A4用紙4枚を2つ折りにして紐で綴じた14頁の詩誌の創刊号。5人が集まっている。
「さんぷんの遊び」坂多瑩子。
冒頭に作品の成り立ちが書かれている。女性7人が集まり(無意識)が関係する遊びをしたとのこと。「クローゼットを開けたら」というフレーズから各自が出てきたイメージを膨らませて3分間で作品を書いたとのこと。無記名のそれらの作品の作者の当てっこもしたとのこと。面白い遊びだな。
で。坂多の作品が引用されている。クローゼットの中には赤いお母さんのワンピースがあったのだ。そのワンピースを着てお母さんは汽車に乗ってどこかへ行こうとしたようなのだ。煤で真っ黒になったお母さんをあたしはお腹のなかから見てたのだ。実は次の日に書き足したという最終部分は、
駅
まだ着かない
クローゼットを開けたら
黒い
知らない男がとおせんぼしてた
書き出す前には「考えてもいなかったことが、言葉になり」しかもその内容が「私的には満更デタラメでもな」かったことに、坂多自身が驚いている。どこまで自分を解放できるのか。面白い遊びだな。
「おもわない」廿楽順治。
例によって何が書かれているのかは掴みにくい。しかし、面白い。おそらくは作者の意図とは異なる地点で愉しんでいるのだと思うのだが、書かれた言葉、その流れ、絡まりあいから私(瀬崎)の勝手な物語が産まれてくる。そんな物語を産ませるだけの豊かさが廿楽の作品にはある。後半部分は、
わたしはどの駅で
それがどんな石になるのか
時間のことはつよく噛み砕いて序詞にしなさい
そしてその通りに生きた
親の家はどれもみすぼらしく
すこし濡れた構造らしい
でも死んだ「それ」はほんとかな
(註:原文は行末揃えで表記)
「さんぷんの遊び」坂多瑩子。
冒頭に作品の成り立ちが書かれている。女性7人が集まり(無意識)が関係する遊びをしたとのこと。「クローゼットを開けたら」というフレーズから各自が出てきたイメージを膨らませて3分間で作品を書いたとのこと。無記名のそれらの作品の作者の当てっこもしたとのこと。面白い遊びだな。
で。坂多の作品が引用されている。クローゼットの中には赤いお母さんのワンピースがあったのだ。そのワンピースを着てお母さんは汽車に乗ってどこかへ行こうとしたようなのだ。煤で真っ黒になったお母さんをあたしはお腹のなかから見てたのだ。実は次の日に書き足したという最終部分は、
駅
まだ着かない
クローゼットを開けたら
黒い
知らない男がとおせんぼしてた
書き出す前には「考えてもいなかったことが、言葉になり」しかもその内容が「私的には満更デタラメでもな」かったことに、坂多自身が驚いている。どこまで自分を解放できるのか。面白い遊びだな。
「おもわない」廿楽順治。
例によって何が書かれているのかは掴みにくい。しかし、面白い。おそらくは作者の意図とは異なる地点で愉しんでいるのだと思うのだが、書かれた言葉、その流れ、絡まりあいから私(瀬崎)の勝手な物語が産まれてくる。そんな物語を産ませるだけの豊かさが廿楽の作品にはある。後半部分は、
わたしはどの駅で
それがどんな石になるのか
時間のことはつよく噛み砕いて序詞にしなさい
そしてその通りに生きた
親の家はどれもみすぼらしく
すこし濡れた構造らしい
でも死んだ「それ」はほんとかな
(註:原文は行末揃えで表記)