高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

バッグの修理

2007年09月23日 06時53分11秒 | 竹細工作業工程

_001_23 私の工房では「5年間無料修理保証」をしている。バッグは飾り物では無いので、持ち歩くうちに角の所が摺れたり、磨耗する。この写真も角の足の部分が磨り減って傷んだバッグを修理している所だ。

折角、高いお金を出して買って頂いても、何かあった時にそれっきりでは申し訳ない。竹のバッグは軽く、堅牢性もある。普通に使っていただくならば、30年、40年は充分持つ物なのだ。中には間違って、上に乗ってしまったり、踏みつけたりなど、思いもしない事故にあうこともある。でも、まー、こういったことは稀で大抵の修理と言うものは足の部分になる底辺の角である。

私が催事に行った時に、多い時には3・4個修理のバッグが持ち込まれる時もある。考えてみれば、買って頂く度に、使用されている作品はどんどん増えていくのである。数年で無くなって新しい物に買い換えてくれるのであれば、大体使用されている絶対量は変わらないのだろうが、そうはいかない。使用されるバッグは年々増えて行き、気に入って使い込めば、使い込むほど自ずと痛んで来る所も出てくるわけで!

工房の中でも、「無料修理と言うのはどうか?」という意見もあるが、製作ミスではなく、「明らかにお客様の事故で痛んだ物まで無料にするのはどうか?」 しかし、修理をして、お客様から、沢山の礼状が帰ってきます。

「昨日、修理していただきましたバッグ届きました。新品同様に直して下さりありがとうございました。これからも素敵な作品をお作り下さい。楽しみに致して居ります。とり急ぎお礼まで。」     

などと、お手紙が来ると、これからも責任を持って「無料修理」を続けていこうと思う。考え方次第で、広告宣伝費と考えれば良いのであって、これほど、お客様の気持ちに応える宣伝は無いと思うし、私の工房の一番のファンになって下さる。本当に使いに使い込んだバッグが戻ってくると「此処まで気に入って使い込んでくれたら!」と妙に嬉しくなる。

竹工房オンセ

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