緑地の表紙カバー全面に著者の装画が載せられ、イラスト風の星や月が流れている。94頁に26編を収める。
行わけ詩の多くの作品で、連ごとに段差がつけられている。その使い分けは、発語が向かう先が他者なのか、それとも自らの内部なのか、その意識の勢いの違いなのではないかと思われた。語りかけと自問自答が絡みあって混沌とした宙を飛んでいこうとしている。タイトルにある”B・B”はブラック・バードの頭文字のようだ。ただ、このブラック・バードが何を指しているのかはよく判らない。
カオスの洞窟から軽やかに飛び立ち
いつも景色を逆さまに見ながら
誰も見ない真実を見る
ブラック・バードに乗って
闇の中を 暁に向かって
苦悩の崖から羽ばたく
(「B・Bに乗って」より)
求めるものを探しあてようとする意識の混沌は、宙を埋める言葉の乱舞をまねく。焦りのように言葉もまた不規則に存在していて、その背後にはなにも抱えていないようなのだ。だから、宙に浮かんだ言葉だけが、言葉だけのものとして投げつけられてくる。
分かち持つ未知への鍵を握りしめて
色や数の増えたパズルは
どれから組んでも良いのだけれど
残るひとつのピースだけは
最後の扉の前で嵌め込み 完成させる
(「F」最終部分)
この混沌が詰まった詩集を編みあげたからといって、それほど容易に著者のパズルが完成されたとは思えない。だから、さらに書き続けていくのだろう。
行わけ詩の多くの作品で、連ごとに段差がつけられている。その使い分けは、発語が向かう先が他者なのか、それとも自らの内部なのか、その意識の勢いの違いなのではないかと思われた。語りかけと自問自答が絡みあって混沌とした宙を飛んでいこうとしている。タイトルにある”B・B”はブラック・バードの頭文字のようだ。ただ、このブラック・バードが何を指しているのかはよく判らない。
カオスの洞窟から軽やかに飛び立ち
いつも景色を逆さまに見ながら
誰も見ない真実を見る
ブラック・バードに乗って
闇の中を 暁に向かって
苦悩の崖から羽ばたく
(「B・Bに乗って」より)
求めるものを探しあてようとする意識の混沌は、宙を埋める言葉の乱舞をまねく。焦りのように言葉もまた不規則に存在していて、その背後にはなにも抱えていないようなのだ。だから、宙に浮かんだ言葉だけが、言葉だけのものとして投げつけられてくる。
分かち持つ未知への鍵を握りしめて
色や数の増えたパズルは
どれから組んでも良いのだけれど
残るひとつのピースだけは
最後の扉の前で嵌め込み 完成させる
(「F」最終部分)
この混沌が詰まった詩集を編みあげたからといって、それほど容易に著者のパズルが完成されたとは思えない。だから、さらに書き続けていくのだろう。