに当たり、当該建物の譲渡人及び譲受人が、賃貸人たる地位を譲渡人に
    留保する旨及び当該建物の譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は譲受人に移転しない。
④ 誤 「現行賃料が定められた時から一定の期間が経過していなければ、賃料増額請求は、認められない」旨の規定はない。

試験にデルノート7 権利関係P27~28


2023 宅建士試験ワンポイント解説(権利関係 重要問題①)

2024-01-13 | Weblog
出題項目 民法 相隣関係

問1 相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1.土地の所有者は、境界標の調査又は境界に関する測量等の一定の目的のために必要な範囲内で隣地を使用することができる場合であっても、住家については、
 その家の居住者の承諾がなければ、当該住家に立ち入ることはできない。
2.土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越える場合、その竹木の所有者にその枝を切除させることができるが、その枝を切除するよう催告したにもかかわらず
 相当の期間内に切除しなかったときであっても、自らその枝を切り取ることはできない。
3.相隣者の一人は、相隣者間で共有する障壁の高さを増すときは、他方の相隣者の承諾を得なければならない。
4.他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に出るためにその土地を囲んでいる他の土地を自由に選んで通行することができる。

解説
正解 1
  ① 正 土地の所有者は、境界標の調査又は境界に関する測量等の目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。
       ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない。
  ② 誤 相当の期間内に切除しなかったときは、その枝を切り取ることができる。
  ③ 誤 相隣者間で共有する障壁の高さを増すときに、他方の相隣者の承諾を要する旨の規定はない。
  ④ 誤 他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。


出題項目 民法 不在者

問5 従来の住所又は居所を去った者(以下この問において「不在者」という。)の財産の管理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
  なお、この問において「管理人」とは、不在者の財産の管理人をいうものとする。

1.不在者が管理人を置かなかったときは、当該不在者の生死が7年間明らかでない場合に限り、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、
 その財産の管理について必要な処分を命ずることができる。
2.不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官から請求があったとしても管理人を
 改任することはできない。
3.家庭裁判所により選任された管理人は、不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認容した第一審判決に対して控訴を提起するには、家庭裁判所の許可が必要である。
4.家庭裁判所により選任された管理人は、保存行為として不在者の自宅を修理することができるほか、家庭裁判所の許可を得てこれを売却することができる。

解説
正解 4
① 誤 従来の住所又は居所を去った者がその財産の管理人を置かなかったときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、その財産の管理について必要な
    処分を命ずることができる。しかし、生死が7年間明らかでない場合という規定はない。
② 誤 不在者が管理人を置いた場合において、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求により、管理人を改任することが
    できる。
③ 誤 管理人は、保存行為等を超える行為を必要とするときは、家庭裁判所の許可を得て、その行為をすることができる。家庭裁判所により選任された管理人は、
    不在者を被告とする建物収去土地明渡請求を認容した第一審判決に対して控訴を提起することができる。
④ 正 家庭裁判所により選任された管理人は、保存行為として不在者の自宅を修理することができるほか、家庭裁判所の許可を得てこれを売却することができる。

試験にデルノート7 権利関係P39~43





令和5年度宅建士試験合格発表!!

2023-11-21 | Weblog
◆合否判定基準

50問中36問以上正解(登録講習修了者45問中31問以上正解)

受験者233,276人
合格者は40,025人
合格率は17.2%
(登録講習修了者の合格率は24.1%)

  
  基本問題でミスをどれだけ少なくできたかが合否を分けることになりました。
    
  合格された方は本当におめでとうございます。



詳細はこちら
をご覧ください。
<財団法人不動産適正取引推進機構のウェブサイト>
こちら

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