「雨期」は56頁。創刊は1982年とのことなので40年以上の歴史を持つ。8人が作品を発表している。
「出立」須永紀子。
生きているものは成長に従って変容する。すると、
さなぎからはじめて
すみやかに成体になり
時節が一巡するあいだに
果てに行きついた
その先はなだれおちる漆黒
成長し、変容し、ここではない場所を求める。それはこの場所が不満なのではなく、より良い環境を求めるのでもなく、もっと根源的な、生き延びるために必要な行為なのだろう。最終2行は「夜店で買った光る輪のような/この惑星を脱出する」。卑小で具体的な地球の直喩がなんとも効果的だ。
「タルタ」は40頁。長く千木貢氏が支えてこられたが、氏の没後も継続発行されている。同人9人の作品を載せる。
「転ぶ」田中裕子。
思いとは裏腹に身体は制御を失ってしまうことがある。話者は衆人の中で転んでしまう。それは恥ずかしいことではなく、むしろかなしいことだったようだ。思いだけが先に行ってしまったような戸惑い、焦りが身体に残されていたのだろう。
思うことが
追いついたら
もう立ち上がれないかもしれない
季節の風などに吹かれて 私
どこかに転がっているかもしれない
これは最終連だが、自分を突き放したような視点もあって、どこか諦めたような、それでいて誰かに縋りたいような、そんな絡み合った思いが巧みに吐露されていた。
「出立」須永紀子。
生きているものは成長に従って変容する。すると、
さなぎからはじめて
すみやかに成体になり
時節が一巡するあいだに
果てに行きついた
その先はなだれおちる漆黒
成長し、変容し、ここではない場所を求める。それはこの場所が不満なのではなく、より良い環境を求めるのでもなく、もっと根源的な、生き延びるために必要な行為なのだろう。最終2行は「夜店で買った光る輪のような/この惑星を脱出する」。卑小で具体的な地球の直喩がなんとも効果的だ。
「タルタ」は40頁。長く千木貢氏が支えてこられたが、氏の没後も継続発行されている。同人9人の作品を載せる。
「転ぶ」田中裕子。
思いとは裏腹に身体は制御を失ってしまうことがある。話者は衆人の中で転んでしまう。それは恥ずかしいことではなく、むしろかなしいことだったようだ。思いだけが先に行ってしまったような戸惑い、焦りが身体に残されていたのだろう。
思うことが
追いついたら
もう立ち上がれないかもしれない
季節の風などに吹かれて 私
どこかに転がっているかもしれない
これは最終連だが、自分を突き放したような視点もあって、どこか諦めたような、それでいて誰かに縋りたいような、そんな絡み合った思いが巧みに吐露されていた。