秋亜綺羅の個人誌で、三上寛や小林坩堝の寄稿作品も載っている。しかし、今号で一番魅せられたのは「鮎川小学校1968年度2年3組」(千葉勲・編)と題された特集だった。
およそ45年前に小学校2年の生徒たちが書いた作品である。なぜ魅せられたか、とにかく作品をひとつ紹介する。
し(詩)のせかいへのカード せとまきこ
もらったカード
よるのカード
くびをちょっきん
くびをつけ
手をちょっきん
足をちょっきん
くすくすときっていく
しのせかいの谷間にむかって
やきぐるまの下の道
ちのさくらのきんかい
カードはふえて 人は
すくなく
人の はらの 中から
しのせかいへの
道がくだけた (全)
どうだろう。なぜ魅せられたかを説明する必要もないだろう。何も付け加えることはない。作者の年齢を考え合わせる必要もないほどに、作品世界がひとりで彼方まで出かけようとしている。
もうひとつ、あべじゅんこ「チリチリ チリリ」の始めの部分を紹介する。
チリチリチリリうごいている。うみがもえてる
チリチリチリリ。くももいっしょにもやそうよ。
てつもいっしょにもやそうよ。チリチリチリリ。
ゆきをもやせば 水火になる
クレヨンいっしょにとけていく。
学校いっしょにとけていく。
「ほうかりんごは やくにたたないぞ。」
ほうかりんごもとけていく。
この子供たちが言葉の中に見ていたものはどんなものだったのだろう。45年が経って、そのときに見えたものは今はどのように見えているのだろうか。
感想などではなく、こういう作品世界が作られたことがあったという紹介を、とにかくしたかった。
およそ45年前に小学校2年の生徒たちが書いた作品である。なぜ魅せられたか、とにかく作品をひとつ紹介する。
し(詩)のせかいへのカード せとまきこ
もらったカード
よるのカード
くびをちょっきん
くびをつけ
手をちょっきん
足をちょっきん
くすくすときっていく
しのせかいの谷間にむかって
やきぐるまの下の道
ちのさくらのきんかい
カードはふえて 人は
すくなく
人の はらの 中から
しのせかいへの
道がくだけた (全)
どうだろう。なぜ魅せられたかを説明する必要もないだろう。何も付け加えることはない。作者の年齢を考え合わせる必要もないほどに、作品世界がひとりで彼方まで出かけようとしている。
もうひとつ、あべじゅんこ「チリチリ チリリ」の始めの部分を紹介する。
チリチリチリリうごいている。うみがもえてる
チリチリチリリ。くももいっしょにもやそうよ。
てつもいっしょにもやそうよ。チリチリチリリ。
ゆきをもやせば 水火になる
クレヨンいっしょにとけていく。
学校いっしょにとけていく。
「ほうかりんごは やくにたたないぞ。」
ほうかりんごもとけていく。
この子供たちが言葉の中に見ていたものはどんなものだったのだろう。45年が経って、そのときに見えたものは今はどのように見えているのだろうか。
感想などではなく、こういう作品世界が作られたことがあったという紹介を、とにかくしたかった。