映画 Film269 『花の生涯 ～梅蘭芳～』

隊長が、これまでに鑑賞した「映画」を紹介するシリーズの第269作品目は、『花の生涯 ～梅蘭芳（メイ・ランファン）～』をお送りします。

 

 

『花の生涯 ～梅蘭芳～』 (原題：梅蘭芳）（英題：Forever Enthralled）は、2008年12月に公開（日本公開：2009年3月）された中国映画です。言語は、中国語普通話（北京語）。日本公開時は、日本語字幕版。

尚、「隊長のブログ」では、中国映画を、これで27作品を紹介したことになります。詳細は、こちらの記事一覧を、ご参照下さい  。

製作会社：中国電影集団公司、ほか。上映時間：148分。

監督：陳凱歌（チェン・カイコー）。

チェン・カイコー監督作品を、これで四本を取り上げたことになります。詳細は、こちらをご覧下さい   。

脚本：厳歌苓 （ゲリン・ヤン）、陳国富（チェン・クォフー）、張家魯（チャン・チアルー ）。

ゲリン・ヤンさん原作・脚本の映画は、2019年4月日本公開の 『芳華-Youth-』  を、紹介しています。

音楽：趙季平 （ヂャオ・チーピン）。

主演は、黎明（レオン・ライ）と、章子怡（チャン・ツィイー）。

レオン・ライさん出演映画は、1996年公開   『天使の涙』  と、1998年 『ラヴソング』  を、取り上げています。

チャン・ツィイー出演作品の記事一覧は、こちらをご参照下さい  。

共演者：孫紅雷（スン・ホンレイ）、陳紅（チェン・ホン）、王学圻（ワン・シュエチー）、英達（イン・ダー）、余少群（ユィ・シャオチュン）、安藤政信、六平直政、ほか。

 

 

あらすじ：祖父の代から続く京劇の名門に生まれた梅蘭芳（メイ・ランファン）。早くに両親を亡くし不遇の幼少期を過ごした彼だったが、美貌と才能を受け継ぎ、10代にして女形のスターとして花開きます。《青年時代：ユィ・シャオチュン、以降：レオン・ライ》

その後、海外で学んだ邱如白（チウ・ルーパイ）《スン・ホンレイ》と出会った梅蘭芳は、彼の主張に感銘を受け、伝統的な京劇の世界にも革命が必要だと考えて実践していきます。そんな二人は義兄弟の契りを交わし、強い絆で結ばれていきました。そしていよいよ梅蘭芳が円熟期を迎えたその時、彼は京劇界きっての男形女優・孟小冬（モン・ツァオトン）《チャン・ツィイー》と、運命的な恋に落ちるのでしたが。。。

 

 

感想：本作は、『北京バイオリン』  などの巨匠：チェン・カイコー監督が、『さらば、わが愛/覇王別姫』 に続いて再び京劇をテーマに、伝説の女形として語り継がれる実在の名優：梅蘭芳（メイ・ランファン）の生涯を撮り上げた伝記ドラマです。

チェン・カイコー監督にとって、『さらば、わが愛/覇王別姫』以来、15年ぶりに京劇をテーマにした作品ですが、日本人にとって、前作より分かりやすく、娯楽性が増していると感じました。

例えば、梅蘭芳と孟小冬が恋に落ちる展開は、まるで歌舞伎の女形と宝塚の男役の恋愛物語に置き換えて、観ることが出来ました。

青年時代の梅蘭芳を演じたユィ・シャオチュンも良かったのですが、レオンライの梅蘭芳とチャン・ツィイーの孟小冬が登場した途端、画面が一気に華やかになりました。さすが、実績と人気を兼ね備えた二人ですね。

本作を観ていて、スン・ホンレイが演じた邱如白の役どころは、中国ドラマ 『君、花海棠の紅にあらず』   で、李澤鋒（リー・ザーフォン）が演じた、海外留学の経験のある戯曲作家の杜洛城（ドー・ルオチョン）と同じですね。

というか、『君、花海棠の紅にあらず』 が、『花の生涯～梅蘭芳～』 に、インスパイアされたのかも知れません。

『君、花海棠の紅にあらず』にも、本作にも京劇役者を軍部に屈服させようとする、日本人軍人が登場するのですが、『君、花海棠の紅にあらず』では、中国人俳優が演じていて、所作も日本語も怪しいし、ステレオタイプの軍人として描いています。

一方、本作では田中隆一少佐役を安藤正信が、吉野中将役を六平直政と、日本でも著名の俳優が演じていて、まとまな描写になっています。

これは、1987年から1989年までの間、ニューヨークのティッシュ・スクール・オブ・ジ・アーツで客員研究員を務めるなど、国際経験豊かなチェン・カイコー監督だからこそだと思いました。

 

 

 

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