高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

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作業工程 その8 銑引き

2006年10月21日 04時38分00秒 | 竹細工作業工程

_003_2 ヒゴ取りの作業としては最後の行程になってきた。この銑引きでは最後の厚みをそろえる段階である。暑さを0.3ミリにするのか、0.35ミリにするのか最終調整するのである。竹細工の場合は巾よりも厚みの違いの方が影響する。たった0.1ミリでも全然違った感触になる。特に細かい網代編みの場合は編み目に隙間ができたり、持ったときの手触りに格段の違いが出てしまう。

銑引きの台の上に刃物をセットして、したの鉄の台と刃物の間に薄い竹を噛ませる。その隙間をどれだけにするか?で厚みを決めていく。隙間に1本1本ヒゴを通して厚さを揃える。几帳面な作品を作るときには欠かせない行程である。 逆に竹の素材感ととか、力強さなどをあしらう篭やもっと実用的な篭にはこの行程は必要ない。大体の手の感覚だけで充分である。_006_2

以前、研修旅行でお邪魔した宮崎県の広島翁、竹細工暦75年の大先輩曰く、「この道具を教えて頂いた事はそれまでの仕事に比べて画期的な違いがあった。」とおっしゃられていた。おそらく、別府竹細工の中で作られていった道具かもしれない。

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