高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

漆塗りの道具 1

2013年03月02日 06時10分52秒 | 竹細工作業工程

バッグの仕上げに入っています。
染色した後、下地の漆塗りをして、乾かします。そして、もう一度、仕上げの漆とイボタの蝋付けで、伝統的な模様を浮き立たせて行くます。

Cimg3237 これが、私の漆を塗るときに使う器です。
まな板のような木と、刺身を盛り付けるようなお更、漆をかき混ぜるヘラです。

しかし、良くみてみると・・・・

Cimg3234 真横にしてみても、お皿は下の
板から離れません。
これは、わざとくっつけたのでは無くて、長年、漆の作業をしている内に、少しずつ滴が垂れた物が固まって、引っ付いてしまったのです。

お皿は、最初は普通のお皿と一緒で、厚さが数ミリしか無かったんですが、いつもまにか、厚さが1センチ近くにも分厚くなっています。

Cimg3232 一番良く使うところなどは、こんなになって、まるで鍾乳石が何万年
も掛けて伸びていくように、漆の滴が、こんな形になってしまいました。
象の顔に見えるようなアートになっています。

Cimg3235 これは、同じケラなのですが、右はまだ新しいものです。それが、10数年使っている内に、少しずつ左の様に大きく育っていったのです。とても、同じヘラとは思えないでしょ!

漆の道具も、長年使っている内に、思いもよらないような表情を見せてくれるのです。

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