必勝!合格請負人 宅建試験編

資格講座の講師をしています。役立つ情報を提供します。

21年宅建試験・重要問題と解説8

2010-04-22 | Weblog
【問2】AがA所有の土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述の
   うち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Bが自らを「売主Aの代理人B」ではなく、「売主B」 と表示して、買主Cとの
 間で売買契約を締結した場合には、Bは売主Aの代理人として契約しているとCが知
 っていても、売買契約はBC間に成立する。


2 Bが自らを「売主Aの代理人B」と表示して買主Dとの間で締結した売買契約につ
 いて、Bが未成年であったとしても、AはBが未成年であることを理由に取り消すこ
 とはできない。


3 Bは、自らが選任及び監督するのであれば、Aの意向にかかわらず、いつでもEを
 復代理人として選任して売買契約を締結できる。


4 Bは、Aに損失が発生しないのであれば、Aの意向にかかわらず、買主Fの代理人
 にもなって、売買契約を締結することができる。

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〔問 2〕*解説* 正解 2(民法・代理)

 A (本人)
 |
 B (代理人)- C (相手方)

<代理の場合(本人)(代理人)(相手方)と3者が登場しますので必ず図を描いてください。>

1.誤 代理人が顕名しない場合に、相手方がそのことにつき悪意または善意有過失の
   ときは、直接本人に対して効力を生じるのです。
    相手方CはBがAの代理人であることを知っているので、売買契約はAC間に
   成立します。

2.正 制限行為能力者でも代理人にすることはできますが、本人は、代理人が制限
    行為能力者であることを理由に、契約を取消すことはできません。

 *代理人が制限行為能力者であることによって、損をしたとしても,本人は自業自得
 だからです。

3.誤 代理人は、①本人の承諾があるとき、または、2)やむを得ない事由があるときに限り、
   復代理人を選任することができます。
    したがって、本人Aの意向にかかわらず、いつでもEを復代理人として選任
   することはできません。
    **任意代理は、本人と代理人の信頼関係による約束だからです。

4.誤 同一人が当事者双方の代理人になること(売主A、買主F双方の代理人となる
   こと)は、本人や相手方の利益を害するおそれがあるために双方代理として禁止
   され、無権代理 となります。

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***合格へのポイント***

 代理人が権限内において、本人のためにすることを示して(本人の代理人だということ
を示して=「顕名」)行った代理行為は、直接本人に対して効力を生じる。
<顕名がない場合>
原則 代理人と相手方の間に契約が成立
例外 次の場合は、本人と相手方の間に契約が成立
 ①相手方が知っていた場合(悪意)
 ②相手方が不注意で知らない場合(善意有過失)

代理人の行為能力
(1)代理人は行為能力者であることを要しない
(制限行為能力者であっても、代理人になることができる)。
(2)本人は、代理人が制限行為能力者であることを理由に、
  契約を取り消すことはできない。

復代理人の選任
任意代理人は、原則として復代理人を選ぶことはできない。
ただし,
①本人の許諾を得たとき
または
②やむを得ない事情があるとき
             は、復代理人を選ぶことができる。

自己契約・双方代理
代理人は、本人を代理して自分と契約すること(自己契約)や、
契約当事者の双方の代理人になって契約すること(双方代理)は、
原則としてできない。
もし、このような契約を行ったときには、無権(むけん)代理(だいり)となる。
 ただし、自己契約または双方代理であっても、本人の許諾(あるいは追認)が
あれば有効な代理行為となる。
 また、自己契約や双方代理の場合であっても、単なる債務の履行・登記の申請に
ついては、行うことができる。



  

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21年宅建試験・重要問題と解説7

2010-04-16 | Weblog
【問1】民法第95条本文は、「意思表示は、法律行為の要素に錯誤があったときは、
無効とする。」 と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び
判例によれば、誤っているものはどれか。

1 意思表示をなすに当たり、表意者に重大な過失があったときは、表意者は、自らその
無効を主張することができない。


2 表意者自身において、その意思表示に瑕疵(かし)を認めず、民法第95条に基づく
意思表示の無効を主張する意思がない場合は、第三者がその意思表示の無効を主張する
ことはできない。

3 意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容とし、かつ、その旨
を相手方に明示的に表示した場合は、法律行為の要素となる。


4 意思表示をなすについての動機は、表意者が当該意思表示の内容としたが、その旨を
相手方に黙示的に表示したにとどまる場合は、法律行為の要素とならない。

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〔問 1〕*解説* 正解 4(民法・錯誤)

1.正 重大な過失が表意者にあるときは、無効の主張はできません。

2.正 表意者に無効を主張する意思がないときは、第三者は、原則として、無効を
   主張することはできません。
 (錯誤による無効は、表意者「勘違いした本人」を保護するための制度なのです。
  だから、錯誤による無効の主張は表意者のみがすることができるのです。)

3.正 動機の錯誤の場合には、原則として、錯誤無効を主張することはできません。
   ただし、相手方に動機が明示または黙示に表示された場合には、法律行為の内容となるので、
   それが要素の錯誤に該当すれば、錯誤による無効の主張ができます。

4.誤 動機が黙示であっても表示された場合には、法律行為の内容となるので、それが要素の錯誤に
   該当すれば、錯誤による無効の主張ができます。

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***合格のポイント***

(1)要素の錯誤による意思表示は、無効である。
(2)表意者に重大な過失があるときには、表意者は、要素の錯誤による無効を主張する
  ことができない。
(3)錯誤による無効は、第三者の善意・悪意にかかわらず、対抗することができる。

**言葉の意味**
1 「要素の錯誤」とは、その勘違いがなければ、契約をしなかったであろうと思われる
 ような重要な部分に関する勘違いをいう。
2 「重過失」とは、大きな落ち度がある場合(少し注意すれば気がつくはずのことを、
 不注意で気づかなかったような場合)をいう。
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久しぶりのブログ更新です!!

2010-04-01 | Weblog
LEC専任講師 黒田 武雄 です

 水道橋本校で4月14日(水)13:00に

   権利関係第1回の講義が始まります!!


権利関係で受験生のみなさんにとって重要なことは、
今年の本試験に出題される可能性が高く、
さらに合格者の正答率の高い項目を知ることです。
 このためには、ウォーク問の特A・Aの順に解くようにして下さい。
(ホラー映画ではないですが、難問は決して一人で見ないでください。)

それから・・・
  毎年恒例の
「正問集」の作り方も講義で紹介してまいりますので、
      受講生のみなさん!
                ご期待ください。

そこで・・・

 講義に先立ちまして

    4/7(水) 19:10~

         「説明会」があります。

題して・・・

 「LEC式楽々合格法」必勝!合格請負人黒田武雄出陣!!
  (合格の秘訣を公開します。)



 これから少しずつですが、
     21年宅建試験・重要問題と解説
                 を公開していきます。
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