第1詩集のようだ。正方形の判型でソフトカバー、69ページに31編を収める。
詩集のタイトルは「うそつき」という作品に出てくる一節からきている。あなたの肉を食べたいというほどの感情に駆られながらの言葉。そのように、ここにある作品はどろどろとした重い感情をぶつけてくる。
「切り花」。花瓶の花は水やりを忘れられて萎えていく。それは花ではなく、一瞬の絵画にしかすぎないと話者は言う。花は花瓶の底の腐臭で満たされた水を吸ってでも存えようとする。
だから お前は
なるたけ無残に色褪せて枯れるべきだ
そして 存分に見せつけるべきだ
しゃがれきった声で叫ぶ姿を
根を奪われた生き物の
美しかったはずの花に、激しい、憎悪にも似た気持ちがぶつけている。しかし、それは戦うものへの励ましでもあるようなのだ。話者は、切り花に自分の姿を重ね合わせているのだろうか。
「耳」は少しユーモアが混じった作品。あちらこちらに「王様のロバの耳が ゴロゴロ落ちてい」て、その王様は「哀しすぎて」耳の行方などには構っていられないのだ。で、みんなは王様たちのロバの耳が大好物でムシャムシャ噛むのだ。
ロバの耳 ロバの耳 うるさいですね
私は私 関係ないですよ
と 髪をかき上げ うろたえる
あ 耳がない
自分に返ってくる皮肉たっぷりの作品。自分を突き放したところから捉える視点が生きている。
少し気になったのは、作品にやや説明をしてしまっている部分があること。説明をしてしまうと、その分だけ飛翔が小さくなってしまう。せっかくの作品が勿体ないと感じた。
詩集のタイトルは「うそつき」という作品に出てくる一節からきている。あなたの肉を食べたいというほどの感情に駆られながらの言葉。そのように、ここにある作品はどろどろとした重い感情をぶつけてくる。
「切り花」。花瓶の花は水やりを忘れられて萎えていく。それは花ではなく、一瞬の絵画にしかすぎないと話者は言う。花は花瓶の底の腐臭で満たされた水を吸ってでも存えようとする。
だから お前は
なるたけ無残に色褪せて枯れるべきだ
そして 存分に見せつけるべきだ
しゃがれきった声で叫ぶ姿を
根を奪われた生き物の
美しかったはずの花に、激しい、憎悪にも似た気持ちがぶつけている。しかし、それは戦うものへの励ましでもあるようなのだ。話者は、切り花に自分の姿を重ね合わせているのだろうか。
「耳」は少しユーモアが混じった作品。あちらこちらに「王様のロバの耳が ゴロゴロ落ちてい」て、その王様は「哀しすぎて」耳の行方などには構っていられないのだ。で、みんなは王様たちのロバの耳が大好物でムシャムシャ噛むのだ。
ロバの耳 ロバの耳 うるさいですね
私は私 関係ないですよ
と 髪をかき上げ うろたえる
あ 耳がない
自分に返ってくる皮肉たっぷりの作品。自分を突き放したところから捉える視点が生きている。
少し気になったのは、作品にやや説明をしてしまっている部分があること。説明をしてしまうと、その分だけ飛翔が小さくなってしまう。せっかくの作品が勿体ないと感じた。